日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

フランス “料理”で目指す自立 難民が作る祖国の味

2019-09-06 07:00:00 | 報道/ニュース

8月17日 NHK「おはよう日本」


ヨーロッパで難民や移民に対する排他的な風潮が広がるなか
難民がふるさとの味をふるまう異色のレストランが登場し
注目を集めている。

20近くのレストランが並ぶパリのオープンスペース。
“ラ・レジドンス”(住まい)という名の店では難民がシェフとして働いている。
去年3月にオープンした。
「これはシリアのレシピなんですよ。
 どうぞ召し上がれ。」
いま人気のメニューは
鶏肉を直火で焼くシリアの伝統料理“シャワルマ”である。
フランス人に好まれるコリアンダーやザクロを一緒にラップに包みアレンジしている。
(客)
「おいしい。
 繊細な味だ。」
メニューを考えたのはシリア出身のハイサム・カラジャイさん(39)。
7月からこのレストランで働いている。
(ハイサム・カラジャイさん)
「お客さんが“とてもおいしい”とか“これは何ですか”と聞いてくれるのがうれしい。」
カラジャイさんは内戦が激化するなか4年余前にフランスにわたり難民申請した。
(ハイサム・カラジャイさん)
「道を歩いていたら数メートル先に爆弾が落ちたことがあった。
 内戦は私の人生の全てを変えてしまった。」
2015年以降シリアなどから多くの難民が押し寄せ
フランスにはいま約37万人の難民が暮らしている。
受け入れに反発する排他的な風潮が国民の間に根強く残っている。
カラジャイさんのような難民に手を差し伸べているのがフランスのNGOである。
将来 飲食業を営んで自立した生活ができるよう
接客やメニュー作り
仕入れの方法などを
実践で学べるよう支援している。
(NGO団体 共同代表 ルイ・マルタンさん)
「料理を食べた人に
 難民への偏見を改めてもらい
 難民の人たちには安定した職について欲しい。」
カラジャイさんがレストランで働き始めて1か月余。
すでに自分の給料で生計を立てられるようになった。
調理の腕がかわれ
新しいメニュー作りも任されている。
これまで調理経験のなかったカラジャイさん。
メニューの開発にあたり参考にしたのが母親のレシピである。
「これはサラダ
 これはクッパ(揚げ物)
 本当にたくさんのレシピを教えてもらった。」
母親のアファフ・アルラシェドゥさんは
シリアからともに逃げ
今年6月に亡くなった。
夫を病気で亡くしたあと一人息子のカラジャイさんを女手一つで育ててくれた。
レシピは生前
母親からカラジャイさんが毎日聞き取ってまとめたもの。
大切な形見である。
(カラジャイさん)
「シリアで39年間学んできたことをフランスに還元したい。
 その方法が母親がおなかを満たしてくれた料理だった。」
新しいメニューのサラダは
キュウリなどの野菜に
ザクロやレモン汁
オリーブオイルをまぜる。
味の決め手は隠し味のミント。
何度も試作を重ねて完成させた。
(カラジャイさん)
「これは母親のレシピで
 伝統的な調理法だ。
 母親はいつも刻んだミントで味つけをしていた。」
いずれは独立して自分の店を持ちたいと話すカラジャイさん。
新しい人生の1歩を向見だそうとしている。
(カラジャイさん)
「難民は地下鉄構内で眠る
 ことばが話せない
 というネガティブなイメージがあるが
 社会に溶け込み
 何とか人生を切り開こうとしている人もいることを知ってほしい。」




コメント