Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

水彩画教室 作品展 #よみうりカルチャー

2018年09月26日 09時09分46秒 | EXHIBITION


(画像「長瀞」F6 水彩 亀井三千代)

 この度、担当している水彩画教室の展覧会を開催いたします。

 実は、8年前に突然カルチャー教室を引き継ぐ事件(私にとっては事件!)がありました。
古くから私を知る友人からは「亀井、水彩画描けたっけ?笑」と言われるほどで、よくぞ8年も続いたと自分でも驚いております。
 それは全員私より年上の生徒さんが、頼りない私に根気よくお付き合い下さったからで、私にとっての学びの場でもありました。
 
 今回「自分たちの展覧会をしてみたい」という声が上がり、そして羽黒洞さんの温かいご協力をいただき、この展覧会が実現いたしました。
 
 参加する30名は経験も年齢もばらばらですが、
生き生きと絵に向かう姿勢は、私にとっては決して忘れてはならない「絵を描くはじめの気持ち」そのものの姿なのです。
 
 是非とも温かい応援を頂けましたら幸いです。
詳細は近くなりましたら再度お知らせ申し上げます。

★羽黒洞: http://www.hagurodo.jp/



絵とアートについて

2018年09月21日 19時31分48秒 | 日記

Sumi Jungleに追加しました。↓
https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei/sumi-drowing

このドローイングを今年の残暑見舞いカードにしたら
送った人から電話が来て、褒めてくれた。
作品となると打ち出しが強く、肩肘を張り、
そのイメージが定着するなら抜け出せなくなる可能性がある、
このようなドローイングは息が抜けていて良い、とのこと。

言わんとすることはわかるけれど
息の抜けているものは遠くまでは届かない。

作品をなるべく遠くまで発信しようとするならば
自分の精一杯を凝縮しなくては、届かないと思います。
「うんざりするような作品」
と言って良いかわかりませんが
その「力」がないと既にさまざまなアイデアが出尽くしたこの世界で
きわだつことはできないように思います。

ですので、世に出る作品が必ずしも良い作品とは限らない、
アイデアと技術が売り買いされているのだと思います。





既に「良い」と言われるものに意義をとなえて更新するのがアートの役割だと
私はいまだに思っています。
歴史を振り返るとずっとそのように続いているからです。

で、意義をとなえるには、それは一体何なのかを考えなくてはならず
究極的には「考える」ことに常に立ち返る
ある意味辛い作業の繰り返しだと思います。
絵を描くだけではなくて、考えるのです。
そのアイデアを絵という説明できない技法に委ねるわけで
そこで起こることがすべてなのではないでしょうか。

よく絵は感覚的に描け、考えずに描け、とか言いますが
ただ絵を描くだけならそれで良いと思います。
でも、アートは常に進化しているので
アイデアがなければ模倣にしかなりません。





とすると、こんなこと書いてる私は何なんでしょうね。
イラストレーターと絵描きの中間であり、
絵描きとアーティストの中間
日本画家と水墨画家の中間でもあるわけで
辺縁に生きる者なりのアイデアを、絞り出していこうと思います。


解剖学教室時代の思い出1

2018年09月15日 20時12分42秒 | 日記


(↑写真は、貴重なもの故あまり大きく出来ません。いずれお披露目の機会を作りたいです。)

今年から自分で作った解剖図の資料もモチーフにしようと決めた。
決めたはいいが一度整理して掘り出さないと始まらない。
やっと涼しくなったので、思い立って始めた。

出るわ出てくるわ…

保管状態に自信がなく、
2度とは描けない実物の解剖体スケッチが、もしも酷い状態だったら絶体ショック!
と思い、それを見たくなくて余計に遠ざかっていたのだが 

実際はそんなこともなかった。
けっこう綺麗に残っていた。
いつかこの資料の図録も出してみたいとなぁ…と欲も出たりして(^_^;

というわけで、今日はいくつかの資料を突き合わせて
下図を何枚か作った。





医科歯科大で解剖図の仕事をしているころは
下図を作る作業にめちゃくちゃ時間をかけていた。
当時の教授は佐藤達夫 *先生という有名な人で
貴重な解剖図譜の収集家でもあった。
教室の本棚には希少本がごろごろあって、19世紀の解剖図譜を普通に見ることができた。
すごく贅沢な時間、その豊かな日々の経験は今でも私のベースになっている。
学びたい人に惜しみなく学ばせる、というのはなんて大きな愛なんだろう。

