スマホでSNSを利用し続けると、自分と似た考えに繰り返し触れる「エコーチェンバー」(Echo chamber)に陥ることに危惧します。
SNSを通して情報を得てばかりでは、面と向かって人とやり取りするときのような想像力が働かなくなるのです。
そして自分で考えなくなります。
行き着くところは、現在の分断が進む世界の中で、気づかない間に戦争に加担することになっていたということにもなりかねません。
第二次世界大戦中のナチスドイツのファシズムに人びとがなびいていったのは、自らの頭で考えるということをしなくなったからです。
とはいえ、希望をなくす必要はありません。
たとえばイギリスでは、コロナ禍のロックダウンのとき、各地の市民がボランティア組織をつくり、高齢者や障害者のいる家庭に食料を届けたり、定期的に電話で話し相手になったりしてきました。
日本では、「政治が何もしてくれないから、どうせ変わらない」という人が多いです。
しかし、それは自分が変わらないからでもあるのです。
人びとが政治をあてにせず、政府の必要性すら疑問視するようになったら、政治家は民衆のための政治を始めるのかもしれません。
こんな時代だからこそ、自分たちの足で立つことも求められます。
社会を変えるのは、いつもボトムアップの力なのです。