9年前の今日、2011年3月11日には、東日本大地震が起きました。
当時、私は箕面市の中学校の校長を務めていました。
その年は、11日当日が卒業式で、卒業生を送り出した午後、職員室にいると、突き上げるような激震は感じなかったですが、校舎2階の部屋全体がゆらりゆらりと大きく揺れていたのを思い出します。
その後、テレビでは、東北地方で大きな被害が出ている地域の様子や、津波が押し寄せる実況を上空からとらえている映像を流していました。
じわじわと津波が陸地を突き進み、その上方では車が走っている。もうすぐ津波が車を飲み込みそうになる・・・。
衝撃的な光景でした。その後、東北地方の大きな被害の惨状が次々と報道されました。
数日後、ボランティアの人びとが被災地にかけつけ、被災地・被災者支援にあたりました。
こんな大きな自然災害のときには、ボランティアがそうであるように、政治や行政に求められる基本的なスタンスは「人のために」です。
そこには「利己」という考えは皆無であり、「世の中のため、人のため」に徹することであり、「利他」の構えで対応にあたらなければなりません。
政治家や行政職員は、自分にとって、どんなに具合が悪いことでも、人のために必要なことなら遂行する。
逆に、自分にとって、どんなに都合のいいことでも、人のためにならないことはやらやらない。
未曽有の大災害や社会を揺るがすような事件のときには、政治家や公務員には、ひたすらこの精神と態度が必要だと思うのです。
「自分のために」で活動する人たちは、すぐパニックになります。
今すぐ何かをしなければ自分の評判が悪くなる。「いま、ここにすぐできることがあるじゃないか。だから、これは今すぐやるべきことなのです」と短絡的に対応する。
しかし、このときに「人のため」になることなのかという吟味・検討はせず、拙速にものごとを進めようとする
「人のため」に徹するということは、大規模な自然災害や世の中を揺るがすような大事件の際には、政策責任者や公務員トップには必須の行動規範です。
さて、教育も「人のため」に徹する。それは子どものため、親の願いのために営む活動です。
とくに、東北地方で起きたような大きな自然災害の場合、子どものいのちがかかっています。
「利他」に徹して行動することが教育公務員(学校の教員は、法令上、教育公務員であると規定されています)に強く求められます。
災害対応も学校がやるべきこととして、あらためて重要な課題であることを突き付けた平成の時代でした。
地震からまる9年たった今日、学校関係者として、このようなことを強く想います。
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