Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

The Fault  西本剛己展@秋山画廊

2016年03月24日 22時31分07秒 | おすすめ展覧会


西本剛己さんは私の出発点に立つ作家だ。

20代、初めて銀座の貸し画廊で個展をするとき
その画廊(今は無きGアートギャラリー)のオーナーから紹介された。
かっこよくて、気さくで、ものすごく頭の良い人だった。

作家友人がゼロに等しかったので
その僅かな縁を頼った。

西本さんに出合い、そこからまた出合いが広がり、今がある。

彼は今、明星大学の教授だ。

恐れ多いことだが、会ってみるとやっぱり気さくでほっとした(^_^)

さて、作品は「The Fault」「ズレ」だそうだ。
話を聞くと、作家は常にこの社会に対してズレを感じており、
だがそのズレは、どれだけずれていようとも水面は水平であるように
表面化しにくいものだと語っていたが…

作品はインスタレーションで
バスタブから鏡から何から何まで全部ズレている。
鏡に映る自分の顔もズレている!!
彼の鬱時代のノートに書かれた言葉が、抜粋されて作品化されているが
同行した共通の友人の「鬱でも言葉の完成度高いね」の一言に爆笑した。

ズレについては
画廊を出て飲みながら話を聞くと
なんだかもっと複雑だった。
そもそも社会にズレを感じるなんて正直だが不幸でもある。

人生がズレに支配されている。
でもそれは彼固有のことではないと
どこか共感できたらそれはまた、自分のズレにも気づいた証だ。

(それにしても呑むわ呑むわ、日本酒をガンガン呑んだ。
同席した呑まない友人がやけに冷静で申し訳ないというか…)

「The Fault」西本剛己
3月27日(日)19時まで
秋山画廊  副都心線 北参道駅(出口1,2)より徒歩5分

★西本剛己 http://artlabplus.com/#
関連記事 :http://blog.goo.ne.jp/michika-6/d/20150122

是非ご覧ください。
そして作家に会ったら是非話をしてください。


背景マニア

2016年03月20日 06時12分18秒 | 作品紹介


「タントラ」墨・岩絵の具・膠・和紙・金箔 P3 2016 亀井三千代

第40回人人展、同時開催の小さな人人展@羽黒洞に
出展いたしました。

この「タントラ」は2頭のユニコーンが主役です。

といってもはじめからユニコーンを描こうとしていたわけではありません。
私は身体を描く過程で周辺(フリンジ)に現れるものが主役となる、
そんな描き方をしていますので
タイトルも完成図も途中の段階では全くわかりません。

時々、絵では描きたいものを中心にはっきり描いて
周辺はすっきりさせろ、と言います。
言いたいことは一つだけに絞れと。

でも私はその逆です。
言いたいことを一つだけ、なんて無理です。
一つの言葉を発すれば、必ずその裏の意味が現れ、
さらに、その両方をすり抜けるような意味の可能性も現れてしまいます。
「○○は何々だ」などと
この世界で、どうして断言できることがあるんでしょうか。

このようなことを、日本画の恩師がよく言っていましたが
聞いているうちに私も影響を受けてしまったのか…
そうではなくて、実は私も、もともとこのタイプだったと思います。

「背景マニア」です

思えば、日本画の恩師とは長いつきあいで

今でも厳しくて怖い存在ですが、どこか私に理解を示してくれていた
有難い出合いだとつくづく思います。

話がずれましたが、この作品も
いつものように身体を描いているうちに、2頭のユニコーンが現れました。
それが今までになくとても強くやや恐ろしい形で出現したので
これは単なるユニコーンではなくて、もっと大きな何かだろうと思い、
「タントラ」というタイトルを付けました。

