Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

弥彦神社へ

2016年10月26日 08時46分38秒 | 旅行


訳あって新潟県、弥彦村、弥彦神社を訪ねました。

展覧会のことは気になっていましたが
めったにない旅のチャンスですので
同行することにいたしました。

なんでも結構なパワースポットだそうです。
神社めぐりの趣味はありませんでしたが、
人人会の作家さんには、日本の土俗的な信仰や神さまに興味を持つ人が多く、
話を聞いているうちに
私の中でも何かに、目覚めたのかもしれません。
この歳になって ”神社萌え” …

さて、弥彦神社 のご祭神は天香山命(あめのかごやまのみこと)
この方は天照大神の御曾孫で
漁業、製塩、農耕、酒造等越後の産業文化の礎を築いたのだそうです。

建築には詳しくはありませんが、
この神社の形式が古くから存在し
日本の至る所にあることには、ただなるぬもの を感じずにはいられませんね。

毎朝早朝、神様に供物を捧げる「御日供祭(おにくさい)」というのがあり、
それに参加することにいたしました。


早朝のお社。門の奥、何やら中が光ってます。


近づきます。門の中に弥彦様
このフレームの内側に私のイメージするタントラがありました。

↓ね!

亀井三千代「タントラ」P8 2016

神様と密教を一緒にしたらバチがあたるでしょうか…
でも八百万ということで許していただきたい。


御日供祭のあと、「福米」をいただきました。
お米に混ぜて炊くと良い、とのこと。
これは、これから大きな試練に立ち向かう友人に、差し上げようと思います。

弥彦神社の御朱印

かっこいいです(^-^)/

その日の午後、ご神体であります弥彦山に登り夕暮れの日本海を望む。

鳥のようなものが天へ昇る雲のかたち??

旅を振り返り、大事なことをお願いするのを忘れていました!!(@_@;)
「神様!絵が売れますように~m(__)m」






始まりました。anamnēsis,anamnēsis…

2016年10月19日 10時17分27秒 | EXHIBITION

『アナムネシスの光芒へ-幻視者の蒐集匣-』始まりました。


人人会創立メンバー故大島哲以作品出ています!!

↓ 亀井三千代作品(右『声』、左上『春』下『頭部』

私の作品は、掛け軸とその左隣りの上下2点です。 
掛け軸『声』は昨年準大賞をいただいた作品
画廊での展示は初めて。

版画家5人に加えて鉛筆、油絵、アクリル、日本画、
全9人の作家が出展しています。

尊敬する大御所作家、実力のある若手作家に挟まれて
良い刺激を受け、これからの制作に生かしていかなくてはなりません。

出版記念パーティ(2016.10.15)
著者の相馬俊樹氏スピーチ(不忍画廊撮影、FB公開画像より)




集合写真(不忍画廊撮影、FB公開画像より)

ご来場いただいた大切なお客さまと共に。
後方から(以下敬称略)、
お世話になっているポルトリブレ平井勝正、
人人会の郡司宏、古茂田杏子、渡辺つぶら、
本を出版して下さった芸術新聞社編集者の方々、

前列右から若手版画家 箕輪千絵子、著者 相馬俊樹、亀井三千代(ずうずうしい位置ですみません。
2列目右から尊敬するレジェンド4名、山本じん、多賀新、建石修志、瀬戸照
3列目多賀新の後に若手版画家 二階武宏、瀬戸照の後に若手版画家 池田俊彦

敬愛するレジェンド4名のうち多賀さんは以外は初めてお目にかかりました。

紳士で謙虚、誇り高くお洒落でかっこいい。
何故か全員気さくだし、お話しもめちゃくちゃ面白かったです。
私など足元にも及びませんが、
心の片隅では「このように在りたい」という…これはもしや ”憧れ” でしょうか?

(憧れ??男性作家に憧れ?(@_@;))
人に憧れを抱かせるって凄い!!

この展覧会に出展させていただいたことを、心から光栄に思います。
なによりこの縁を下さった相馬さんに感謝いたします。

これから約3週間の長丁場、11月5日(土)まで
皆様是非ともお越し下さいますよう
宜しくお願いいたします(サイン本も売っています)。
★『アナムネシスの光芒へ-幻視者の蒐集匣-』展ー不忍画廊

展示風景 右より山本じん、建石修志、大島哲以



人人大先輩、成田朱希作品


マサミ・テラオカとは何者か?? @ 『アナムネシスの光芒へ』

2016年10月11日 09時28分11秒 | EXHIBITION


マサミ・テラオカ『Night vision inquisition』1997 /  相馬俊樹『アナムネシスの光芒へ』p206-207より

「陰湿極まる淫欲に彩られた、禍々しき中性の宗教(魔女)裁判の悪夢が蘇る。」
相馬俊樹『アナムネシスの光芒へ』p208より

マサミ・テラオカの作品は一度だけ観たことがある。
先日相馬さんに、そのことを話した。

実は7年前、香港クリスティーズのオークションを観に行った時
展示会場にこの人の作品があった。
祭壇画の形式で、南蛮美術のような雰囲気
当然会場内では異彩を放ち、周囲をなぎ倒していた。

