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“着物を身近に” 京都若手の挑戦

2017-05-16 17:30:00 | 報道/ニュース

4月21日 おはよう日本


京都。
日曜日の昼下がり
ちょっと変わった着物姿の人たちが集まってきた。
着物にブーツ
そしてサングラス。
気軽に着物で集まるという呼びかけから始まったイベントである。
「箪笥の肥やしになっていたので引っ張り出して着た。」
「日本人だという実感が沸く。」
7年前から続き
多い時には全国から200人を超える人たちが押し寄せている。

この日はイベントを企画する若手グループが集まっていた。
主催者の1人
着物の裏地づくりを手掛ける浅見崇史さん。
コメントを添えてフェイスブックで発信。
イベントは京都だけで60回。
全国22か所に広がっている。
(浅見崇史さん)
「着物を着た人が写真を撮る姿を見ていたら
 うれしそうだったし
 本当によかったと思う。」
浅見さんがもう一度着物を日常に取り戻したいと思ったのは
8年前に父親から事業を受け継いだときだった。
驚いたのはあいさつ回りをしたとき
着物業界でも多くの人が背広姿だったのである。
(浅見崇史さん)
「着物を作っている人も着物を着ていないというのが第一印象。」
売り上げが減少するなかで
高級化に活路を見出していった着物業界。
その中で着物を着る機会が失われていったことを痛感した。
(浅見崇史さん)
「着物がいくらで売られているかといったときに
 到底買えるものではないとしみじみ思ったし
 自分が買える中で欲しいものを考えたとき
 身近になることをしないといけないと思った。」
もう一度身近なものにするにはどうすればよいのか。
浅見さんは日常の中からその方法を探してみることにした。
長く歩くときにはスニーカー。
洗濯機で洗うために素材も絹以外のものに見直した。
(浅見崇史さん)
「普通の子どもの服とかが入っている中に入れてガラガラ回している。」
木綿であれば子どもも気軽に遊べる。
そして毎日着物で出かけるなかで
浅見さんは周りの人たちにも着物を着たいという思いがあることに気づいて行った。
(浅見崇史さん)
「自分が着ているというのがすごく大きいと思う。
 着なかったらみんな“着物なんて”だけど
 身内で着ている人がいるとみんな関心を示してくれる。」
着物を着たいというニーズが手応えから確信に変わったのが古着店を訪れたときだった。
古着店では
実家の整理などでタンスに眠っていた着物が出回り
なかには2,000円のものもあった。
その着物に女性たちが新鮮さを感じ
おしゃれ心をかきたてられていたのである。
(客)
「大胆な柄や面白い柄があるのですごく楽しい。
 おしゃれの幅が広がっていると思う。」
着物を着て過ごす日常に楽しさを見出す人たち。
生活のあらゆる場面で着こなしていた。
(浅見崇史さん)
「着る機会を作れば
 人は着物をまた着たいと思ってくれる。
 着物は絶対に楽しくなっていける。」
着物をもっと身近なものにしたいという思いは周りの着物店にも広がっていった。
老舗販売店がいま力を入れているのがデニムの着物。
これまで10万円を超える商品を多く扱ってきたが
デニムの着物は3万円台からにした。
浅見さんたちのイベントに参加したとき
「自分も着てみたい」と言われたことが商品化を後押ししたと言う。
(着物専門店社長 野中順子さん)
「びしっと決めるところは決める。
 そういう着物もあっていいし
 本当に遊んで着るデニムのような着物があってもいい。
 共生が出来たときに
 本当に着物文化は未来に続く衣装として残ると思う。」
3月26日
7年目を迎えて初めてになる着物のイベントが開かれた。
そこには浅見さんたちが当初思い描いていた普段着を超える着こなしの人たちが多く集まっていた。
なんと洋服とコラボ。
襟シャツとアフリカ柄を組み合わせている。
ハイヒールにシルバーのアクセサリーの女性。
「着物にアクセサリーをつけてはいけないけど
 これは洋服と変わらない。」
着物をもっと身近なものにしたい。
その思いは
人々の豊かな発想のもとで可能性を広げている。
(浅見崇史さん)
「着物を着る人
 特に若い方が着物を着るようになったと実感。
 着物は親子三代
 ずっと渡されていくもの
 それがまた起きたらいいと思う。」





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“世界一眺めの悪いホテル”人気の秘密は・・・“壁”

