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バンコクの屋台 立ち退きの危機

2017-05-10 07:15:00 | 報道/ニュース

4月19日 国際報道2017


タイの首都バンコク。
世界だ最もおいしいストリートフードが食べられる都市だと言われている。
安くておいしい多彩な料理が食べられる屋台は地元の人や観光客に愛されてきた。
タイ政府も観光資源として注目。
3月
人気の店を見つけるための観光客向けの携帯アプリを発表した。
(タイ外務省担当者)
「料理はタイの文化に欠かせません。
 誇りを持っています。
 料理を通じてタイをもっと知ってもらいたい。」
ところがいま多くの屋台が立ち退きの危機に直面している。
(屋台店主)
「手足をもがれるようです。
 どうやって生きていけばよいのか。」
急速な開発が進むバンコク。
軍主導の現政権は
屋台は通行の妨げになるうえ衛生面でも問題があるとして
年内にも屋台を一掃する方針を推し進めている。
(地区の行政責任者)
「町の秩序を保つために必要な措置だ。
 歩道を歩けるようにする。
 屋台はネズミやゴキブリが増えるなど様々な問題がある。」
4月に立ち退きの対象となった屋台で働くビロートさん(37)。
8年前から叔母の屋台を手伝っている。
手ごろな値段にもかかわらず専門店にも負けない豊富なメニューと本格的な味で人気を集めてきた。
(ビロートさん)
「市場で新鮮な食材を買って
 よく洗って調理しています。
 閉店後には毎日歩道の掃除もしてきました。」
客のほとんどは近くで働く会社員やタクシーの運転手などである。
(客)
「撤去は反対です。
 政府は屋台が頼りの庶民の暮らしを理解していません。」
地区の当局は3月
ビロートさんらやタイの店主を集め
移転先探しにも協力すると説明したが具体的な内容は示されなかった。
(ビロートさん)
「移転先が見つかるか心配。
 続けられなければ失業です。」
撤去期限が過ぎた4月18日
当局は年老いたピーナッツ売りすら立ち退かせ
通りから屋台が姿を消した。
ビロートさんの屋台があった場所には壁に染み付いた油のあとだけが残っていた。
さいわいビロートさんは元の場所から10メートルほど離れた住宅の玄関先を借りることができた。
畳1畳ほどの広さのうえ通りにテーブルを置くことができないため
持ち帰りと配達だけの営業である。 
売り上げは以前の半分に落ち込んだ。
(ビロートさん)
「屋台はどこも家族経営で
 禁止されると家族全員が収入を失います。
 家族のために頑張らないと
 くじけるわけにはいきません。」
屋台料理をPRする一方で屋台の撤去を進めるタイ政府。
矛盾するような政策により
世界中の人たちを魅了してきたタイの名物が失われようとしている。



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