11月9日 BIZ+SUNDAY
カンボジアへの医療の輸出を病院とともに進めている日揮。
世界中で石油プラントの建設などを手掛けてきた日揮は
今後 医療の輸出が大きなビジネスになると考え今回のプロジェクトに乗り出した。
(日揮 医療・福祉プロジェクト 金光健理事)
「石油系のプラントビジネスのほかにも何本か大きな柱を作る必要がある。
1つの柱として医療・福祉という世界も可能性があると思っている。
我々が海外で培ったマネジメント技術が適用できる分野だと思う。」
しかし医療の輸出にはさまざまな課題があることがわかってきた。
その1つが治療費の設定。
カンボジアではある理由から治療費を高く設定すると患者が来ない恐れがある。
「価格は自由に設定できるが
一方で日本と違って社会保険が整備されてないので。」
日本では国民皆保険制度があり多くの患者の医療費の負担は3割にとどまっている。
しかしカンボジアには公的な医療保険制度がないため全額負担となっている。
「いい医療があっても患者が払えなかったらあっても無いのと同じなので。」
首都プノンペンでは1世帯当たりひと月の手取りは平均約5万円。
治療費をいくらにすれば採算が合うのか頭を悩ませている。
もう1つの課題は現地の人材をどう育てるか。
病院では医療スタッフの3分の2の約50人をカンボジアで採用する計画である。
しかし優秀な人材の確保は難しいのが現状である。
(現地駐在スタッフ)
「メディカルエンジニアはカンボジアにはまだ明確には無い職種。」
たとえばカンボジアには医療機器を扱う技術者の資格がない。
そのため一から教育する必要がある。
「たとえば工学的な知識のある人を採用して医療機器メーカーで研修を受けてもらう。」
(カンボジアに行く 林祥史医師)
「我々からしたら当然の職種が向こうにはまだなかったり整備されていない。
我々の中で作っていく形になると思う。」
(日揮 医療・福祉プロジェクト 金光健理事)
「実際に運営してみないとまだ見えていない問題があるかもしれないが
日本のいい医療 サービスが提供できれば必ずこのビジネスは成り立つと考えている。」