2017-05-15 06:00:00 | 報道/ニュース

k4月21日 おはよう日本


パレスチナの占領政策を進めるイスラエルはテロ対策を掲げて
両者を隔てる壁の建設を続けている。
そんなパレスチナに3月にオープンしたホテルがいま話題になっている。

パレスチナ暫定自治区のベツレヘム。
高くそびえ立つコンクリート製の分離壁のすぐわきに新たな名所がお目見えした。
その名も「ザ・ウォールド・オフ・ホテル」。
壁に隔てられたホテルである。
最大の特徴は窓からの眺め。
イスラエルがパレスチナとの間に建設した壁。
監視塔の兵士と目が合いそうな近さである。
“世界一眺めの悪いホテル”はこのホテルのうたい文句である。
(ザ・ウ;オールド・オフ・ホテル支配人 ウィサム・サルサさん)
「観光の活性化に加えて
 日ごろ世界に伝わらないパレスチナでの生活の実態を
 世界に伝える絶好の機会です。」
このホテルは変わっているのは窓の外の眺めだけではない。
催涙弾のガスに顔をゆがめる男。
枕で互いをたたき合うイスラエル兵とパレスチナ人。
このホテル全体が占領の実態を風刺したアートで埋め尽くされている。
このホテルを手掛けたのはイギリス出身の覆面アーティスト バンクシー。
これまでパレスチナの分離壁や街角に数々の作品を残してきた。
このバンクシーの作品見たさに観光客が世界中からやって来るようになった。
10ある客室は3か月先まで予約でいっぱいである。
(宿泊客)
「ホテルのテーマが興味深いし
 彼の作品もみられるしユニークですね。」
いつかこの壁がなくなり
この地に平和が訪れるように。
壁に囲まれた街にバンクシーのメッセージはその輪を広げている。

このホテルをめぐっては
観光客が壁を見に来ても占領の現実は何も変わらない
という懐疑的な声もあるという。
ただホテル側は
雇用などを通じて地元の観光業を盛り立てていきたいと話している。

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“アウシュビッツ”どう伝える 模索する日本人ガイド

2017-05-14 07:15:00 | 報道/ニュース

4月20日 国際報道2017


第二次世界大戦中
ナチスドイツがユダヤ人を中心に約110万人を虐殺したアウシュビッツ強制収容所。
現在その跡地は博物館となっていて
世界中から年間200万人以上が見学に訪れる。
ここで人類の負の歴史を伝えているのがガイドたちである。
難民や移民の受け入れをめぐりヨーロッパが揺れるなか
いまアウシュビッツをどう伝えるのか
模索している。

ポーランド南部アウシュビッツ強制収容所。
ヨーロッパ各地からこの収容所に連れてこられたのは
ユダヤ人に加え政治犯や精神障碍者など。
寒さと飢え
そしてガス室に送られるなどして約110万人が亡くなった。
20年前からアウシュビッツでガイドを務める中谷剛さん(50)。
ただ1人の日本人ガイドとして年間約400組を案内している。
中谷さんたちガイドの役割はここで起きた事実を説明すること。
案内したのはユダヤ人が連れて行かれたガス室の模型である。
(ガイド 中谷剛さん)
「天井にはシャワーの蛇口も取りつけてあったんですが
 水やお湯が出ることはなくて
 害虫駆除の薬が投下されて
 全員が息絶えるまでに20分以上かかったとも言われていて
 ユダヤ人は非常に苦しんで殺されたと言っていいでしょう。」
現在中谷さんのような博物館のガイドは
17の言語を話す総勢284人。
いまガイドたちはかつてない危機感を抱いている。
ヨーロッパ各地で続く難民や移民の排斥を訴えるデモ。
特定の民族や宗教に対する偏見や差別の声が強まっている。
今年ポーランドでも
移民が起こした殺人事件をきっかけに反発が一気に広がったのである。
(アウシュビッツ博物館 カツォジック副館長)
「いま世界には異民族・異教徒への軽蔑・憎悪・不寛容が渦巻いています。
 私たちが伝えたいのはこれらがどんな結果を招くのかということです。」
いま自分はガイドとして何を語るべきなのか?
中谷さんが思い返していたのは
生還者の1人 カジミエシュ・スモーレンさんからかけられたある言葉だった。
“涙を流すよりも考えてほしい”。
大切なのはここで起きたことの悲惨さを伝えることではない。
二度と過ちを繰り返さないようにすることもまた重要だと気づかされたと言う。
(ガイド 中谷剛さん)
「こういったことが起きないように考えてもらえるか
 考えようとしてもらえるか
 こういうことを繰り返さないように。」
いま大切にしているのは
見学者に対して繰り返し問いかけをすることである。
「どうして人が害虫を殺す方法で殺しえたのか?
 ノーベル賞を一番多くとるような非常に文化水準の高かった地域で起きた。
 このあたりは皆さんに少し考えてもらうしかない。」
中谷さんがいま必ず案内する場所がある。
「あそこの3本の白樺の先の一軒家。」
アウシュビッツ強制収容所のルドルフ・ヘス所長が暮らしていた家である。
家庭では子どもを持つ父親だった人物がなぜ虐殺に加担していったのか。
そこを入り口に身近な問題として考えてほしいと問いかける。
「当時 皆さんがナチスの隊員だったら
 いやドイツの市民だったら
 ユダヤ人の書いた本を焼いてみたり
 商店・教会が襲われても黙認するわけです。
 皆さん どっちの立場をとれたか
 なかなか難しい。」
(見学者)
「歴史ってただ過去のことじゃなくて未来のために必要なもの。
 深く考えることがいっぱいあると思うことができました。」
(ガイド 中谷剛さん)
「これから世界はどこに向かっていくのか。
 歴史を鏡にしていく必要があるように思います。
 直接の痛みを持っていない次の世代が
 どう受け止めてそれを考えるか。
 難しい課題を私たちは与えられているんだと思います。」
アウシュビッツではいま生還者の間でも移民排斥に対して懸念の声が広がっていて
これまで証言をしてこなかった人も自らの経験を語り始めている。




