Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

身体曼荼羅として…

2015年02月26日 10時54分09秒 | EXHIBITION


この作品、昨年秋の個展で発表
足りなさを感じていたので加筆して
今回の「人人展」に出展いたします。

タイトルは「憑」P80
絵を描いている最中の精神状態に「憑く」感じを重ねてみた。

狂乱にありながらどこか冷静でないと成り立たないような、なんて
こんなことを自分で言ったところで説得力があるとは思えず
言いながら、自分で自分に疑問を投げかけてしまう。
たとえば、周りに人がいて、描いているときの私について分析してくれたわけではないですから
客観性が足りないんです。

まぁそんなふうに
今まで作品1点1点にその都度タイトルをつけていたが
全てにおいて通底するテーマを言葉にしたくて
ずっと考え続けていた。
この分かりにくいものを伝えるには…

憑依だなんて言ったところで
私の個人の体験でしかないわけですから。

先日、風呂につかった瞬間に
「曼荼羅」という言葉が現れた。

何かを考えていたんだと思うが
繋がりが思い出せなくなっていた。

今、私の世界観を伝えるのに、
これ以上の言葉はないように思われた。

思考は不思議だ。
それについてドップリ考えているときは現れず、
別の何か、関係ないことをやっている時や動作の瞬間に
ぶわっと出現する。

面白いと思う
絵もまた同じだ。


第39回人人展 東京都美術館

2015年02月25日 09時24分36秒 | EXHIBITION


第39回人人展、開催間近
今回の図録の表紙は猪瀬辰男です。
(今回は編集後記も書かせていただきました。)

明後日には中国から陈 春妃(chen chunfei)も来日し
なんとなく私の中でカウントダウン

我が家にステイの予定だが
部屋の掃除とか、全くやる気が無くて倉庫状態のまま。
このまま突入するのでしょう…。

第39回人人展
会期:2015年3月3日(火)~8日(日)最終日15時まで
会場:東京都美術館* にて

出品作家:
綺朔ちいこ  猪瀬辰男  大野泰雄  大野俊治  岡田よしたか
奥津幸浩  小野なな  亀井三千代  木村浩之  久保俊寛
郡司宏  古茂田杏子  佐藤仁  高橋美子  竹内幸子
田端麻子  丹澤和美  陈 春妃(chen chunfei)  冨樫憲太郎
鳥居洋治  内藤瑶子  長尾春枝  並木鏡吾  成田朱希
西川芳孝  林晃久  尾藤敏彦  馬籠伸郎  美濃瓢吾  宮優
山崎美佐子  山本もえ美  吉田佑子  米田昌功  LUNE  渡辺つぶら

事務局を手伝い始めて2年目
これは本当に大変です。
自分の制作がなければいいのですが
あれも、これもというのは不器用な人間にはこたえます。

いつの間にか
自分が人の世話をする年齢になりました。
同じような作家でも、
そんなことには全く縁の無い人もいる。
自分のことだけを考えればいい、というのは
無駄がなくていいことだと思うが
私はこういう役回りなので仕方がないとも思う。

でもね、
「無駄がない」というのは本当に大事なことです。
メジャーになっていく人には無駄がありません。
私のように無駄だらけではダメなんです。

でもまぁ、ともかく
押し寄せることを一つ一つ受けて処理して
前に進みたいと思います。

皆様どうぞよろしくお願いいたします。


*東京都美術館
http://www.tobikan.jp/citizens/h26_03.html


今日の儀式

2015年02月14日 08時33分39秒 | 日記




はまりました、完全に。


どんどん試したいことがでてきました。
無心にやってるつもりでも
もっと、もっとって欲が出てくる。
こんな単純な作業なのに…

以前、とある画商さんがこんなことを言っていた。
絵描きになるというのは、
鬼になれるかどうかだ。
もっと、もっと…と際限がなく
そうこうしているうちに欲がどんどんふくらんで
ものすごいモノ(鬼、バケモノ)になっていくんだ、と。

内心、わかるような気がした。
だってそういう人、ほんとにいるもん。

「私は無理だなぁ」と言ったら

「じゃあやめとけよ」って(笑)

親切な人だと思った。

でもやめません。
今それどころじゃないのよ(^_^)


心の平安を…

2015年02月13日 08時50分20秒 | 日記


訳あって、額縁をお貸ししたところ
お礼に手作りのアレンジメントをいただきました。

心なごみます。ありがとう!!

