男性の育児休業取得率は、2022年度と比べて13%増え、30.1%となり、初めて3割を超えたのでした。
ひと昔前には、育休を取得する男性がほとんどいなかったのですが、近年は増えているのです。
女性の取得率が2007年度以降は8〜9割で推移する一方、男性は2007年度以降10年間ほどは1〜3%の低水準だったのでした。
当時は男性が育児休業をとると、ほんとうに珍しかったのでした。
その後、年々上昇して2020年度に1割を超え、その後は上昇幅が大きくなってきたのでした。
男性の育休取得を促すため、企業には子どもが生まれる従業員への意向確認が2022年4月から義務付けられました。
この制度が後押しをしたと考えられます。
くわえて、男性向けに産後8週間以内に最大4週間にわたり、休みを分割して取得できる「産後パパ育休」も2022年10月に始まったのでした。
そういう意味では2022年は育休をとりやすくする制度改革が大きく前進した年でした。
やはり、制度の充実というものは大きな役割をもつと、あらためて思う次第です。
ただし、まだ課題は残っています。
事業所の規模別に見ると、従業員500人以上の事業所の取得率が34.2%です。
しかし、5~29人の事業所では26.2%となっています。
また、産業によって1~5割台と差があります。
政府は民間企業の男性育休取得率の目標を2025年に50%としています。
その実現のためには、さらに努力が必要です。
男性が育休を取得しなかった理由としては
「収入を減らしたくなかった」
「職場が取得しづらい雰囲気だった」がたくさをになっています。
中小企業向けに、国はいま育休中の社員の仕事を引き継いだ同僚に手当を支給する助成金を出しています。
また今後、育休取得率公表が義務づけられる企業の対象が拡大されていきます。
また、育休を一定期間内に両親とも取得した場合の給付を増やすことが予定されています。
制度の充実は、実態を変えます。
実態が変化すれば、人びとの意識が変わっていきます。
そうなると、今までは「少数」は「多数」、「特別」は「一般」になるのです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます