箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

干し柿に想う

2017年10月31日 09時36分15秒 | 教育・子育てあれこれ



三中では、いま、干し柿を作っています。

柿を見ると、自分の少年時代を思い出します。

ときは、高度経済成長の時代でした。

日本社会は、活気に満ちていました。

努力すれば、今よりいい暮らしができるという展望がありました。

ある意味で、科学は万能だと、思えました。

そんな中で、少年時代を過ごしました。

能勢の田舎にも、科学万能の活気がありました。

でも、一方では、自然の中で育まれた私は、学校の帰りに友だちと柿をとっては、洗いもせず食べていました。

まだ、さほど食べ物やお菓子が多く巷に出ていないころで、そのときの柿は美味しかったです。

時々、食べると渋柿にあたり、顔をゆがめて吐き出したりしたこともあります。

家に帰ると.おばあちゃんが軒先に座り、渋柿の皮をむき、干し柿を作っていました。

「ああ、いま帰ったんか。おかえり」

「ただいま」

三中で干し柿を見ると、かわいがってくれたという感謝と情景が鮮やかに蘇ってきます。

まだ、物質的には、今ほど豊かではなかった。でもこころは豊かに少年時代を過ごしました。

昨今の自然災害のすさまじさを思うと、いくら科学が発展しても、大自然の力の前には、ひとたまりもない。

こう思います。