
規則やルールを守ることは、社会や組織の秩序を維持するために大切であるのは、もちろんです。
規則やルールは、いわゆる「正しいこと」です。
しかし、「正しいこと」は万能ではないのです。
「正しいこと」をふりかざして、他者を批判ばかりしている人間関係は、いきづまります。
たとえば、あるタレントが、その母親について生活保護費を不正受給していたことが明らかになったことがあります。
あのとき、マスコミは寄ってたかって不正受給を書き立てました。国会議員まで出てきて、大きな問題になりました。
私たちはちゃんと税金払っているのに、不正はいけない!
うん、そうだ、そうだ!
不正はゆるさないわ。
こんな感じで、世間はそのタレントに厳しかったのです。
いまの時代、ほんとうに他者に厳しい人が多いなと思います。
あれだけテレビの番組に出て稼いでいるんやから、ちゃんとお母さんの生活費くらいみてあげたらいいのにね。
こんなふうには、なかなか済まそうとしない人が多いのです。
しかし、私たちはほかの人の不正はよく見えますが、自分のまちがいにはなかなか気づくことはできません。
知らず知らずのうちに、まわりに迷惑をかけているかもしれません。
自分だって、そのまちがいを指摘されたら・・・。
こう考えてみることも大切だと思います。
相手の心情に思いを馳せる人になりたいと思います。
私はそんなふうに思います。
考えてみれば、教師にもあてはまります。
生徒のできていない点はよく見えても、自分のまちがいに気がつかない教師。
ぜったいに「正しいこと」で、生徒を理詰めする教師。
謙虚に生徒の状況や心情に思いを馳せることのできる、春風のようなさわやかな教師でありたいものです。
PS そのタレントについては同情していたのですが、またしばらくして、その人は車で人身事故を起こしながら、逃げたそうです。
それは、人として決して許されないのですが。
このときには、「不正は許さない」でいいと思います。