9月22日 おはよう日本
イグ・ノーベル賞の魅力を紹介する展示会場。
思わず笑ってしまうユニークな研究の数々が紹介されている。
会場にはこれまで受賞した約50の研究内容が展示されている。
たとえば
真っ赤なブラジャーはただのブラジャーではない。
いざという時ガスマスクに早変わりする。
“重力が小さい月では水の上を歩けるか”という研究は体験することができる。
ノーベル賞のパロディーとして始まったイグ・ノーベル賞。
“人々を笑わせ 考えさせてくれる研究”に贈られ
これまで日本人が12年連続で受賞。
今年のイグ・ノーベル医学教育賞は
長野県の医師 堀内朗さんが受賞した。
座った姿勢で自分でおしりから内視鏡を入れ大腸を調べた。
(9月13日 米ハーバード大学にて イグ・ノーベル医学教育賞 堀内朗医師)
「細い内視鏡を使います。
そして右手で・・・押し込む!」
世界を笑わせたこの研究。
背景には病院のある地域の切実な事情があった。
長野県駒ケ根。
この地域では公共交通機関が少なく
ほとんどの人が車を運転して病院に行く。
大腸がんを早期に発見するための内視鏡検査は
“お尻が痛くなって車で帰れなくなると”敬遠されていた。
(イグ・ノーベル医学教育賞 堀内朗医師)
「患者さんが“痛い”って言って入らなくて。
どんなに検査受けてほしい
大腸がんで死なないでと言ってもも無理だなと。」
堀内さんは患者の痛みを和らげる方法を探すことにした。
座った姿勢のまま自分で入れて動かしてみて
痛くない方法を研究した。
そしてわかったことは
痛みの度合いは行う医師によって大きく異なるということ。
研究の結論は
軽い全身麻酔をかけることで誰がやっても痛みがなく
安心して受けられる検査になるというものだった。
検査を受ける人は大幅に増え
各地の病院にも広がっている。
(イグ・ノーベル医学教育賞 堀内昭医師)
「本当に楽で質の高い大腸内視鏡検査法を提案・実施して
大腸がん死をゼロにする。」
そのほか
着眼点のユニークさが光る研究も。
2014年 イグ・ノーベル物理学賞を受賞した
北里大学の馬淵清資名誉教授である。
人工関節が専門の馬淵さんが研究したのは
バナナの皮。
その内容は・・・。
滑りやすいものの代名詞 バナナの皮がどれだけ滑るのか調べ
人工関節を滑らかにするヒントを探したのである。
その結果
踏んだ時に出る粘液で6倍滑りやすくなると突き止めた。
馬淵さんはこの結果を生かして
より滑らかに動く人工関節の開発に役立てている。
(2014年 イグ・ノーベル物理学賞 馬淵清資名誉教授)
「イグ・ノーベル省の本質がラフ(笑う)&シンク(考える)。
おもしろいことをやらなきゃいけないと
それが実は科学の本質に近い。
一見 縁もゆかりもないものがつながることで
“世界が広がるぞ”という手ごたえが
科学者としては醍醐味がある。」