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台風の倒木防ぐ 線路沿いの事前伐採

2019-09-05 07:00:00 | 報道/ニュース

8月16日 NHK「おはよう日本」

 

和歌山県内を走るJRの路線では
毎年台風による強風で多くの倒木が発生するなどして被害を受けている。
こうした被害を事前に防ごうとJRでは大掛かりな取り組みを始めた。

JR阪和線沿いの雑木林。
線路沿いの木を伐採しているのはJR西日本和歌山支社である。
和歌山県内を走るJRの路線は海沿いを走っているイメージが強いが
実際には3分の1以上が森や林の中を走っている。
このためJRを悩ませているのが毎年のように起きる倒木である。
特に被害が大きかったのは去年の台風21号と24号。
和歌山支社管内の合わせて20か所以上で倒木が起き
電車の運行が妨げられた。
このうち台風21号では倒木の撤去や電線の修理などに1億円以上かかったほか
運転再開まで最大で10時間かかるなど
大きな影響を受けた。
線路などの安全管理を担当しているJR西日本和歌山支社 施設課。
倒木の被害が年を追うごとに増えていると危機感を抱いている。
(JR西日本和歌山支社 施設課)
「鉄道建設していた当時は大きな木も生えていなかったと思うが
 それが何十年もたっ木も伸びてきて
 手入れされていないところもあって
 倒木は増えてきていると考えられる。」
現在 和歌山支社管内には線路の沿線で倒木の危険性の高い箇所が約260か所あり
このうちの9割がJRの敷地外にある。
こうしたなかJRでは大掛かりな対策を打ち出した。
危険な場所についてはJRが費用を負担してでも伐採を強化することにしたのである。
(JR西日本和歌山支社 施設課)
「木が倒れると列車が乗り上げて脱線する危険があって
 JRの用地内だけの伐採では安全を担保できない。」
この日訪れたのは大坂阪南市のJR阪和線の沿線にある雑木林。
去年の台風でも多くの木が倒れた場所である。
「ここ一帯全部 台風で倒れた木。
 木が反対に倒れていたら上下線を支障していたと思う。」
この現場では約150mの雑木林を伐採するのに数千万円かかるが
倒木で事故が起きる可能性や復旧にかかるコストを考えて
必要だと判断した。
(JR西日本和歌山支社 施設課)
「地権者に本来切ってもらいたいところだが
 地権者の都合もあって
 自己防衛的に列車の運行に支障をきたすような危険のある木は
 自分たちで切るという方針で行っている。」
この土地の所有者は約30年前までこの場所で旅館を経営していた。
伸び続ける気が気がかりだったが
莫大な費用を考えると手が付けられなかったという。
(所有者)
「本来打ちが伐採しないといけないが
 JRさんにしてもらえるのは非常にありがたい。
 できる限りは協力していく。」
対策を進める上でJRが苦労しているのが土地の所有者への連絡をとることである。
登記簿などで所有者が確認できても今の連絡先が分からないケースが多いのである。
解決には行政などとの連携が必要だという。
(JR西日本和歌山支社 施設課)
「地権者に連絡するアプローチするのは大変。
 電話番号はないので会いに行かないといけない。
 交渉の中で行政や森林組合の協力を得られれば助かる。」
要望を受けた和歌山県では
鉄道の安定的な運行のため今後 連携を進めていきたいとしている。
(県 林業振興課)
「最近の豪雨による災害を未然に防止する非常に大切な取り組みだと思う。
 森林所有者の調査には
 市町村や森林組合などにも連絡しながら協力したい。」
地域にとって重要なインフラである鉄道。
災害に負けないための取り組みが鉄道会社の枠を超えて動き始めている。




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