k4月21日 おはよう日本
パレスチナの占領政策を進めるイスラエルはテロ対策を掲げて
両者を隔てる壁の建設を続けている。
そんなパレスチナに3月にオープンしたホテルがいま話題になっている。
パレスチナ暫定自治区のベツレヘム。
高くそびえ立つコンクリート製の分離壁のすぐわきに新たな名所がお目見えした。
その名も「ザ・ウォールド・オフ・ホテル」。
壁に隔てられたホテルである。
最大の特徴は窓からの眺め。
イスラエルがパレスチナとの間に建設した壁。
監視塔の兵士と目が合いそうな近さである。
“世界一眺めの悪いホテル”はこのホテルのうたい文句である。
(ザ・ウ;オールド・オフ・ホテル支配人 ウィサム・サルサさん)
「観光の活性化に加えて
日ごろ世界に伝わらないパレスチナでの生活の実態を
世界に伝える絶好の機会です。」
このホテルは変わっているのは窓の外の眺めだけではない。
催涙弾のガスに顔をゆがめる男。
枕で互いをたたき合うイスラエル兵とパレスチナ人。
このホテル全体が占領の実態を風刺したアートで埋め尽くされている。
このホテルを手掛けたのはイギリス出身の覆面アーティスト バンクシー。
これまでパレスチナの分離壁や街角に数々の作品を残してきた。
このバンクシーの作品見たさに観光客が世界中からやって来るようになった。
10ある客室は3か月先まで予約でいっぱいである。
(宿泊客)
「ホテルのテーマが興味深いし
彼の作品もみられるしユニークですね。」
いつかこの壁がなくなり
この地に平和が訪れるように。
壁に囲まれた街にバンクシーのメッセージはその輪を広げている。
このホテルをめぐっては
観光客が壁を見に来ても占領の現実は何も変わらない
という懐疑的な声もあるという。
ただホテル側は
雇用などを通じて地元の観光業を盛り立てていきたいと話している。