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カンボジア 卒業試験で“不正”横行

2014-11-10 07:30:00 | 海外ネットワーク

11月2日 NHK海外ネットワーク



カンボジアでは毎年夏に高校3年生を対象にした全国一斉の卒業試験が行われる。
この試験で不合格になると卒業はできず留年である。
例年は8割の生徒が合格するこの試験に
今年は約10万人の受験生のうちわずか26%しか合格しなかった。
なぜ今年に限って合格率が激しく落ち込んだのか。
その背景には長年行われてきた不正行為があった。

首都プノンペンの高校。
授業を受けているのはこの夏の試験で不合格だった生徒たち。
4人に1人しか合格できないという前例のない結果になった今年の試験。
不合格の生徒を救済しようと政府は急きょ11月に追試を行うことに決めた。
なんとか卒業したいと生徒たちは秋になっても高校に通い特別授業を受けている。
去年までは8割の生徒が合格していた全国規模の卒業試験。
しかし高い合格率の背景にはカンニングなどの不正行為があるとかねてから言われてきた。
そこで政府が今年から不正行為を厳しく取り締まったところ合格者が一気に減ってしまったのである。
今年の試験当日の朝
プノンペン市内のコピー店で事前に流出した試験問題の正解が書かれた紙をコピーしている生徒たち。
スマートフォンで撮影。
また隠し持てるように小さく切る生徒もいる。
試験当日には毎年のように見られる光景だという。
カンニングなどの不正がここまで広がったのは7,8ほど前から。
給料が安く生活に困った教師らが金と引き換えに
試験の答えを生徒に教えるなど手助けするようになったことが背景にあると指摘されている。
そこでカンボジア政府は今年初めて全国で本格的な対策に乗り出した。
まず行ったのが試験会場での持ち物検査。
カンニングペーパーや携帯電話の持ち込みは一切禁止。
事前に厳しくチェックしていく。
没収品を集める袋はあっという間に一杯である。
さらに試験問題は厳重に管理。
内容が事前に漏れることを防ぐ。
試験場の監視も強化した。
3千人もの監視員を全国の会場に配置。
生徒から賄賂をもらった教師がカンニングに協力しているケースもあったためである。
不正行為の撲滅に全力を挙げたカンボジア政府。
しかしその結果皮肉にも多くの生徒が不合格となり追試が行われることになったのである。
プノンペン市内の高校に通うル・ペックさん。
カンニングに頼ろうとしたもののうまくいかずに不合格になった一人である。
生活を切り詰め学費を出してきた両親も心を痛めている。
(ペックさんの父親)
「息子は学校の成績はトップなのに試験に落ちるなんて本当にショックだ。」
心を入れ替え追試に望むことにしたペックさん。
(ル・ペックさん)
「もうしないよ絶対に。
 100%自分で頑張ります。」
カンボジア政府は
優秀な人材を求めて進出してくる日本など外国企業の期待に応えるためにも
不正防止の対策を強化したいとしている。
(ハン・チュオン・ナロン教育青年スポーツ相)
「政府が教育に力を入れなければ海外からの投資家を引き付けられない。
 この取り組みはこれからの若者のためになる。」


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