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悩みは深かろうとも、未来への橋を渡れ

2017-05-13 08:45:00 | 編集手帳

5月9日 編集手帳

 

 運動会の華、
綱引きのかけ声では「オーエス」が知られている。
諸説ある語源のうち、
「旗を揚げよ」という意味のフランス語「オー・イス」(Oh hisse)が有力だという。

欧州の安定が損なわれるのを恐れていた国際世論は、
揚がった“旗”に安堵(あんど)の息をついている。
フランス大統領選の決選投票で、
親・欧州連合(EU)派のマクロン前経済相が当選した。

「自国第一」主義という内向きの世界的な潮流はひとまずくい止められたが、
EU離脱論者で極右・国民戦線のルペン氏が約34%もの票を集めた衝撃は小さくない。
雇用や生活をめぐる不満と怒りがもたらした亀裂は深刻である。

分断された国民のあいだに、
いかにして融和の“橋”を架けるか。
39歳の若さと、
恋愛伝説が物語る情熱と、
「財務のモーツァルト」とも称賛された頭脳と――そのすべてが試されよう。

詩人アポリネールは歌っている。
〈わたしは思い出す/悩みのあとには楽しみが来ると〉(『ミラボー橋』、堀口大学訳)。
悩みは深かろうとも、
未来の楽しみを信じて渡らねばならぬ橋である。
その人に「オーエス」の一語を贈る。

 

 

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アメリカ人も夢中?究極のヘルシーフード

2017-05-12 07:15:00 | 報道/ニュース

4月20日 おはよう日本


香ばしい肉のような匂い。
いまIT産業の中心地 シリコンバレーでありえないハンバーガーが注目を集めている。
その名も“インポッシブルバーガー”。
肉は一切使っていないのに
味は牛肉そのものだという。
(食べに来た客)
「とてもおいしい。
 本当の肉と何の変りもない。」
「このバーガーが食べたくてわざわざ来たんだ。」
小さなバーガー2つとサイドメニューのセットで日本円で約1,800円。
それでもヘルシーフードに見向きもしなかった肉好きたちまでとりこにしている。
(店主)
「1週間で250個売れている。
 未来の食事だ。」
実はこのハンバーガーはシリコンバレーの科学者の地の結晶である。
開発したベンチャー企業 インポッシブルフーズ。
従業員150人の3分の2が科学者である。
肉のようなパテは小麦やジャガイモのプロテイン
つなぎはこんにゃく成分
脂身はココナッツオイルなど
全て植物からできている。
バーガーの肉特有の風味をもたらす秘密が
真っ赤な液体
「レグヘモグロビン」と呼ばれる成分である。
(会社の経営者)
「しょっぱい。
 鉄の味がする。」
立ち入りを許されない研究室で
シリコンバレー出身の研究者たちが5年にわたって徹底的に“肉とは何か”を分子レベルで分析。
その結果
牛肉特有の香りは
筋肉に含まれる血液に似たレグヘモグロビンが影響しているという結論に至った。
これを大豆から作り出すことに成功し
究極の“代替肉”が誕生したのである。
健康志向の高まりでアメリカでは代替肉市場は急拡大。
世界での市場規模は2022年までに6,000億円を超えるという試算もある。
(インポッシブルフーズ パトリック・ブラウンCEO)
「私たちは積極的に海外市場を目指そうとしている。
 もちろん日本の市場にも興味はある。」




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インド“硫酸攻撃” 声を上げ始めた女性たち

2017-05-11 07:15:00 | 報道/ニュース

4月19日 国際報道2017


女性に対する性犯罪や暴力などが後を絶たないインド。
中でも問題となっているのが
「アシッド・アタック」と呼ばれる
硫酸を使って女性の顔を傷つける犯罪である。
この卑劣な犯罪に立ち向かおうと
これまで社会とのかかわりを避けていた被害者たちが声を上げ始めている。

