桜の季節、3年生が卒業して、4月からは多くの卒業生が高校に通い出します。
自分のペースでよく学習に取り組んだ生徒たちでした。
追って、旧2年生・1年生が進路を考えていくようになります。
親御さんが、教師もですが、「どこの高校に行きたいか、もうきめたの?」と、子どもに問います。
でも、行きたい高校があるという前提で発するこの問いは、子どもたちがいやがるようです。
そんなこと聞かれても、行きたい高校に行けるかどうかわからんわ。まだきめてないもん。小中いっしょやった友だちとも別れなあかんし・・・。
きめないといけないと、わかっているからこそ、本人も不安になり、焦りもするのです。
「わからん」と答えてしまう子の心情は、そういったものでしょう。
そこで、子どものさまざまな思いを置き去りにしたまま、「このあたりの高校なら通りそう」、行きたい高校というよりは、通る範囲で高校をきめていくというケースがあります。
その結果、入学してみたら、「気の合う友だちがいない」、「学校の雰囲気になじめない」と、やめていくこともあります。
自分で選んだのではなく、まわりがきめたから入学した。
このような進路選択は、好ましくありません。
では、「わからん」といい、自分の意思を表現しにくい子には、どう接するのか。
「◯◯高校は、まだ実力がちょっと足りないけど、◯◯高校はお母さんもいい高校だと思うよ。がんばってみたらと思うけど、どうする?」
この問いは、親の考えや意見をつたえているだけです。つまり提案であって、それを選び、きめるのは、子ども自身です。
子どもが自分で選んだ高校は、自分で責任を負います。