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思い出の1冊を直す「本の保健室」

2018-10-27 07:00:00 | 報道/ニュース

10月3日 おはよう日本


静岡県浜松市にある浜北図書館。
今年5月から全国でも珍しい「本の保健室」を開設している。
一般の人が持ち込んだ傷んだ本を預かって
1刷100円で補修する。
中心となっているのは大城昭和さん(70)。
この図書館でいちばん本の補修を得意とする職員である。
(大城昭和さん)
「小さい時にこういう本を読んでいたと。
 それを破れたままにするのも1つの方法だけれども
 破ったのを直したのもいい思い出になるんじゃないかな。」
12年前から独学で本の補修を学んできた大城さん。
本は1冊1冊 材質や紙の構造が異なると言う。
それらを確認しながら
本はなるべく元の状態に戻すのが大城さんの補修の基本である。
一方ときにはこんな補修も。
子どもが破った本は破れたところがあえて分かるようにした。
傷を残すことで当時の記憶をとどめておくためである。
(大城昭和さん)
「お客さんの本は
 個人の愛着があるもんですから
 それに沿ったようなかたちで直してあげないと。」
大城さんが修理を施した本はさまざまな人に笑顔を届けている。
1歳の男の子のお気に入りの絵本。
1ページ1ページ確認してみると
黄色く塗られたページの端が破れていた。
(母親)
「出産のお祝いでいただいた本で
 力加減も分からないので破れちゃったり
 食べちゃったりとか。」
夫婦とも日本好きで
子どもにもたくさんの本をプレゼントしてきた。
1歳を過ぎ
大好きな本の読み聞かせをねだるようになった。
その姿を記憶にとどめたいと本の補修を依頼した。
(母親)
「読んでたときの表情を見ると
 自分たちが後々見ても
 このときこういう表情してたなって。」
大城さんは親子から依頼された本の補修に取りかかった。
色のついたページの補修。
大城さんの腕の見せどころである。
色のついたページが破れると白い部分が現れる。
貼る位置を微妙に調整したり
紙の上下をこまめに入れ替えたりすることで
白い部分を少しでも目立たなくするようにしていく。
2週間後
絵本の受け渡しの日がやって来た。
きれいに直った本を手渡す。
(母親)
「よかったね。
 またお家で読もうね。
 また楽しみに読みたいと思います。」
(大城昭和さん)
「大切な本を持ってきてもらって
 それはお客さんの宝物だと思う。
 その宝物を預かって修理して直ったよと。
 みんな喜んでくれて
 大変うれしいなと思いますね。」



 

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