インド北部の都市アグラ。
3年前 ここに小さなカフェがオープンした。
従業員は7人。
全員アシッド・アタックの被害に遭った女性たちである。
被害者を支援するNGOが社会復帰の場を提供しようとつくった。
リトゥ・サイニさん(21)は高校生だった5年前に被害にあった。
夕方 見知らぬ2人組の男たちに襲われたと言う。
(リトゥ・サイニさん)
「ここでいきなり襲われました。
 男たちから突然硫酸をかけられたのです。
 何が起きたのが分からす
 顔を手で触ると皮膚が剥がれ落ちました。」
犯人はリトゥさんのいとこだった。
リトゥさんに結婚を迫ったが断られ
その腹いせに男らを雇って襲わせたのである。
子どものころからバレーボールに打ち込み
将来はインドの代表選手になることを夢見たリトゥさん。
事件によって人生は一変した。
顔の9割にやけどを負い
左目は失明。
バレーボールを続けることは出来なくなった。
他人に顔を見られるのが嫌で
一日のほとんどを自宅にこもって過ごすようになったのである。
(リトゥ・サイニさん)
「退院して初めて鏡を見た時
 死んだ方がましだと思いました。
 生きている意味は無いと・・・」
(リトゥさんの父親)
「娘のことを考えると涙が出ます。
 女の子だから結婚させてあげたかったです。」
女性に生涯消えない傷を負わせるアシッド・アタック。
背後にはインドに根強く残る男尊女卑の意識がある。
犯行の多くは恋愛や結婚などをめぐる男女間のトラブルで
プライドを傷つけられた男性が復讐のために行う。
発生件数は年間約250件にも上る。
犯行に用いられるのはトイレの掃除などに使われる硫酸。
政府は販売の制限に乗り出しているが
一般的な商店で簡単に入手できるのが実態である。
リトゥさんのように被害者が社会とのかかわりを絶ってしまい声を上げないことも
対策の遅れにつながっていると言われている。
そんな中でリトゥさんが外に踏み出したきっかけは
被害者を支援するNGOの紹介で出会ったある女性の存在だった。
カフェで働いているニートゥ・マホールさん(25)。
3歳のときに酒に酔った父親から硫酸をかけられ
以来視力はほとんどない。
それでもいつも笑顔を絶やさず前向きに生きる姿に心を打たれたと言う。
(リトゥ・サイニさん)
「彼女は子どものころからずっと暗闇の中で生きてきました。
 それでも頑張る姿を見て
 私ももっと頑張れるはずだと思ったのです。」
自らもカフェで働き始めたリトゥさん。
始めは客と言葉を交わすことすら抵抗があったと言う。
それでも自らの体験を話すと多くの人が耳を傾けてくれることに次第に手ごたえを感じていった。
(リトゥ・サイニさん)
「おそわれたとき周りに大勢の人がいたのに
 誰も助けてくれませんでした。」
自分のような被害者が声を上げることで
人々の意識も変わるかもしれない。
リトゥさんはそう考えるようになった。
(リトゥ・サイニさん)
「多くの被害者は表に出たがりません。
 だからこそ私はこうした活動を続けていきたいと考えています。」
いまリトゥさんはカフェの外にも積極的に出かけている。
この日向かったのは首都ニューデリーの大学。
自分と同じ若い世代へ向けて講演を行った。
(リトゥ・サイニさん)
「私たちにはこの凶悪な犯罪を無くす責任があります。
 一歩踏み出しましょう。
 社会の意識や人々の考え方を変えなくてはいけません。」
(参加者)
「つらい過去を語ってくれた彼女に心を動かされました。
 問題は私たちの意識にあると気づきました。」
卑劣な犯罪に目をつぶってしまう社会を変えたい。
リトゥさんの新たな人生が動き出している。
(リトゥ・サイニさん)
「モノクロだった私の世界は彩りに満ち
 新しい自分に生まれ変わることができました。」




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バンコクの屋台 立ち退きの危機

2017-05-10 07:15:00 | 報道/ニュース

4月19日 国際報道2017


タイの首都バンコク。
世界だ最もおいしいストリートフードが食べられる都市だと言われている。
安くておいしい多彩な料理が食べられる屋台は地元の人や観光客に愛されてきた。
タイ政府も観光資源として注目。
3月
人気の店を見つけるための観光客向けの携帯アプリを発表した。
(タイ外務省担当者)
「料理はタイの文化に欠かせません。
 誇りを持っています。
 料理を通じてタイをもっと知ってもらいたい。」
ところがいま多くの屋台が立ち退きの危機に直面している。
(屋台店主)
「手足をもがれるようです。
 どうやって生きていけばよいのか。」
急速な開発が進むバンコク。
軍主導の現政権は
屋台は通行の妨げになるうえ衛生面でも問題があるとして
年内にも屋台を一掃する方針を推し進めている。
(地区の行政責任者)
「町の秩序を保つために必要な措置だ。
 歩道を歩けるようにする。
 屋台はネズミやゴキブリが増えるなど様々な問題がある。」
4月に立ち退きの対象となった屋台で働くビロートさん(37)。
8年前から叔母の屋台を手伝っている。
手ごろな値段にもかかわらず専門店にも負けない豊富なメニューと本格的な味で人気を集めてきた。
(ビロートさん)
「市場で新鮮な食材を買って
 よく洗って調理しています。
 閉店後には毎日歩道の掃除もしてきました。」
客のほとんどは近くで働く会社員やタクシーの運転手などである。
(客)
「撤去は反対です。
 政府は屋台が頼りの庶民の暮らしを理解していません。」
地区の当局は3月
ビロートさんらやタイの店主を集め
移転先探しにも協力すると説明したが具体的な内容は示されなかった。
(ビロートさん)
「移転先が見つかるか心配。
 続けられなければ失業です。」
撤去期限が過ぎた4月18日
当局は年老いたピーナッツ売りすら立ち退かせ
通りから屋台が姿を消した。
ビロートさんの屋台があった場所には壁に染み付いた油のあとだけが残っていた。
さいわいビロートさんは元の場所から10メートルほど離れた住宅の玄関先を借りることができた。
畳1畳ほどの広さのうえ通りにテーブルを置くことができないため
持ち帰りと配達だけの営業である。 
売り上げは以前の半分に落ち込んだ。
(ビロートさん)
「屋台はどこも家族経営で
 禁止されると家族全員が収入を失います。
 家族のために頑張らないと
 くじけるわけにはいきません。」
屋台料理をPRする一方で屋台の撤去を進めるタイ政府。
矛盾するような政策により
世界中の人たちを魅了してきたタイの名物が失われようとしている。



