北海道に北見北斗高校という学校があります。
全日制課程と定時制課程があり、定時制課程は、NHK学園高等学校の協力校となっています。
この高校の生徒たちは、このたび「探求学習」の一環で、北見市にスターバックスコーヒーがないことに着眼し、スターパックスコーヒージャパンに開店を提案しました。
その結果、昨年11月に北見三輪店が出店しました。
生徒たちが「なぜ北見市には、スタバがないのか」をテーマにして、学習に取り組みました。
この高校の探究学習では、グループごとに課題を設定して、研究をして、課題解決を試みることにチャレンジします。
学習では、出店がない原因や出店のための条件を検討しました。
スタバでアルバイトをした人からの聞き取りをしました。また、出店している帯広市、釧路市と北見市の人口比率を調べました。
その結果、北見市は他のニ市と比較して、土地が広く、人口密度が低いという事実を明らかにしていきました。
また、交通量も少ないことが原因でないかという仮説を複数立てました。
約半年をかけた学習で、出店のメリットを考察して、スターパックスと電子メールをやりとりしました。
その結果、スタバの方から出店の知らせを受けました。
生徒たちは開店前の店舗に特別招待をされ、開店を祝うことができました。
また、生徒たちの誘致活動に対してスターパックスから感謝の言葉を受けました。
子どもの願いを実現させるスターパックスという企業の柔軟な姿勢も素晴らしいですが、探求学習に取り組んだ生徒たちも大喜びでした。
さて、小中学校でも、児童生徒が「総合的な学習の時間」で、地域の課題を調べて、行政や市役所に提案することもあります。
その学習の結果、たとえばまちづくりや地域の公園づくりに子どもの声や要望が反映されるケースもあります。
しかし、小中学生では、年齢的にリサーチが不十分であったり、有効性がないとか、採算があわず、実現性の乏しい提案であったりするので、要望がかないにくいのが実情です。
それに対して、高校生にもなると、かなり探求が深く、考察もしっかりとできることが多く、企業に課題解決を迫るだけの力を出せるのだと、わたしは考えます。
今の日本では、子どもは進学のための学習だけをしていればいいと、保護者もまわりも考えがちです。
そんな環境に置かれた子どもたちは、自分たちにとって社会を遠いものとして捉えがちです。
そのような子どもたちに、「私たちも真剣に探求学習にとりくめば、企業や社会を動かすこともできる」という実感をもたせることは、たいへん意味のあることです。
子どもたちに社会を身近に捉えさせる、自分たちも真剣に課題の解決に取り組めば、変化を起こすことができる。
その経験を積む学習が必要なのです。
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