箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

思い通りにならないのが中学生

2017年03月23日 17時14分01秒 | 教育・子育てあれこれ

「遊んでばかり。ちょっとは机に向かったら!」
「こんなものに、お金ばっかり使って!」

子どもの行動に腹が立つ親御さんがいます。

しかし、私は言います。

思春期の子どもは、大人の思い通りにはなりません。

こう言うと、うちの子は素直で、聞きわけがあり、親の希望にそって、中学校生活を送ってますよ。

このような声も聞こえてきそうです。

たしかに、そのような子もいます。

ですから、正確に言えば、中学生については、大人の思い通りにはならないというくらいに思っていたほうがいいですよ、と言い換えます。

親と思春期の子の関係がギクシャクするのは、特別なことではありません。

親からみれば、こんなことを続けていれば、末が心配だと思うかもしれません。

自分の子育てを振り返ってみても、わが子が中学生のときはかなり心配したこともありました。

それをふまえて思うには、「いま以上悪化させない」というスタンスが思春期の子育ての急所でないかということです。

思春期の子育てでうまくいかない場合をみると、しばしば「今の状態をよくしょう」として、子どもになにかと戒めや注意をすることで、かえって親子関係がしんどくなるのです。

「いま以上に悪化させない」と言えば消極的に聞こえるかもしれませんが、じつはいちばん望ましい子育てです。

それは、「いまの状態をよくしょう」で子どもにかかわるのは、往々にして子どもをコントロールすることになるからです。

いま以上に悪化させないため、こうなってほしいという親の願いを伝えるだけで十分なのです。

(参照してください。2016年12月19日ブログ「変えようでなく、変わってくれるのを願う」、2016年1月30日ブログ「人を動かすのは、気持ちを動かすこと」)