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就活で起業が変わる?! 迫られる“働き方改革”

2017-05-09 07:15:00 | 経済フロントライン

4月16日 経済フロントライン


大手住宅メーカーの大和ハウス工業。
人事部の採用戦略会議。
この日は会社説明会に参加した学生の反応を分析した。
「今年の傾向は福利厚生面や働きやすさ。」
「有給や女性の働き方はどうか
 質問としては多い印象。」
この会社は以前“不夜城”と呼ばれていた。
長時間労働が常態化し
深夜まで明かりが消えなかったためである。
しかし労働基準監督署から勧告を受けたことあり
“ブラック企業のレッテルを張られれば人材も集まらない”と改革の乗り出したのである。
(大和ハウス工業 人事部 菊岡大輔次長)
「今までのように長時間労働もいとわず働くことができる人材。
 そういった人材だけで会社を回していけばいいという考え方では
 これから優秀な人材を確保jできないし
 必要な人員数も確保できない。」
全社で進められている働き方改革。
仕事の効率を上げて残業を減らした部署の1つ
つくば支社 設計部門。
以前は
1人1人がこなした仕事を足しあげて部署としてどんな成果を上げたかが評価の基準だった。
そこに全員の労働時間がどれだけかかったかという基準を設けることにした。
1人の労働時間が長くなると部署全体の評価が下がる。
逆に短くなると全員のボーナスが増えるという仕組みである。
会社では残業を減らすためさまざまな方策を導入している。
その1つが
勤務時間を終わるとパソコンに警告が出て使えなくなる。
残業する場合は事前に申請しておかなくてはならない。
それでも働けるのは夜8時まで。
照明が自動で消えるようになっている。
さらに
月に80時間以上残業した社員がいる部署には人事部からイエローカードが出される。
3回累積するとレッドカード。
その部署全員のボーナスが下がる。
そのため仕事を分担しようという意識も高まっている
こうした取り組みにより会社では残業時間を2割減らすことができた。
(設計課 課長)
「時間を決めて仕事をすることによってメリハリがついて
 ちゃんと休みもとれるようになってきた。」
労働時間を減らしながら生産性を上げることが各企業の課題となるなか
大和ハウス工業の営業利益はこの5年で倍増。
こうした成果は学生にも大きなアピールとなり
志望者は年々増加している。
(大和ハウス工業)
「みんなで休む雰囲気作りを経営陣から本気で取り組んでいます。」
(学生)
「こんなに進んでいるんだと思った。
 最近働き方の話題が出たのに
 もう適応していて感心した。」

 

 

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就活が起業を変える?! 売り手市場で就活に異変 広がる逆求人  

2017-05-08 07:15:00 | 経済フロントライン

4月16日 経済フロントライン


4月8日に開かれた企業と学生が面談するイベント。
待ち構えるのは企業の採用担当者ではなく
学生である。
企業側が興味のある学生のところに行って話を聞く。
売り手市場を背景に広がる“逆求人”である。
(学生)
「僕は100%のものを出しましたと言えること
 仕事を自分のものとしてやること
 すごく大事だなって。」
学生は学歴やスキルなど自分のセールスポイントをアピールする。
(採用担当者)
「すごいね これ作ったの?」
(学生)
「編集長をやりました。
 執筆と編集。
 半分以上は書いたかなと。」
企業の参加費1回につき60~80万円。
それでも参加したいという企業は年々増えている。
これまでは中小企業がほとんどだったが
最近は大手企業も参加するようになったという。
(採用担当者)
「従来の大量マッチングのモデル自体に限界が来ている。
 逆求人だといろいろな優秀な子たちと出会える。」
(学生)
「自分の全く知らない会社と出会えて視野が広がる。
 どういう会社が自分を求めているかわかるのが逆求人の利点。」
企業のなかにはこの逆求人を採用の柱にするところも出てきている。
都内にあるインターネット広告を手掛ける企業 インタースペース。
今年の採用予定は約20人。
すでに30回ほど逆求人の面談会に参加している。
「誰か気になる子います?」
「12番の子。
 たぶん僕らの価値観とフィットするので
 この子は面談に行きたいですね。」
この会社では他の企業と同じように就活情報サイトや企業説明会を通じて募集を行ってきた。
しかし去年2.000人の応募があったが採用に至るケースは無かった。
去年採用した新人は19人。
大半は逆求人で獲得した。
(インタースペース 人事総括部 木野恵太さん)
「僕らが求めている人物像 ターゲット層の学生に出会えていない。
 会社をあげて採りに行く。」
夜10時 都内のオフィス街。
大学4年生の岡田麻衣さんと日高さくらさん。
向かったのは就職先の1つとして検討している企業である。
「この建物だよね。
 黒いほうの3階だから・・・
 人が動いている。
 スーツかかってる。」
残業しているかどうか確認しているのである。
「今」10時か
 バッチリ残業してるね。」
いま学生が企業を選ぶうえで重視しているのが
働く環境や条件である。
(大学4年生 岡田麻衣さん)
「実際に自分が入ることになる会社がブラック企業かホワイト企業か
 すごく気にしている。」
(大学4年生 日高さくらさん)
「自分の目で確かめて納得した上で決めたい。」
(岡田麻衣さん)
「親の世代は一生懸命働いたら昇進できたりいい給料をもらえたりした時代。
 私たちの時代は必ずしもそうではない。
 仕事も頑張りたいがプライベートも充実させたい。」
実は2人は企業に関する情報を交換する学生団体を運営している。
参加しているのは約20の大学の学生たち。
企業説明会などで聞いてきた話など共有する。
「毎月平均何時間ぐらい残業するんですかって質問する。
 ある企業は残業が月に13~15時間と言っていた。
 有給は20日間ぐらいとれるけど
 実際は15日ぐらいしか取れないよと。」
「残業はやるときはやりますって言ってくれたほうがブラックじゃないのかな。」
就職を希望する企業をしっかり見極めたいという思いには
将来への不安もあるという。
「これから年金制度もどうなるのか分からない。
 働き続けるためにはホワイトな企業を探して
 将来の自分の保険みたいなところもある。」


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ああ五月 そなたは美しい

2017-05-07 17:15:00 | 編集手帳

5月7日 編集手帳

 

 日曜日の終わりが近づくと
、明くる日のことを考えて憂鬱(ゆううつ)になる。
勤め人や学生の誰もが覚えのある心の動きだろう。
自分もそうだという人がいつの時代にもいて、
サザエさん症候群やブルーマンデーといった言葉が命脈を保っている。

過ぎゆく休みを惜しむ気持ちが一層強まることだろう。
大型連休の最終日と重なる本日の日曜日である。

きょう一日を詩人になった気分で暮らすと、
少し変わってくるかもしれない。
『五月の歌』と題するゲーテの詩に一節がある。
〈草木みどりに花は咲きて/さつき楽しき月にしあれば…〉(片山敏彦訳)。
与謝野晶子も自作の『五月の歌』に綴(つづ)った。
〈ああ、五月、/そなたは、美くしい〉
〈そなたの為めに、/野は躑躅(つつじ)を、/水は杜若(かきつばた)を、/森は藤を捧(ささ)げる。〉
――詩のごとく5月を丸ごとたたえてみる。
その時間を惜しむのなら最終日まで先は長い。

詩心がなくとも5月の楽しみは尽きない。
鰹(かつお)がうまい。
ビアガーデンが始まる。何よりも過ごしやすい…。

どこに喜びを感じるかは人それぞれでも、
長い連休のみが5月の魅力にあらずとは断言できよう。
薫風はあすも吹く。


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平和憲法の旅

2017-05-07 07:15:00 | 編集手帳

5月3日 編集手帳

 

 三蔵法師を評して、
『西遊記』は言う。
〈出身も申しぶんなく、徳行も抜きんでており、万巻の仏典にも通ぜざるところなく、仏教音楽をも心得ている〉と
(中野美代子訳、岩波文庫)。
聖僧のなかの聖僧だろう。

この崇高なる魂の前に、
妖怪どもがひれ伏すかといえば、
さにあらず。
次から次へと悪さを仕掛けてくる。
弟子の孫悟空が金箍棒(きんこぼう)(如意棒(にょいぼう))や筋斗雲(きんとうん)を駆使して妖怪を蹴散らすくだりは映画やドラマでおなじみである。

日本国憲法とともに歩んだ戦後の70年を顧みるとき、
遥(はる)かな天竺(てんじく)へ三蔵一行のたどった苦難の旅が重ならぬでもない。

国際平和を希求する崇高な理念をうたった憲法が三蔵ならば、
現実の脅威を抑え込む同盟のパートナー、
米国はコワモテの悟空だろう。
どちらか一方が欠けても、
旅の安寧は期しがたい。
すぐそばに核ミサイルという“妖怪”がうごめくなかで迎えた今年の「憲法記念日」である。

悟空の乱暴が目に余るとき、
三蔵は「緊箍児呪(きんこじじゅ)」という呪文を唱え、
悟空の頭にはめた輪を締めつけた。
連れを信じ、
頼り、
ときには緊箍児呪で脱線をたしなめて、
平和憲法の旅はつづく。