制作や事務処理、図録の制作など
いろいろなことが押し寄せてしまって
気持ちがばらばらです。

でもこれ、皆していることじゃないかと思う。
愚痴っていても仕方がない。

乾かす待ち時間は
普段は絵の前で本を読んだり
別の絵を描いたりしますが
今は画室が寒すぎて居られません。

画室と暖かいリビングの往復状態で
あまり良い状態ではないです。

だったら暖房入れればいいじゃん、って思いますが、
エアコンが故障中で
だったら直せばいいんですけどね
ああ、めんどくさい…(駄目)

それと
どうして人はこう、四六時中ものを考えてしまうんだろう。
自分の頭に疲れます。

仕方がないので
待ち時間はリビングで墨で遊ぶことにした。


いつからか、
余った墨でドローイングをするようになった。

私の中ではこれを「儀式」と呼んでいます(笑)

主に植物を描く。
この間、おそらくほぼ無心!

見せるため、とか関係ないし
仕上がりも理屈うんぬんがなくて…
墨のにじみをじっと見ているだけで
落ち着いてくるのを感じます

絵がなかったら死んでいる。

(自分の頭に吐き気がする。サルトルの「嘔吐」ってこんな感じじゃなかったのかな、うろ覚えですが。


「座の会」-各々の小世界-

2015年02月10日 08時46分57秒 | EXHIBITION



「座の会」の小品展 
ー各々の小世界ー が
開催画廊、四季彩舎のHPにアップされました。


「座の会」はまだ4年目の若いグループです。
参加作家の年齢層の幅が20代から70代までと、とても広いが
ありがちな上の世代の独断(笑)というか
威圧はなく、
むしろ若い世代の熱をあおり、
世代のぶつかり合いから何が生まれるか、期待を寄せる
生きたグループだと感じています。

私は人人会と両方に所属しているので
その違いを身にしみて感じています。
人人会は既に成熟していて
会のカラーもかたまり、上の世代の意見が強く保守的だ。
もともと中村正義ら創立メンバーが
対保守、反体制という立場で立ち上げた会でも
時間が経つと保守になっていくんだなぁ…

人人会はもともと反体制的スローガンを掲げていた。
正義の手記によると、
戦後間もない頃、社会は抑圧的で創作の自由も阻害されていた。
だから作家は個人で活動すると同時に
仲間を集めスローガンを掲げ
自分たちの存在意義を主張していかない限りはつぶされる、
そうした危機感の中で人人会は創られた。

もちろん、今でも相変わらず日本の社会は抑圧的だし、
反体制的な表現は隠蔽される。
これは、これからますますエスカレートしていくと感じているが
今の作家は生活に疲弊して制作するので精一杯だ。
人人という既得権と、発表の場を失ってはならないと、
自然と保守にまわったのだと思う。

「座の会」ではあえてスローガンを掲げなかった。
スローガンどうする?という話しは出たが、
スローガンは掲げない、というスローガン
私はそれは正解だと思った。

私は、団体がスローガンを掲げたその瞬間から
人はそのスローガンの保守にまわるような気がするから。

そして、本来絵描きの体質がそれに合わないのが
わかるような気がするから。
絵を描く、という行為やロジックそれ自体が
何かの破壊であって保守であることがあり得ないと感じるから。
進んでも目的地が遠ざかるような、
そうでないと空虚だと思う。

「座の会」では創立から立ち会うことによって、それを学びました。
とてもユニークな個性の集まりです。


四季彩舎 http://www.shikisaisha.com/

「座の会」-各々の小世界-

20~70代という幅広い世代が独自の日本的絵画表現を模索するグループの小品展。
各メンバーが10×10cmの中にささやかな宇宙を展開する他、SM~6号大の作品を展覧致します。

鈴木敬三「石に描かれて裸婦」10×10cm

「座の会」
-各々の小世界-
2015年3月9日(月)~18日(水)
11:00-18:30 日曜休み

出品作家

尾長良範 金子健一郎 亀井三千代 小谷里奈 小林 努 古伏脇司 白崎彩子
神保千絵 鈴木敬三 高岡暁 竹川リサ 豊田正秋 中田朝乃 中村絵理子
広田郁世  野崎 慎  羽田雄貴 松本俊喬 宮島弘道 八木幾朗 米谷清和