私は、赤い色が好きだ。
でも、作品に赤を使うと、
血をイメージするから
控えた方がよいと、よく言われる。
それは私が未熟だからだろう。
それでも
岩絵の具の赤い色を画面に置くと、
どきどきが始まる。
待ち望んでいた答えがそこにあるような、
その絵が、やっと私のものになるような・・・
自然の中で、
それは何かのシグナルだ。
赤い花は、昆虫を誘い、
赤い実は、鳥を誘う。
青い地球、緑の自然というなら
そこに生きる動物達は
赤い宇宙を抱えて生きている。
皮膚で隔てられた中と外
赤は、動物が身体の中に抱える色でもある。
この写真は、つい先日の夕暮れ。
私の部屋から見える、多摩川沿いの風景。
水面に夕日が映り
世界がぼおっと赤く染まった。
一日の終わり
体内を感じて震える。
この美しさ、
決して描けないと思う。