自分の教職を改善し続けるためには、強い意欲がなければなりません。
今年4月に国から発表された、わが国の小中学校の教諭の残業時間(勤務時間は16:50までとなっており、それ以降の時間外勤務)の長さ。
月に80時間を超えると過労死ラインと言われますが、80時間を超えている人が、全国の中学で1.7人に1人いるというショッキングなデータが、公表されました。
他の諸外国より、突出して高く、いま、中学では部活動指導をはじめとした、働き方改革が叫ばれています。
わが校も例外ではありません。
学校の先生の働き方改革は、進めなければなりません。
ただ、教員の仕事には終わりがないという点は特筆されるべきです。
「自分の授業はこれで完成」にはならないのです。
常に自分の授業を変えていくという探求力で、授業を研究実践していかなければ、社会や環境の変化に対応できないからです。
なにも考えずに、授業をするのは、仕事をしているのではなく、仕事を流しているだけにすぎません。
子どもたちは正直ですから、おもしろくない授業は、つまらないと思いますし、口にして言います。
授業準備には、突き詰めていけば終わりがないのです。多くの善良な教員は生徒のイキイキとした顔が見たく、帰宅が遅くなっても厭わず、時間を費やします。これが、長時間労働に拍車をかけます。
また、授業だけでなく、学級の運営においても、同様です。
家庭でわが子の子育てをしなければならない教員は、残れないので、家に持ち帰って仕事をします。
「子どものためになるなら」と思う教師は、時間がかかっても、子どもの笑顔と喜ぶ姿をみると、それが最大のモチベーションになるので、長時間労働をいとわないという特質があります。
事実、「現在の学校での仕事をを楽しんでいる」と回答した人は7割を超えます。
「もう一度仕事を選べるなら、また教員になりたい」というパーセンテージも高く、忙しいが、仕事への満足度は高いのです。
一般的に民間企業からみれば、自ら労務管理ができない人、組織となります。
元来、学校は労務管理という概念が根づきにくい職場だと言えるでしょう。
ただ、学校の働き方改革は、教職という特質を踏まえ、教員のモチベーション維持を考慮して行われなければならないというのが、私の考えです。
また、教員もどうすれば楽になれるかを考えなければなりません。
いやいや仕事をするのではなく、ワクワクと仕事ができるのがいいのです。
教育行政としての対策が問われます。たとえば箕面市教育委員会は、今年から完全学校退校日を市内全校に導入しました。
三中は毎週水曜日は19:00に、全教職員が帰宅するようになっています。
形から入ることも、ある意味では必要す。
形を変える→行動が変わる→意識が変わるということもあるからです。
とにかく、仕事に流されず、ああしたらいい、こうしたらいいと、まずは考えて学校でできることはやってみようとすることが、働き方を変えることになっていくと考えます。