入学式は学校行事の中でも、「儀式的行事」と法で規定されています。(文部科学省「学習指導要領」)
ところが、新型コロナウイルス感染防止のため、中学の入学式をまだ行なっていない自治体が多くあります。
「儀式」の入学式だから、やらなくてもいいのではという考え方もあるかもしれません。
しかし、それは入学式がもつ生徒にとっての意味が理解されていないと考えます。
入学式というのは、子どもにとって「中学生になった」ことを自覚する節目の式なのです。
現状では、教科書だけはもらったが・・・、
制服に腕を通したのはまだ一度だけ。
教科ごとに先生がかわるしくみは、まだ未経験。
本格的な英語の授業はまだ知らない。
部活動はまだ一度も参加していない。
ちがう小学校から来た子とは、まだ会えていない。
この現状で、「あなたはもう中学生だから・・・」とか「授業の動画をみて、親から言われなくても、自分から進んで家庭学習しなさい」といわれても、なかなかそんな気になれないのではないでしょうか。
だって、本人が「わたしは中学生なんだ」という自覚がもてないからです。
いま、文科省は、学校再開にあたって、小グループの分散登校案を示し、中学校の場合は、3年生を優先的に登校させる方法を提言しています。
それは、高校受験を控えた学力面での配慮からです。
しかし、現場を知っているものからすれば、1年生を優先的に登校させるか、どの学年も同程度に登校させるのどちらかです。
3年生は、2年間の中学校生活を積み上げてきているので、多くの場合、家庭で学習できます。
2年間で培った中学生の自覚に期待できるからです。
それよりも、自分は中学生だという実感がないのに、まわりから中学生と見なされる子どもたちを、真の中学生にしてあげれるよう配慮すべきです。
中学生のようで、中学生でないという中途半端な子どもの気持ちを、早く中学生にしてやりたいと、私は思います。
今回の中学校の再開、分散登校は、とくに「中1ファースト」がいいと思うのです。
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