4月10日 おはよう日本
香川県で警察犬として活躍してきたラブラドールレトリバーのきな子。
3月 14歳で死んだ。
人間でいうと75歳ぐらいだったきな子。
警察犬を目指して何度も失敗と挑戦を繰り返した姿が
多くの人の共感を呼んだ。
そのあきらめない姿勢は
きな子の子どもたちに受け継がれている。
きな子が死んでから3週間。
警察の活動に大きく貢献したとして
感謝状が贈られた。
訓練にあたった川西智紗さん(33)が感謝状を受け取った。
香川県の警察犬訓練所で生まれたきな子。
3歳になったときから警察犬になるための試験に挑んできた。
さっそうと壁を飛び越えていくライバルたち。
しかしきな子は
高いところに上がると足がすくんでしまう。
犯人の臭いの付いた布を選び出す試験では
バツの合図。
何度も間違えてしまう。
それでも挑戦を始めて5年
7度目の試験で警察犬になることができた。
失敗しても何度も挑戦する姿は大人気に。
きな子をモデルにした写真集のサイン会には多くの人たちが詰めかけた。
「本当にかわいいですね。」
さらにきな子は防犯教室に参加。
長年 警察の広報犬としても活躍した。
(訓練士 川西智紗さん)
「私たち訓練士のいうことを一生懸命理解しようとして
ひたむきに頑張ってくれて
すごく勉強させてもらった。」
3月22日
きな子をしのぶお別れ会が開かれた。
全国各地から大勢のファンも参列。
弔辞を読んだのは訓練士の川西さんである。
(訓練士 川西智紗さん)
「14年10か月
たくさんの愛とたくさんの笑顔をありがとう。
大好きだよ。」
多くの人に愛されたきな子。
決してあきらめない姿勢はいま
子どもたちが引き継いでいる。
きな子は子宝に恵まれた。
「きな子ファミリー」と呼ばれている。
娘の「こむぎ」と「みりん」は
きな子とともに警察犬を目指していた。
その2匹の娘は今も訓練に励んでいる。
しかしフラフープをくぐる訓練では
こむぎもみりんもやはりすぐには出来ない。
でもあきらめずに一生懸命取り組む姿勢も母親ゆずりである。
警察犬として働ける日を目指しながら
いまは警察の広報犬として働くこむぎとみりん。
この日きな子が死んで初めて広報活動を行った。
「きな子の娘だよ。」
「お母さんに負けずに頑張ってください。」
(訓練士 川西智紗さん)
「人が来るとお腹を見せたりして
人が大好きな性格を生かして
防犯・広報活動ができるように頑張っていきたい。」
失敗してもあきらめることがなかったきな子。
まっすぐな姿勢と愛くるしい性格は
子どもたちに受け継がれている。