3月23日 BIZ+SUNDAY
中小型液晶パネル世界シェア
16,2% ジャパンディスプレイ
15,1% シャープ
14,2% LGディスプレイ(韓国)
11,3% 群創光電(台湾)
7,5% 友達光電(台湾)
35、7% その他
苦戦が続く日本のエレクトロニクス業界にあって世界シェア1位なのがジャパンディスプレイ。
2年前 赤字に苦しんでいた日立製作所、東芝、ソニーの液晶パネル事業を1社に統合。
産業革新機構から2千億円の出資を受けていわば国主導で再スタートをきった。
3月19日 東証第1部への上場を果たしたジャパンディスプレイ。
3社統合から2年。
計画を1年前倒してのスピード上場である。
(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長(62))
「“技術で勝ってビジネスで負ける”という日本のエレクトロニクス産業が長い間抱えてきた問題を解決したい。」
ジャパンディスプレイは従業員5700人。
国内に6つの工場を持ち中小型の液晶パネルを製造。
スマホの普及を追い風に業績を伸ばしてきた。
Q,2年前の設立当時は各社の不採算事業を寄せ集めただけじゃないかという指摘もあったが
そこはバネになったか?
(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長)
「統合のときに言われたのは
『国のお金を使ってどう思っているんだ?』
『企業の再生をやるんだよね?』
という言葉をもらって私自身これに対する反感というか燃えるものを感じた。
従業員に対しても我々は再生じゃない。
私たちは成長を目的にしてお金を出してもらったんであって
成長のためにお金を使っていくんだと明確に従業員に語った。」
大塚社長がまず行ったのが能力重視の人事だった。
統合会社にありがちなタスキ掛け人事をやめ
執行役員は出身会社のバランスを考えず選んだ。
その上で大塚社長が何よりも重視するのが経営のスピード。
現場で求められる判断ではその場で結論を出していく。
さらに経営を立て直すためにこだわったのが3社の強みを融合すること。
現在主力の液晶パネルは
画面の見やすさを実現する日立の広視野角
東芝の高精細
ソニーの低消費電力などの技術を組み合わせている。
しかし会社を設立して間もなく大塚社長は厳しい試練に直面した。
大口の取引先だったアップルからの注文が激減したのである。
最新のiPhoneの低迷が原因だった。
そのままでは100億円の赤字に陥る恐れがあった。
大塚社長は取引の望みのあった台湾のメーカーに掛け合いトップセールスで契約を取りつけた。
(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長)
「ぜひ社長に会いたいと出向いて行って
『うちはこれだけいいものを持っている。
これを使うべきだ。』
『OK やろう。』と握手した。
あれはうれしかった。
そういうときには自分が行って取ってくるんだというこのスピード感というのは実感した。」
大塚社長はかつて大手電機メーカーの半導体事業を統合したエルピーダメモリの取締役を務めていた。
しかし退任後エルピーダメモリが経営破たん。
大塚さんは資金不足で思うような投資が出来なかったことが原因だと分析している。
Q.経営破たんしたエルピーダメモリの経営幹部だったがあそこでの教訓は何か?
(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長)
「日本はとにかく強い技術を持っている。
技術はあるけれども本気になって打って出ようとしたときに出来ない。
iPhoneやギャラクシーなどの大口のビジネスを取ろうとしたときに
明快に生産能力がない
お金がない
何もできない状況。
この場合の技術というのは持ち腐れの状態になってしまう。
ここをなんとかしなければならない。」
エレクトロニクス業界の投資の重要性を痛感している大塚社長は計画を1年以上前倒し手上場に踏み切った。
市場から集めた資金は1200億円にのぼった。
これらの資金を主力工場に投資し最新の中小型液晶パネルの生産能力を世界トップクラスに高める計画である。
ジャパンディスプレイの世界シェアは去年は16%余。
いま韓国メーカーなどの猛追を受けている。
ライバルを引き離す戦略。
大塚社長は今後新興国で普及が見込まれる低価格のスマートフォンに対応した製品を強化するしかないと考えている。
そのため中国市場に精通した人物を経営幹部に招いた。
(台湾の子会社 許社長)
「今 中国では精力的に携帯電話からスマートフォンに移行しています。
ジャパンディスプレイの製品を売り込むのに今こそチャンスです。」
(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長)
「中国のいままで無名だったメーカーがブランドメーカーとして非常に大きく飛躍しようとしている。
このエネルギーはすごいものを感じる。
ボリュームゾーン(新興国市場)で勝てなかったら潰れる。
潰れるというのは最終的には負ける。」
Q.日本のメーカーが技術を持って世界に勝つためには何が必要か?