しっかり作品にして残していきたいと思います。
その愛は次へ伝わると信じています。
 
でもそれを考えると、人生1個じゃ足りない気がしますね。
医科歯科時代を振り返ると、実際教育といのは難しくて、言葉で教わるようなことでもなかったと思います。
ガチでぶつかって家族のように時間を共にして
それでやっと相手の望む解剖図のフォルムが自然と身につきました。
だから私の解剖図は医科歯科タイプだと思います。
それはとても美しいものでした。
主には先生方の論文で、ラディカルな理論とともに私の図も残っていくのを期待しています。
マニアックな世界ですね。
ああ、あのマニアックな先生方にまた会いたいなぁ…


制作快感

2018年09月10日 21時22分39秒 | 日記


作品の全貌は投稿できませんが
一区切りついてひと安心( ̄。 ̄;)

制作が佳境にさしかかると
頭の中がそれで一杯になってしまう
フル回転で楽しかった。

感覚的なものにもロジックはある
というか感覚にロジックを合わせていきたいのかもしれません。

なので、絵を描くというのは
ゆったりと全体をながめて的確に筆を進める作業と
コントロールできない水の動きに任せる時間と
それらをロジックとして構築する作業と
同時に幾重にも起こりうる現象を紙の上に留めるこのとのような気もします。

それはある種の快感だと思います。
脳は考え、実現することが快感なのではないでしょうか?

でも、そんなことはほとんどの人には理解されないなぁ…
などとつぶやきつつ、また絵の世界に行ってきます。
脳がフル回転したいなら、その全エネルギーは作品の為にそそぎたいです。
そして作品を通して世界と繋がりたいと願っています。


ほぼ毎日手袋作り

2018年09月06日 21時05分11秒 | 日記

今年の夏は暑すぎて
制作中、手に汗をかいてしまう。

ふと思い出したのですが
ずいぶん昔のドラマで、漫画家さんが指先の出ている手袋をはめていたっけ。

それで「漫画家 手袋」で検索
作り方がでてきました。

ホームセンターで綿100%の手袋を購入。
指の部分を切って作ります。

親指と人差し指の間は筆があたる場所で
布があると微妙な感触が伝わらないことがわかり、そこも切りました。

手にピタッときて気持ちいい。

ところがこれ、結構どっかにやっちゃう。

作っては脱いでぽい、また作っては脱いでぽい…
捨ててないからどこからか出てくるわけで
部屋の所々にこのようなものが点在するようになってしまった。

あ、ここにあったか

ポケットからも


ティッシュ丸めたのと間違えたりして





ところで例のドラマのタイトル何だっけ
「漫画家 ドラマ 堺」で検索したらこれこれ

『ひみつの花園』

「堺」は俳優の堺雅人さん
下の名前が思い出せなかった(^_^;
堺正章とはイニシャルが同じだ。

「マチャアキ」
って言ったら、それ誰ですか?
って年下の作家さんに言われたこともついでに思い出した。
世代が違うって恐ろしい。


ウロボロス

2018年09月03日 22時06分17秒 | 日記


ウロボロスに興味を持ったのはいつからか、思い出せない。

イメージはたいがい描こうと思ってやってはこない。
いつの間にか静かに
画面の中にぼっと現れて私はそれをキャッチする。

それが楽しくて絵を描いている。

時々そのイメージが現れなくなっちゃったらどうしよう?
と思う。
だから日頃からできるだけ本を読み
興味のある画像に触れて、
気になるものはエスキースをとるのが良いと思う。
とにかくいつも描いているのがいいと思う。

随分前から「ウロボロス」という音がむしょうに気に入っていた。
自分の尾をくわえる蛇なんて、なんてエロティックなイメージなんだろう。
実際は「終わりも始まりもない完全なもの」のイメージだそうだ。
メビウスの輪のような感じかもしれません。





ボルヘスも終わりも始まりもない円環、その迷宮
人の一生の概念が、人の命の概念が全く違ったものに感じられる。
言葉によって永遠に終わらない命のイメージが
目と頭の中間あたりにもやもやと広がる

こんなことができるなんて、なんて言葉は素晴らしいのだろう。

それはぼっと浮かび上がる「結論のない崇高な空間」で
死(終わり)のない世界だ。

言葉も音も、そして絵画も
個を超えて人の脳に働きかけて
そしてあの「結論のない崇高な空間」を作り出すことができたら
それは人にしかできない尊い能力
別の目が開くようです。

(そういえばボルヘスは盲目。空間を伝える能力に長けているとか、
何かあるのでしょうか…)