Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

風の人

2018年11月13日 23時25分40秒 | 日記


今年は大切な人を4人もなくした。


先月開催した波露の会は
大切な人を送り出す儀式だったのではないか、とさえ思う。

今日は、私の作品をずっと観てくれていたコレクターさんのお通夜だった。

4年前、
羽黒洞ではない別の画廊のグループ展に初めて声がかかったとき、
初めて春画シリーズの小品を描いた(画像↑)。

私を「亀ちゃん」と呼んでくれるそのコレクターさんは
見るなり「これ買う!!」
「亀ちゃんの新しい展開を応援する」と言ってにっこり笑った。

本当に嬉しかった。

私は良いお客さまに恵まれている。
こんなに良い方たちにかこまれていて
本当に幸せだと思う。

最近思うことがある。
私について、確固たる一人の私はなく
かつて無限に居たであろう私のような人達の思いを、おそらく私は生きている。
この生は、沢山の生の総体のようだと感じている。
1回の人生では成し遂げられなかった私に似た誰かの思いを
おそらく私は引き受けている。
だから絵を描くのは自分の為というエゴではなく
私に思いを託した沢山の人達への愛だと思う。

そして、私も何かをやり残し、きっと誰かに託すのだろう。

それは会うこのない人と繋がるとても素晴らしいタクラミだ。

そんなことを、
私より先に亡くなっていく大切な人達から学ぶ。

例のコレクターさんとは波露の会で会ったのが最後。
少し話して、私が用事で画廊を離れて戻ったら
ふっと居なくなっていた。
風のように颯爽とした人でした。



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