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資金ゼロで海外出店 ラーメン新ビジネス

2014-11-16 08:00:00 | ビズ プラス

11月9日 BIZ+SUNDAY


日本のラーメンは海外でも人気でアジアにはすでに1千軒以上のラーメン店があるそうである。
海外に出店するのには資金や人手やノウハウなどが必要で
資金力のある大手チェーンでないと難しいのが現状だった。
こうしたなか街の小さな個人経営の海外進出をサポートするビジネスが登場。
注目を集めている。

シンガポールに新しいラーメン店がオープンした。
日本でも人気の鶏白湯ラーメン。
「麺の触感がいいわね。」
「スープがさっぱりしているのに味わい深くてとてもおいしい。」
味にうるさいシンガポールの人たちにも好評である。
シンガポールで提供されていたのは東京都北区のお店のラーメン。
店主の内田元さんは通もうなされるこだわりのラーメンを作り続けている。
(らあめんHAJIME 内田元さん)
「外国の方のことを考えたときに豚肉が食べられない国も多くて
 豚のチャーシューを使わないで鶏チャーシューを使っている。」
自分のラーメンは海外に通用するのか。
いつか試してみたいと考えていた内田さん。
そんな内田さんに海外進出のチャンスが訪れたのは2年前。
資金も人手もノウハウも不要。
海外に出向く必要すらないという夢のような話だった。
「実質資金がゼロの状態で海外でラーメン屋が始められるというのはノーリスク。
 失敗しても僕は損しないからいいかぐらいの
 そんな面白さにのってみたという感じ。」
内田さんの海外進出をサポートしたのはグルメイノベーション 井上琢磨社長。
以前は大手IT企業に勤めていたが
海外でのラーメンの将来性に魅力を感じ事業を立ち上げた。
(グルメイノベーション 井上琢磨社長)
「日本でのラーメンのマーケットは約8割が個人事業主。
 個人の方々がお金を3000万とか4000万集めて海外に出て行こうと思うとハードルが高い。
 僕らと一緒であれば海外に持っていくことができて
 そんなに多くないかもしれないけどきちんとリターンもある。」
資金も人手もなしでどうやって海外進出をするのか。
井上さんが考えた方法はこれまでにない斬新な方法だった。
まず麺のうち方からスープの作り方まで店の命ともいえるラーメンの作り方をすべてレシピ化する。
井上さん自身が調理場に入り職人が体で覚えているラーメンづくりの技術を徹底的に数値化していく。
スープは色・濃度・粘度を調理時間ごとに計測。
誰が作っても同じ味のラーメンができるようになるため海外に職人を送り込む必要が無くなるのである。
(本田商店 本田眞人さん)
「レシピをゆだねてやっていく不安は
 正直ないことはない。
 おいしいものを食べて喜んでいただきたいという気持ちをしっかり受け継いでやっていただきたい。」
店舗探しからスタッフの手配まですべてを井上さんの会社が行い
レシピを提供した店側には売り上げの2%が支払われる仕組みである。
実はシンガポールのラーメン店が出すラーメンは1種類だけではない。
豚骨しょうゆ、こってりしょうゆ、みそ、担担麺、鶏白湯、豚骨
その数は6種類。
6軒のラーメン店のレシピを集めその味を再現しているのである。
なぜ6種類ものラーメンを出すのか。
そこには井上さんなりの計算がある。
通常 飲食店が海外に出店する場合
その味が現地で受け入れられなければ撤退するしかなく
大きなリスクがあった。
そこで1軒の店でまったく味の違うラーメンを複数提供。
人気のないラーメンがあっても他のラーメンでカバーできるようにしたのである。
海外出店の大きなリスクを回避するこのビジネスモデルが投資家に認められ
6千万円もの開業資金を集めることに成功した。
井上さんはこの仕組みを使って日本の様々な食文化を海外に発信したいと考えている。
(グルメイノベーション 井上琢磨さん)
「日本はいろいろなコンテンツ
 素晴らしいものを持っている。
 ラーメンでうまくいけばラーメン以外の食材だったり
 海外にどんどん持っていくような
 プラットフォームとしての機能を会社で持てればいいと思う。」

 

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