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アメリカ ITで“ネットいじめ”を防げ

2017-05-06 07:15:00 | 報道/ニュース

4月13日 交際報道2017


インターネット上に書き込まれる暴言。
ツイッターなどに投稿された中傷する書き込みや写真は
またたく間に拡散し
簡単に消し去ることは出来ない。
(生徒)
「友だちがツイッターで悪口を投稿されて
 あっという間に拡散してしまいました。」
“ネットいじめ”を苦にした子どもたちの自殺が相次ぎ
深刻な影を落とすなか
起ち上がった人がいる。
アメリカのIT企業のCEO トッド・ショベルさんである。
きっかけはラジオで聞いたあるニュースだった。
(トッド・ショベルさん)
「ある少女がネットいじめに2年も苦しんだ末
 自ら命を絶ったのです。
 部屋の隅でひとりきりで苦しむ姿を思うといてもたってもいられなくなりました。」
スマホを使ったいじめにはスマホで対抗するしかないと
ショベルさんはネットいじめ対策の専用アプリを開発。
いじめの被害者やいじめを目撃した生徒が
ネット上のいじめを匿名で学校に通報できる仕組みである。
(生徒)
「証拠写真を添付することもできるの。」
3年前にアプリを導入した学校。
通報は直接校長に届き
閉ざされたSNS上でのイジメも把握できるようになった。
校長は通報をもとに
アプリ上のメッセージ機能を使っていじめの内容を直接生徒から聞き取る。
“友人がいじめられていますが
 誰にも言うなと言われました。”
情報はスクールカウンセラーなどと共有。
いじめた側の生徒指導に役立てることができ
アプリを導入後
いじめの件数は半数以下になったという。
(校長 ブライアン・ルチア―二さん)
「問題が起きてから対応するのではなく
 起こりうる問題を防ぐことができるのです。」
(生徒)
「名前も明かさなくていいし
 学校が把握してくれるだけで安心だと思います。」
このアプリを全米約6,000校が導入し
日本にも広がっている。
奈良市にある小学校。
多くの児童がインターネットを利用するため
アプリ導入に踏み切った。
(校長 池田節さん)
「いつでもどこでもすぐに先生に送ることができる。」
保護者がスマホにアプリをダウンロードし
子どもから聞き取ったいじめの被害や情報を匿名で学校側に通報できるようにした。
(保護者)
「抑止力にもなると言っていたので
 そのあたりを期待したい。」
(校長 池田節さん)
「学校に情報を送っていただくと
 リアルタイムで子どもを救うことができる。
 そういう意味では非常に優れたシステム。」
急速に広がる子どものネットいじめ。
その被害を防ぐ手段としてITの活用が広がっている。



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2017-05-05 17:00:00 | グルメ
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北方領土 日本人の訪問増に期待するロシア

2017-05-05 07:15:00 | 報道/ニュース

4月11日 国際報道2017


国後島の雄大にそびえる活火山。
絶景の広がる海岸線。
豊かな自然を生かし
北方領土ではいま
ロシア政府の手動で観光客の呼び込みに力を入れている。
空港を整備し
北方領土への入域手続きを簡素化。
択捉島と国後島への直行便があるサハリンの空港には観光案内所も設置された。
ロシアの旅行会社のパンフレットを開いてみると
北方領土を巡るツアーが紹介されている。
約8,000人が暮らす国後島。
自然散策を売りにするツアーには
中国や韓国からの観光客を含む約1,000人が参加した。
(自然保護区の責任者)
「自然散策のツアーに関心が集まっていて
 観光客は増加している。」
観光客の増加にともない
意外な施設も活用されていた。
かつて日本政府が建設した「友好の家」。
ビザなし交流で訪れる日本人とロシア人の交流などのために利用されてきた。
しかし今では観光客向けの宿泊施設としても使われるようになり
去年は1,200人余が宿泊した。
「中国 韓国 アメリカなどから大勢の外国人が来るのよ。
 外国のお客さんはみんな喜んでボルシチを食べてくれるわ。」
「友好の家」では日本とロシアの共同経済活動が進み日本人の訪問が増えることを期待して
土産物を販売することにしている。
(「友好の家」館長)
「ここを訪れる日本人にぜひ買ってほしい。」
島の商店でも
日本人の訪問が増加すれば売り上げが増えると期待している。
「日本人の客が増えれば売り上げも増えます。
 大歓迎です。」
北方領土での観光業に力を入れるロシア。
日本人の訪問の増加を見据え
早くも期待が高まっている。


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中国“ネット言論”規制の実態

2017-05-04 07:15:00 | 報道/ニュース

4月11日 国際報道2017


7億人を超えるネットユーザーを抱えるネット大国中国。
2011年7月の高速鉄道の脱線転落事故では
国際的な笑い話だ
証拠の車両を埋めてどうやって調査するんだ
報道が規制されるなか
中国国民がネットを通じて声を上げた象徴的な出来事となった。
ところがいま
政府に批判的とみなされた書き込みが次々と削除。
ネット上の発言の規制が強化されている。
習近平指導部が
政権批判につながりかねない世論の動きに敏感な姿勢を見せている。
なかでもしめつけを強めているのは
都合の悪い情報が不特定多数に一斉に拡散することもあるネット上の言論である。
もともと中国では
政府に都合の悪い情報にアクセスできないよう
インターネットの利用が制限されている。
取り入れられているのが
「グレート・ファイアウォール」と呼ばれるシステム。
ツイッターやYouTube   
海外の一部メディアへの接続を遮断している。
欧米からは
国境を超えた自由な情報のやり取りを確保すべきだとの批判があるが
これに対して習近平指導部は
「ネット主権」という概念を提唱している。 
“インターネット空間にも国家主権がある”というもので
治安維持などの観点から
ネット規制を正当化している。
さらに6月に施行される予定の「インターネット安全法」では
テロなどの国家の安全にかかわる事態が起きたと政府が判断した場合
特定の地域のインターネット通信などを制限できると明文化されている。

