Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

入 ーいりぐちー 口 @ 羽黒洞

2015年10月29日 09時33分27秒 | EXHIBITION



「入 -いりぐち- 口」@羽黒洞

亀井三千代・馬籠伸郎・渡辺つぶら 三人展
2015年11月16日(月)-28日(土)
11:00am-6:30pm 日祝休廊

恐ろしいタイトルの展覧会になりました。
「入口」ってなんじゃこりゃ??
羽黒洞さんらしいタイトルの付け方、というか
ぶっとんだ憑依の仕方で進行しています。

私はここで育ったんだなぁ…

そろそろ銀座・京橋界隈に出没し
DMを置かせていただきたく画廊を回りはじめましたが、
揃ってキョトンとされます

「入口…って何?」

「あ~ん~…コメントを読んでいただけたらわかるかと…」

????

みたいな感じになりますが
私個人としては200%満足しているタイトルなんです。



ハガキ表面のコメントは以下

作品は、描き手の世界への入口—。

八百万の神、名もなき神、消されてしまった神々たちを独自の目線で紐解き描きながら

後生に伝えたいという古(いにしえ)の神話世界の渡辺つぶら。

解剖学を学び近年は春画を探求、人体から想起する表現に虚と実、

生とエロスを交錯させて世界像の把握を試みる亀井三千代。

自身の思想を古来の妖怪の姿で表現し全てのネガティヴをポジティブに変容させる

新たな妖怪の世界観を持つ馬籠伸郎。

其々の入口の前にお立ちになり三つの異次元をぜひお楽しみください。


羽黒洞さん側は「三つの異次元の入口」とのことですが
私としてはそれだけではありません。
改めて初心に戻る
この入口をくぐり抜けて絵を描くはじめに戻りたいです。

人は、長く仕事を続けると
トラブルや小さないざこざを山のようにやり過ごして
他人に対して鈍くなる。
人は人の気持ちを踏みつけて良いもんだと勘違いをしてしまう。
それは間違いなく連鎖の中から生まれるのであって
誰が、とか何が、とかいう元凶はない。
それだけ厄介なものだと思うが、
人間関係を窮屈にし、仕事を小さなものにしてしまう。


断ち切りたい。
私の中にもあるそんな連鎖の芽をつみリセットしたいです。

この入口はそんな入口。

10年ほど前、
羽黒洞さんとは三上誠との二人展から始まりました。
今あらたに初心に戻り
この奇妙な三人展に臨みたいです。

とはいえ、
「入口」に対してはそれだけではありません。
展覧会中は三人三様の「入口」を
ステイトメントとして発する予定でおりますので
皆様どうぞお越しください。

● 羽黒洞


巨体に癒やされるーニキ・ド・サンファル展

2015年10月22日 11時40分51秒 | 日記

夜中、何度も目が覚める
朝起きたときダルすぎる
これは睡眠障害?

慢性的寝不足に陥る

こうやって人は歳をとっていくんだなぁ…

展覧会の時、一応制作の締切というのは
搬入日なのだろうが
その前、額装に出すにあたり
一度大きな修羅場がやってくる
だから、展覧会は2度修羅場が来るのかもしれない。

間もなく最初の修羅場を迎える、ははは(;。;)

絵は描くときはじっとしているので
筋肉は使っていないのに
何故かヘトヘトだ。


ところで、テレビのCMで
ぶよぶよな人が身体を鍛えて何ヶ月かあとに
すっきり引き締まり
得意げにポーズをとるのがある。

あの人たちは元気なのかもしれない
でもあの人たちと話が合うとは思えない
私にはぶよぶよの方が魅力的に見えるから。

ポジティブすぎる思想というのは息苦しくて
案外疲れる

はっきり言うけど嫌いだ。

来月3人展を一緒にやる作家さんの一人は
ボリューミーな巨体好きらしい
楽しみです。

下の巨体はニキ・ド・サンファル「ブッダ」1999
ボリューミーな精神世界は、確かに幸せを感じさせてくれました。


想像を絶する巨体です、キラッキラで凄いよ!! 国立新美術館 ニキ・ド・サンファル展 より


羽黒洞 3人展

2015年10月07日 09時14分03秒 | EXHIBITION

11月に湯島の羽黒洞で
3人展に参加する予定です。

今回の新作はできる限り「墨」でいこうと奮闘中です。

詳細は後日お知らせいたしますので
宜しくお願いいたします。


また、プロフィールページの写真も増やしました。
こちらもこれから充実させていきたいと思います。
http://blog.goo.ne.jp/miyo-6


「フリンジ」墨・和紙 亀井三千代 2015


春画展、秋の夜長に

2015年10月03日 22時35分23秒 | おすすめ展覧会


観て参りました。
春画展!!

価値観が180度変わりました。

実は、春画の図録は3冊持っており
作品の資料にしていますが
図録で見る限り、肉筆の春画は生々しくてどうも苦手だった。
(私が言うのもなんですが)

北斎の春画も
私は肉筆よりも、システマチックな版画にされた方がだんぜん好きだった。

版画の均一でフラットな面、抑揚のない線、
抑圧された感じがたまらなく好きだったのだが
その価値観が見事に崩壊しました。

肉筆のきれいなこと!!
特に毛の描き方がすごい。
もわっと謎めいている。
もちろんこんな毛を人は持っていないのだから
美化されて描かれているわけで
現実感は全くないのだけど
その方が、私にとっては美しく感じられる。
絵の中でしか実現されない美の方が
触れない美、届かない美、瞼の奥の奥でしか実現できないあこがれが
私にとっての究極なのだと知りました。

その触れてはならない領域を
絵描きが息を殺して、筆先に異様な何かを込めながら
実現しようとしているのがわかる。

素晴らしかった。

印刷ではこの臨場感はわからない。
やっぱり観なくてはわからない。

筆で色を置くってすごいことなんだと
今更ですが、改めて思いました。

私は絵を描いていて良かったと
心の底から思います。
絵は一つの人生をかける価値があると
励まされ、抱きしめられたような気がしました。


春画展、是非観てください。
永青文庫~12月23日


図録は和綴じになっているので
厚い本ですがフラットに開きます。


大好きな月岡雪鼎「春宵秘戯図鑑」

今、絵をばんばん描きたいですが

すでに描いてしまった作品に対して
怒濤のだめ出しはしばらく続きそう…