3月30日 NHK海外ネットワーク
東京都の半分ほどの面積に720万人が暮らす香港。
人口密度は世界でも有数の高さである。
道路は慢性的に渋滞。
市民の足はもっぱら路面電車のトラムや地下鉄。
香港のタクシーに対する旅行者の評価は年々厳しくなってきている。
「タクシーの評価」調査では香港は2011年は3位だったが
2012年は8位
そして2013年は15位と順位を下げてきている。
こうした状況を打開しようと運転手が独自のサービスを行って客のニーズにこたえようという動きが広がっている。
タクシードライバー歴12年の周展図さんはある方法で5年前より収入を1割以上増やした。
8台の携帯電話をフルに活用。
客からの依頼の電話を自分で受け
自らが配車係になって仲間の運転手を紹介することで収入アップにつなげている。
マイカーの台数がこの10年で35%増えた香港。
渋滞は悪化の一途をたどっている。
タクシーを頼んでも長時間待たされたりひどいときには車が来なかったりもする。
(地元の人)
「30分待っても来ないこともある。」
「地下鉄を使うことが多い。」
周さんは個人でタクシーを運転している。
しかし客から直接配車の依頼を受ける方法で約4000人の顧客を抱えるまでになった。
周さんが客から依頼を受ける携帯電話は5台。
客に優先順位をつけるなどして使い分けている。
自分が客を迎えに行けない場合にはスマートフォンの専用アプリを使って数百人の運転手仲間に一斉連絡。
(周展図さん)
「操作は簡単で迎えに行く場所と目的地が表示される。」
周さんも仲間から客を紹介してもらうこともある。
このようにネットワークの中で客を融通し合うことで客待ちの時間を減らし売り上げを伸ばしていったのである。
なじみの客の羅志輝さんは出張で頻繁に郊外の空港を利用するがタクシー会社に依頼時は長い時間待たされることがよくあった。
しかし周さんのタクシーを利用するようになってからは早朝でも深夜でもすぐに駆けつけてくれるため便利になったと言う。
(羅志輝さん)
「空港に行く朝は早起きの必要があるけど家につく15分前に電話してくれます。
サービスにはとても満足しています。」
周さんのような運転手が評判になっているもう一つの理由が溶菌が安くなることである。
タクシー会社所属の運転手の場合は会社が禁止している料金の割引に周さんたちは応じている。
「15パーセント割り引いて115香港ドルです。」
固定客の獲得につながったり新しい客を紹介してもらったりするので
割引しても売り上げは増加している。
こうした周さんのような運転手は“割引党”と呼ばれている。
今や香港のタクシー運転手約3万人中1万人近くを占めるまでになっている。
(周展図さん)
「古いやり方にこだわっていたら時代に置いていかれる。
そのへんのタクシーなんて相手にならないよ。」
割引党のあまりの人気に他のタクシー運転手からは“客を奪われた”と不満の声が上がっている。
(一般のタクシー運転手)
「割引党が出てきてから2割ぐらい売り上げが減った。」
さらに香港の議会にあたる立法会でも
“運転しながらスマートフォンを操作するのは危険”
と規制を求める意見も出た。
(議員)
「犠牲者や大事故が無ければ政府は行動をとらないのか。」
しかし香港政府は
“スマートフォンを車内に固定した状態で操作することまでは規制できず”
としている。
また料金の割引の容認している。
周さんは割引党のシステムは客と運転手双方にメリットがあるとして今後も続けていくつもりである。
(周展図さん)
「割引党になってから仲間とチームを組んでサービスできるようになり
お客さんに喜ばれている。
利益が出ているので自分も気持ちよく働ける。
これからも割引党でやっていく。」
昔ながらの運転手のネットワークと最新の通信技術をフルに生かしたタクシーのサービス。
香港でますます広がっていきそうである。
料金を割り引くのはリピーターであることが事実上前提なので
利用者の大半は地元の人である。
一度きりの旅行で利用するのは難しそうだが
最近は中国本土から頻繁に訪れる観光客がこのサービスに気づき始めて利用がさらに広がっている。
東京都の半分ほどの面積に720万人が暮らす香港。
人口密度は世界でも有数の高さである。
道路は慢性的に渋滞。
市民の足はもっぱら路面電車のトラムや地下鉄。
香港のタクシーに対する旅行者の評価は年々厳しくなってきている。
「タクシーの評価」調査では香港は2011年は3位だったが
2012年は8位
そして2013年は15位と順位を下げてきている。
こうした状況を打開しようと運転手が独自のサービスを行って客のニーズにこたえようという動きが広がっている。
タクシードライバー歴12年の周展図さんはある方法で5年前より収入を1割以上増やした。
8台の携帯電話をフルに活用。
客からの依頼の電話を自分で受け
自らが配車係になって仲間の運転手を紹介することで収入アップにつなげている。
マイカーの台数がこの10年で35%増えた香港。
渋滞は悪化の一途をたどっている。
タクシーを頼んでも長時間待たされたりひどいときには車が来なかったりもする。
(地元の人)
「30分待っても来ないこともある。」
「地下鉄を使うことが多い。」
周さんは個人でタクシーを運転している。
しかし客から直接配車の依頼を受ける方法で約4000人の顧客を抱えるまでになった。
周さんが客から依頼を受ける携帯電話は5台。
客に優先順位をつけるなどして使い分けている。
自分が客を迎えに行けない場合にはスマートフォンの専用アプリを使って数百人の運転手仲間に一斉連絡。
(周展図さん)
「操作は簡単で迎えに行く場所と目的地が表示される。」
周さんも仲間から客を紹介してもらうこともある。
このようにネットワークの中で客を融通し合うことで客待ちの時間を減らし売り上げを伸ばしていったのである。
なじみの客の羅志輝さんは出張で頻繁に郊外の空港を利用するがタクシー会社に依頼時は長い時間待たされることがよくあった。
しかし周さんのタクシーを利用するようになってからは早朝でも深夜でもすぐに駆けつけてくれるため便利になったと言う。
(羅志輝さん)
「空港に行く朝は早起きの必要があるけど家につく15分前に電話してくれます。
サービスにはとても満足しています。」
周さんのような運転手が評判になっているもう一つの理由が溶菌が安くなることである。
タクシー会社所属の運転手の場合は会社が禁止している料金の割引に周さんたちは応じている。
「15パーセント割り引いて115香港ドルです。」
固定客の獲得につながったり新しい客を紹介してもらったりするので
割引しても売り上げは増加している。
こうした周さんのような運転手は“割引党”と呼ばれている。
今や香港のタクシー運転手約3万人中1万人近くを占めるまでになっている。
(周展図さん)
「古いやり方にこだわっていたら時代に置いていかれる。
そのへんのタクシーなんて相手にならないよ。」
割引党のあまりの人気に他のタクシー運転手からは“客を奪われた”と不満の声が上がっている。
(一般のタクシー運転手)
「割引党が出てきてから2割ぐらい売り上げが減った。」
さらに香港の議会にあたる立法会でも
“運転しながらスマートフォンを操作するのは危険”
と規制を求める意見も出た。
(議員)
「犠牲者や大事故が無ければ政府は行動をとらないのか。」
しかし香港政府は
“スマートフォンを車内に固定した状態で操作することまでは規制できず”
としている。
また料金の割引の容認している。
周さんは割引党のシステムは客と運転手双方にメリットがあるとして今後も続けていくつもりである。
(周展図さん)
「割引党になってから仲間とチームを組んでサービスできるようになり
お客さんに喜ばれている。
利益が出ているので自分も気持ちよく働ける。
これからも割引党でやっていく。」
昔ながらの運転手のネットワークと最新の通信技術をフルに生かしたタクシーのサービス。
香港でますます広がっていきそうである。
料金を割り引くのはリピーターであることが事実上前提なので
利用者の大半は地元の人である。
一度きりの旅行で利用するのは難しそうだが
最近は中国本土から頻繁に訪れる観光客がこのサービスに気づき始めて利用がさらに広がっている。