北京の人権派弁護士 陳建剛さん。
ネットの書き込みで罪に問われた人の弁護を担当している。
(人権派弁護士 陳建剛さん)
「言論の取締りはどんどん速く厳しくなっています。」
いま陳さんが最も心配しているのは
弁護士仲間の謝陽氏である。
おととし
中国全土の人権派弁護士の一斉摘発の際に拘束された。
そして去年12月
「国家の転覆を先導した罪」などで起訴されたのである。
起訴状によれば
“政府に批判的な言論をウェイボーを通じ1万人以上に向けて発信した”とされている。
しかし陳さんと面会した謝氏は
“庶民の権利を守るために活動し自由に発言しただけで国家転覆の意図などなかった”
と話したという。
(陳建剛さん)
「言論は自由であるべきです。
 政治的な迫害を受けるべきではありません。
 このような罪を着せられる人はどんどん増えています。」
さらに謝氏は
「警察から全身を殴られ
 40時間あまり眠らせてもらいえないなどの仕打ちを受けた」と打ち明けた。
陳さんはこの面会記録をネット上で公開した。
ところが記事を読もうとすると
表示できなくなっていた。
当局に削除されたのである。
さらに3月
国営メディアのニュースに登場したのは拘束されている謝氏。
(謝陽氏)
「1日9時間は眠っています。
 十分ですよ。」
本人を登場させて
ネットで広まった情報を全面的に否定したのである。
これを見てNHK取材班が陳さんに連絡してみると
ついには謝氏と面会も出来なくなってしまったという。
(陳建剛さん)
「政府の目的は真相の隠蔽です。
 私自身もいつ捕まってもおかしくない危険な状況にあると思っています。」
強まるネット上の言論の管理。
NHKが取材を進めると
習近平指導部のもとで着々と進む規制強化の動きが明らかになってきた。
地方政府の宣伝部門の関係者が匿名を条件に取材に応じてくれた。
この人物によると
習近平指導部が発足したあと
各地方政府ではネットの書き込みなどを管理する部署の設置が本格化したという。
(地方政府 宣伝部門関係者)
「各地方政府の宣伝部の下に管理部門があります。
 予算は毎年増えていて
 相当な力の入れようです。」
担当部門は24時間体制で問題のある書き込みを検索。
警察など他の機関でもこうした活動が行われ
人海戦術でマイナスの書き込みを見つけているという。
さらに
逆に当局にプラスの書き込みを行い
世論を誘導する担当も置かれている。
地方政府に対する市民の批判がネット上に広がれば
中央政府に責任を追及され
出世にもかかわる。
地方政府にとってネット世論の対策は
いまや最重要の仕事の1つだという。
(地方政府 宣伝部門関係者)
「毎日その日のネット世論の動向を総括しなければなりません。
 以前はそこまでではありませんでしたが
 上層部に毎日報告を上げるのです。
 マイナスの世論が全国に広がれば
 上層部が処分される可能性もありますから。」
さらに
問題の書き込みをいち早く見つけるための技術開発も進んでいる。
キーワードに応じて
インターネットの書き込みの中から自動的にマイナスのものを抽出することができるソフト。
民間の会社が開発した専門ソフトの体験版を使ってみると
混乱や騙し
煽りなど
マイナスの意味を持つキーワードに反応しているとみられる。
転載の数や
どこのソーシャルメディアに書き込まれたものかなどを迅速に判別し
効率的に対応できるとアピールしている。
各地の政府や警察部門を顧客にしていると
堂々と宣伝する会社も出るほどで
はば広く活用されているとみられる。
ネット利用者に重くのしかかる政府の規制。
その基準がはっきりしないことも不安を駆り立てている。
学校の職員として働く傍ら
1万人以上のフォロワーを持つ人気ブロガーの楊飛さん。
最近は先所される文章の範囲が格段に広がっているという。
楊さんが投稿した
中国のインターネット管理の現状を分析した文章。
政府への鋭い批判は避けたものだが削除された。
サイトの管理会社から具体的な説明はない。
もはや発言自体を控えざるを得ないという息苦しさを感じているという。
(市民ブロガー 楊飛さん)
「みな戸惑っています。
 何を掲載していいのか
 何なら閲覧できるのか
 わかりません。
 これが法律とはとても言えません。
 政府はやりたい放題です。
 私も周りの人も
 ネットユーザーは皆厳しい状況をひしひしと感じています。」




 

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