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新大統領の手腕を見守る

2017-05-21 06:15:00 | 編集手帳

5月11日 編集手帳

 

 お笑いの世界に、
〈出落(でお)ち〉という言葉がある。
タレントが登場した瞬間に“オチ”、
一番の盛り上がりを迎えることを言う。
それ以降は見せ場がない。
奇抜な衣装で現れるときなどは出落ちになりやすいという。

喝采を浴びて登場し、
あとは人気が下がる一方、
最後はボロボロの姿で退場していく。
朴槿(パクク)恵(ネ)氏もそうだったが、
韓国の歴代大統領には出落ちが目につく。

就任当初は「未来志向」の日韓関係をうたっても、
やがては人気の浮揚策として対日強硬論に転じるのがお定まりのコースで、
はた迷惑な芸風である。
新大統領、
文在寅(ムンジェイン)氏はどうだろう。

理想家肌で、
貧しさを知る庶民派と聞く。
その経歴には心ひかれるものの、
「親北朝鮮・反日」と伝えられる信条には、
“野党慣れ”した現実感覚の希薄さを覚えぬでもない。
ほどほどの期待と、
ほどほど以上の懸念をもって手腕を見守るとしよう。

【拍手】を説明して、
あるジョーク辞典は言う。
〈初めは信頼。
 途中で希望。
 終わりは憐(れん)憫(びん)〉。
出落ちの芸には懲りている。
「憐憫」に代えて、
国民からも国際社会からも「感謝」の拍手がもらえる大統領を望む。



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