(ジャパンでディスプレイ 大塚周一社長)
「創業者魂。
本当に自分たちがどういう姿になりたいか。
明快にビジョンを持ってその目標に向かって従業員全体のベクトルを合わせて突き進む。
その精神は重要。
創業期の会社というのは社長がなんでも物事を決めて
社長自らセールスマンとして走ったり
品質の問題を改善したり
開発のところに足を突っ込んだり
その動きは何かといったらスピード感。
このスピード感が出てこないと下からボトムアップの状態で物事が進んでいくのでは勝てない。」
中小型液晶パネル世界シェア
16,2% ジャパンディスプレイ
15,1% シャープ
14,2% LGディスプレイ(韓国)
11,3% 群創光電(台湾)
7,5% 友達光電(台湾)
35、7% その他
苦戦が続く日本のエレクトロニクス業界にあって世界シェア1位なのがジャパンディスプレイ。
2年前 赤字に苦しんでいた日立製作所、東芝、ソニーの液晶パネル事業を1社に統合。
産業革新機構から2千億円の出資を受けていわば国主導で再スタートをきった。
3月19日 東証第1部への上場を果たしたジャパンディスプレイ。
3社統合から2年。
計画を1年前倒してのスピード上場である。
(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長(62))
「“技術で勝ってビジネスで負ける”という日本のエレクトロニクス産業が長い間抱えてきた問題を解決したい。」
ジャパンディスプレイは従業員5700人。
国内に6つの工場を持ち中小型の液晶パネルを製造。
スマホの普及を追い風に業績を伸ばしてきた。
Q,2年前の設立当時は各社の不採算事業を寄せ集めただけじゃないかという指摘もあったが
そこはバネになったか?
(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長)
「統合のときに言われたのは
『国のお金を使ってどう思っているんだ?』
『企業の再生をやるんだよね?』
という言葉をもらって私自身これに対する反感というか燃えるものを感じた。
従業員に対しても我々は再生じゃない。
私たちは成長を目的にしてお金を出してもらったんであって
成長のためにお金を使っていくんだと明確に従業員に語った。」
大塚社長がまず行ったのが能力重視の人事だった。
統合会社にありがちなタスキ掛け人事をやめ
執行役員は出身会社のバランスを考えず選んだ。
その上で大塚社長が何よりも重視するのが経営のスピード。
現場で求められる判断ではその場で結論を出していく。
さらに経営を立て直すためにこだわったのが3社の強みを融合すること。
現在主力の液晶パネルは
画面の見やすさを実現する日立の広視野角
東芝の高精細
ソニーの低消費電力などの技術を組み合わせている。
しかし会社を設立して間もなく大塚社長は厳しい試練に直面した。
大口の取引先だったアップルからの注文が激減したのである。
最新のiPhoneの低迷が原因だった。
そのままでは100億円の赤字に陥る恐れがあった。
大塚社長は取引の望みのあった台湾のメーカーに掛け合いトップセールスで契約を取りつけた。
(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長)
「ぜひ社長に会いたいと出向いて行って
『うちはこれだけいいものを持っている。
これを使うべきだ。』
『OK やろう。』と握手した。
あれはうれしかった。
そういうときには自分が行って取ってくるんだというこのスピード感というのは実感した。」
大塚社長はかつて大手電機メーカーの半導体事業を統合したエルピーダメモリの取締役を務めていた。
しかし退任後エルピーダメモリが経営破たん。
大塚さんは資金不足で思うような投資が出来なかったことが原因だと分析している。
Q.経営破たんしたエルピーダメモリの経営幹部だったがあそこでの教訓は何か?
(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長)
「日本はとにかく強い技術を持っている。
技術はあるけれども本気になって打って出ようとしたときに出来ない。
iPhoneやギャラクシーなどの大口のビジネスを取ろうとしたときに
明快に生産能力がない
お金がない
何もできない状況。
この場合の技術というのは持ち腐れの状態になってしまう。
ここをなんとかしなければならない。」
エレクトロニクス業界の投資の重要性を痛感している大塚社長は計画を1年以上前倒し手上場に踏み切った。
市場から集めた資金は1200億円にのぼった。
これらの資金を主力工場に投資し最新の中小型液晶パネルの生産能力を世界トップクラスに高める計画である。
ジャパンディスプレイの世界シェアは去年は16%余。
いま韓国メーカーなどの猛追を受けている。
ライバルを引き離す戦略。
大塚社長は今後新興国で普及が見込まれる低価格のスマートフォンに対応した製品を強化するしかないと考えている。
そのため中国市場に精通した人物を経営幹部に招いた。
(台湾の子会社 許社長)
「今 中国では精力的に携帯電話からスマートフォンに移行しています。
ジャパンディスプレイの製品を売り込むのに今こそチャンスです。」
(ジャパンディスプレイ 大塚周一社長)
「中国のいままで無名だったメーカーがブランドメーカーとして非常に大きく飛躍しようとしている。
このエネルギーはすごいものを感じる。
ボリュームゾーン(新興国市場)で勝てなかったら潰れる。
潰れるというのは最終的には負ける。」
Q.日本のメーカーが技術を持って世界に勝つためには何が必要か?
(ジャパンでディスプレイ 大塚周一社長)
「創業者魂。
本当に自分たちがどういう姿になりたいか。
明快にビジョンを持ってその目標に向かって従業員全体のベクトルを合わせて突き進む。
その精神は重要。
創業期の会社というのは社長がなんでも物事を決めて
社長自らセールスマンとして走ったり
品質の問題を改善したり
開発のところに足を突っ込んだり
その動きは何かといったらスピード感。
このスピード感が出てこないと下からボトムアップの状態で物事が進んでいくのでは勝てない。」