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“ブラジルのトランプ”人気 ブラジル大統領選最前線

2018-10-10 07:00:00 | 報道/ニュース

10月5日 国際報道2018


(ボルソナロ候補 キャンペーンビデオ)
♪ ブラジルは変わる
 愛と勇気でボルソナロはブラジルを変える
政策には触れずひたすら変革をアピールする候補者。
ブラジルの大統領選挙で支持率トップに立つ ジャイール・ボルソナロ候補である。
トレードマークは銃を構えるポーズ。
子どもがマネするほど大人気である。
元軍人で
国会議員時代にはすべての国民が銃を持つ権利を主張してきた。
ボルソナロ候補は過激な発言をしてきたことでも知られている。
女性の国会議員に対して・・・
「あなたをレイプしないのは襲う価値もないからだ。」
テレビのインタビューでは・・・
Q.息子さんが黒人女性に惚れたらどうしますか?
「息子たちは育ちが良いので
 あなたのような黒人たちが出入りするところに行くなどありえません。
 だから論外です。」
マスコミに対しても・・・
「うるさい
 お前は頭が悪い!」
過激な発言から当初は泡沫候補と考えられていたボルソナロ候補。
しかし貧困層などへのバラマキ政策をやめて経済を活性化させるという主張が
富裕層や中間層を中心に支持を広げている。
ボルソナロ候補を支持する男性。
サンパウロの中心部で美容院を経営し11人の社員を雇っている。
ここ数年 売り上げが増えないのに家賃やシャンプーなどの仕入れ値が上がり
経営は苦しくなっている。
(ボルソナロ氏支持の男性)
「失業率が上がり年収が減ったため客が減ってしまった。
 失敗が繰り返されてきた経済政策も
 彼なら変えられると思う。」
男性は息子と母親の3人で暮らしている。
政府のバラマキ政策にも不満を持っている。
高い税金を納めても貧困層の支援や公務員の高い人件費ばかりに使われ
自分たちに恩恵がないと感じている。
ボルソナロ候補ならこの現状を変えてくれると考えている。
(ボルソナロ氏支持の男性)
「彼は本音で話す。
 だから反感を買ってしまうんです。
 彼は全てを変えられると思う。
 主張も支持できます。」
ボルソナロ候補への支持が広がる背景には
現在のテメル大統領のもとでの社会の混乱がある。
9月には漏電が原因とみられる火災で
貴重な収蔵品をおさめたブラジル国立博物館が全焼。
博物館などに使う教育予算を削った現政権の責任だとして批判するデモがブラジル全土に広がった。
治安の悪化も深刻である。
オリンピックが開かれたリオデジャネイロでは今年に入って銃撃事件の件数が60%以上増加した。
州政府が警察だけでは治安を維持できないとして
軍に出動を依頼する異常事態となっている。
新たに選ばれる大統領に現状を劇的に変えてほしいという声が高まっているのである。
一方で貧困層の間ではボルソナロ候補は“差別主義者だ”として反発が広がっている。
「エーリ ナオ!(彼だけはだめだ!)」
合言葉は “彼だけはだめだ”。
この日リオデジャネイロで開かれたデモには3万人以上が参加。
胸に合言葉を書いたシールなどを貼り
ボルソナロ候補を強烈に批判した。
ボルソナロ候補を批判する1人 リオデジャネイロで暮らす女性。
女性はリオデジャネイロの貧困地区の出身だが大学を出て
今は教師として働いている。
支持しているのは貧困層に手厚い政策を掲げる フェルナンド・アダッジ候補である。
労働組合を支持母体にし
教育現場の改革にも力を入れているからである。
(アダッジ氏支持の女性)
「私は女性として黒人として教師として
 完全にボルソナロ氏を否定します。
 ブラジルに渦巻く憎悪が人種差別主義さのボルソナロ氏を押し上げているのです。」
女性は
自分のような境遇の子どもが貧困から抜け出す手助けをしたいと
あえて貧困地区の学校で働いている。
ボルソナロ候補が大統領になれば富裕層と貧困層の格差はますます開く一方だと言う。
(アダッジ氏支持の女性)
「地位のある人は裕福でいい機会に恵まれていますが
 私たちにはありません。
 この国に欠けているのは平等の機会です。」
貧困層や知識人から激しく批判されるボルソナロ候補。
9月 その対立を象徴する事件が起きた。
ボルソナロ候補が演説中 何者かにナイフで刺されたのである。
そのわずか3日後にボルソナロ候補はテレビなどで活動を再開。
“卑屈な暴力にも負けない不死身の男”として支持率はさらに上昇している。
経済の悪化と社会の混乱に苦しむブラジルで
次の大統領に誰が選ばれるのか。
投票日まで目が離せない。



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