ひと昔前のスポ根漫画『巨人の星』に出てきたプロ野球選手、阪神タイガースの花形満(はながたみつる)が言った名言があります。
「ぼくは過去のことは振り返らない主義だ。未来を見るので精一杯だからね」という言葉が出てきました。
自分の人生に関わってきた人びとやものごとを思い起こします。
その中には、家族や友人、近所の人、学校での先生、知り合いの人、職場での上司・同僚がいます。
また、うれしかったできごと、つらかったものごともあります。
それらすべての人びとやできごとに、自分が助けられたことを思い、最終的には学んだことをありがたく感じます。
このように、自分が歩んできた道を回顧する。
その道すじは、「Way to Heart」であり、自分の心への旅であるといえるでしょう。
しかし、いま、「Way to Heart」と合わせて考えると、私には歌詞の意味が伝わってきます。
愛する人と別れ、一人で汽車(当時の曲にはよくこの汽車という言葉が出てきました)に乗り出かけていく。その後、その愛する人のことを思い出し、その人とのできごとを振り返るようになる。
そのことを「心の旅」と呼んだのです。
「我が輩は過去である」は、姜尚中さんの言葉です。
未来はまだ何もないゼロの状態であり、今の自分は過去の蓄積である。その意味で、過去こそがすべてである。
私はこのことを、中学3年の卒業する生徒に話したこともあります。
中学生は未来を見ることも大切ですが、せめて卒業するときなど、節目ごとに「Way to Heart」、過去を振り返って、自分を育ててくれた人びとやものごとに感謝して、想いを巡らせてみるといいでしょう。
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