自分が何をしたいか
描く毎にだんだんはっきりしてくる
自分なりの曼荼羅世界を描いてみたいのだと思います。


「タントラ」は、現在お求めくださった方の所へ
旅立つのを待つばかりとなっています。


ストレスあれこれ

2016年03月15日 08時52分23秒 | 日記


都会でも早咲きの桜がちらほら。

もう少し暖かくなってくれないでしょうか。

ところで
先日、健診の話をしましたが
後日検査結果が届き、
腫瘍マーカーというのが2項目上がっておりました。
そんなわけで、来週CTというのを初めて受けます。

結果を見たとき、がくがくして目が回りました。

翌日すぐに、かかりつけの総合病院に行く。
「そんなに高くはないがCTで一応診てみましょうか」といわれて
何となく抵抗を示してしまった。

「被爆するんですよね」

「しますよ」

「どうしよう…」

ーしばし沈黙ー

「…ここに来たからには、一応受けて安心した方がいいんじゃないですか?
CTでいちいち白血病になってたら、日本人全員白血病になりますよ・笑」

まぁそうですよね。
何か見つかりそうで怖かったんです。

腫瘍マーカーは人間ドックに無料でついていた。
無料なので何となくやっちゃったのがいけなかった。
人間ドックで何か見つかれば、その後やれば良かったのだ。

でも出ちゃったものは仕方がないので、
自分は癌かもしれない、という疑いを持って毎日過ごしてみよう
身体をいたわって無理をせず…
といってもそんなこと、人人の怒濤の中ではすぐ忘れちゃう。

見直すべきは食生活です。

おなか一杯で食欲がなくても、
機関銃トークのF氏(という知人)と話すだけで
頭に血が上ってがんがん食べたくなるので、完全にストレスです。

ストレスが食に向かうので
そのストレスを緩める「何か」を探さなくてはなりません。
変えていこうと思います。

現在、地味にこんなブログを調査中です。
http://ameblo.jp/d-s-p/entry-12089675056.html



大変ありがとうございました。

2016年03月11日 09時21分05秒 | EXHIBITION


人人展の看板

数字の部分は切り貼りで
そうとう年季が入っています。

新しく替えようという意見があがっており
この看板も今年で最後かもしれません。

確かに、
お客さまが受付で、びっくりするほど汚いっちゃあ汚いんだけど
味と言えば味であるわけで
なんとも名残惜しい気もします。

今年の特陳「連続する在野」のブース(左から山下菊二、斎藤真一、大島哲以、佐久間桂一郎)


特陳のブースより(左から佐藤多持、平賀敬、星野眞吾)


松三郎追悼展



生きている作家のブースより、小野なな(手前左の立体)・大野泰雄(正面)・亀井三千代(右壁面)


今年の6日間の入場者数は、5日目に既に昨年の総入場者数を突破
沢山のお客さまにご覧いただきました。
本当にありがとうございました。

沢山のお客さまから、難しいであろう展覧会の感想を
言葉を尽くして語っていただきました。
中にいると言葉が見つからないことも有り
大変な収穫であったと思います。

人人展の作家は、内的な衝動に駆られて制作する作家が多く
そのため自己への強いこだわりが作品化しているように思いますが
一同に展示を展開することによって
お客さまの視点や言葉を借りて相対化し
内的にも外的にも成熟・継続させていただいている、
そんなふうに感じました。

お越しいただいた方々、大変ありがとうございました。
会場にいらしてもあまりお話しできなかった方、
またいつか感想などお聞かせ頂けたら有難いです。
今後もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


始まっております。

2016年03月05日 22時22分59秒 | EXHIBITION


第40回人人展、亀井三千代展示風景より

残りあと2日となりました。
かなり疲れてしょぼしょぼしてきましたが
沢山のお客さまにお越しいただき、嬉しいです。


上野では、桜がちらほら咲き始めました。

初日のギャラリートークも
今までのなかでは一番良かったです。

(写真左から大野俊治、藤田一人、人人会会長郡司宏)

ゲストには美術ジャーナリストの藤田一人氏をお迎えし、
人人の会員で元豊橋市美術博物館・学芸員の大野俊治氏と二人で進行しました。
前半は人人会創立メンバーの略歴と創立当時の話しを、
後半は現在の出展者に「何故人人に参加しているのか」という質問を軸に展開。

参加している出展者にとっても大変良い、勉強になるギャラリートークでした。

「何故人人会に居るのか」

「好きだからです❤」

そう、押さえつける人も、足をひっぱる人もいない。
自由にやれと背中を押してくれる会だから
私はここで育っているという実感があります。

第40回人人展

会期:2016.3月2日(水)~8日(火)
時間:9:30~17:30 入場17:00
会場:東京都美術館・2階第4展示室(上野公園内)
入場料:一般500円・学生300円
※7日(月)休館 最終日は14:00入場15:00ま
URL:http://hitohitokai.org/