少し前まで、学校教育での英語教育の目的は、英語の習得だけでなく、言語学習を通して、異文化を知り、人同士が相互理解を深めるというねらいでした。
しかし、グローバル化の流れの中で、英語習得を将来の職業につながるという必要性が認知され、英語を聞いて、話して、書いて、読めることにシフトしてきました。
そもそも英語は、学習指導要領での選択教科だったのですが、必修教科となりました。
小学校でも英語学習は重視されるようになり、もっぱら実用面が重視され、使える英語を日本社会では要求します。
ところが、昨今のAIの進化は目を見張るものがあります。
かなりの程度まで、翻訳機能が充実してきています。
海外文学を翻訳するのに使えるかといえば、まだそこまでは無理で、誤訳をすることもあります。
その文学が書かれた背景まで理解して、作品の機微を伝えるには、不十分です。
しかし、作品の内容やあらすじを把握するくらいであれば十分に使えます。
今後AI翻訳が改善され、翻訳家の仕事を脅かすことになり、普及すれば単なる道具として英語を学ぶのではなく、言語を通じて異文化を知り、相互理解を深めるという少し前の外国語教育のあり方に戻るのではないかと思います。
また、語学を英語に特化する必要もなくなると思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます