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タイ 広がる“昆虫食”

2014-04-17 08:15:00 | 報道/ニュース
4月9日 キャッチ!


古くから貴重な栄養源だった食用昆虫が市場を拡大している。
さらなる温暖化が食糧不足を招くと危惧される中
国連も昆虫がこの問題を解決する有力な食糧になると注目している。

タイの農村部コンケンで人気のきらびやかな電飾をつけた屋台。
売っているのは昆虫とバジルを油で揚げたスナックである。
豊富なたんぱく質やビタミン、ミネラルを含む昆虫。
タイでは東北部の農村部などを中心に昆虫を食べ物として取り入れ貴重な栄養源となってきた。
さらに首都バンコクでもここ数年は昆虫の屋台が増加。
農村部から都市部へ出稼ぎに来ている人が増えたため
バンコクにも昆虫食が広まり消費マーケットは年々拡大しているという。
「おいしい。
 カリカリしていて手ごろな値段がいいよね。」
「お酒のおつまみとして食べます。
 全部好きです。」
こうした昆虫食を支えているのは食用の虫を育てる農家である。
農村が広がるタイ東北部。
ここでは食用のコオロギを育てる農家が集まっている。
その数は約2万軒。
独特のシステムで年間7,500トンを生産している。
コンクリートの枠にケースを敷き詰めコオロギに卵を産ませる。
鳥のエサを与えて育て約1か月で加工工場へ出荷されるのである。
加工工場では洗浄、湯通しを経て袋詰めされ
1袋5キロあたり日本円で約2,000円で売られる。
鶏肉や豚肉と同じ程度の価格は農家で大きな収入となっている。
(農家)
「昆虫農業のおかげで生活は安定しています。
 以前は買えなかった車がこの仕事を始めて買えました。」
東北部のユンケン大学農学部 ユパ・ハンブーンソン准教授は16年前に昆虫農業を開発した1人である。
昆虫食をさらに広げるためコオロギを使った食品の開発にも力を入れている。
地元の学生たちと作ったのは料理に使うチリペーストやチップス、クッキー。
(学生)
「おいしいよ。
 虫が入っている感じがしないので若い子も好きだと思います。」
(ユンケン大学農学部 ユパ・ハンブーンソン准教授)
「レシピを開発したら農家の人たちにビジネスとして役立ててもらう予定です。
 これからも昆虫ビジネスのため色々な食品に挑戦していきたい。」
タイで広がる食用昆虫に食糧危機対策に取り組む国連も注目している。
(国連食糧農業機関 小沼廣幸事務局長補)
「食料を60%増産しなければ需要に見合わなくなる。
 我々は決して油断してはいけない。
 利用可能な食物資源を最大限に活用し
 できるだけ将来生かせるような努力をしなければならない。」
ユパさんたちは現在 国連や政府とともに昆虫農業を海外に広める活動を行っている。
この日はアフリカや東南アジアなど18か国から研修生を招いて昆虫農業を学んでもらう研修を開いた。
(中国からの参加者)
「この技術を中国に持ち帰りたい。
 中国人はなんでも食べるのが好きだから。」
(アフリカからの参加者)
「私の国でもうまくいくか昆虫農業を実践してみたい。」
(ユンケン大学農学部 ユパ・ハンブーンソン准教授)
「タイだけでなく多くの国で昆虫は食べられていました。
 いろいろな国の人たちにタイの事例を知ってもらいたい。
 コオロギ農業は1つのモデルであり各国ごとの昆虫で実践できるのです。」

タイで広がる昆虫食の取り組み。
食糧危機回避の一手としてさらなる広がりを見せるのか注目が集まっている。
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