これ、ここにあっていいのかぁ…と言う感じ。
作家名が日本人だったが全然聞いたことがなくて
「なんじゃこりゃ??(@_@;)」
凄いものが発見されたなぁ、と思っていたが
ご存命だったことをこの本で知った。

クリスティーズ図録『ASIAN CONTEMPORARY ART & CHINESE 20TH CENTURY ART』29 November 2009 , p110-111より
MASAMI TERAOKA 『THE CLOISTERS/ VENUS AND POPE'S WORKOUT』 2004-2006

「そう、アメリカでは草間彌生級に有名なのに日本では全然知られてない」
と、相馬さん。
だからこの機会に是非とも紹介したいと思ったのだと言う。

テラオカは20才でニューヨークに渡り、そのまま帰国しなかった。
現在はハワイで制作活動をしているめちゃくちゃパワフルな90代だそうだ。

マサミ・テラオカ『The cloisters last supper-Madonnna and Gsisha Pieta #5』 
相馬俊樹『アナムネシスの光芒へ』p219より


すでにメジャーなものに乗っかるのではなく、
まだ知られていないものを発掘するという
相馬さんの気概がこの本を希なものしていると思います。


*「寺岡政美」ありました。ーウィキペディアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BA%E5%B2%A1%E6%94%BF%E7%BE%8E







本書は下記展覧会でも販売されます。
「アナムネシスの光芒へ-幻視者の蒐集匣-」展 @不忍画廊
会期:10/14(金)-11/5(土) 日祝休廊 11:00-18:30

【壱ノ匣】『アナムネシス…』 掲載の9作家・原画等によるメイン展示
多賀新/建石修志/山本じん/成田朱希/亀井三千代/池田俊彦/二階武宏/箕輪千絵子/藤田典子
(マサミ・テラオカの作品はありません、残念ながら…)

【弐ノ匣】 幻視者の蒐集匣=ヴィジョネール・コレクション
池田満寿夫/中村宏/門坂流/渡辺千尋/柄澤齊/日和崎尊夫/坂東壮一/城景都/金子国義/古沢岩美/横尾龍彦/
石野守一/Jマーチン/Hヤンセン/Pモリニエ/春画/大野一雄写真/希少本/稀オブジェ…他

【参ノ匣】 ウィーン幻想派に学んだ巨匠・大島哲以(1926~99)の世界





宣伝ばかりになってしまって何なのですが、

本の方はマジに見応えがあります。
是非お越しいただき、原画も本もじっくりとご覧いただけましたら幸いです。
何卒宜しくお願い申し上げます。



相馬俊樹著 『アナムネシスの光芒へー幻景綺論』
芸術新聞社刊、B5変型判 上製 228頁(カラー/モノ)
★3,500円+税


残雪 / Can xue を読む

2016年10月06日 07時25分27秒 | 日記


中国文学を読む。
短編集『かつて描かれたことのない境地』
著者は残雪、日本語でそんまんまザンセツと呼ぶらしいが、
本の表紙にはCan xue (ツァンシュェ)とあった。

感覚の大海をゆったりと泳ぐような
そんな物語の数々だった。

私がこの人の作品に惹かれるのはただ一つの理由から。

殻の外へ解き放たれた人々の世界、
その無限には誰のものでもない哀しみと喜びが滲んでいた。
それは ”死” かもしれない。

人間は人間中心でなくなった瞬間にもっと大きなものと一体になれる。
でもそこに至るには恐れを突き抜けなければならない。
毒のような色で描かれた恐怖
でも、それが死であるならば、私たちは皆必ずくぐり抜けなくてはならないのだ。
その残酷さと優しさに耐えきれず
電車の中で涙ぐんだ。

(コトバンクでは、「…ひたすら怪奇なイメージを繰り返し陳列する,精神分裂症的世界を描いている。 」などとあるが
私はそんなふうには思いません。いや全く違う、そうじゃない。)






この本を紹介してくれたのは、
自由美術協会 の 石田貞雄先生。

残雪を翻訳していた故・近藤直子さんが知り合いだったらしい。

石田先生はいつも青色の素晴らしい抽象画を描く。
なのに、昨年は珍しくピンク色だった。
垂直に流れるような、近づくと薄塗りで柔らかく、少し生々しかった。
「いつもとちょっと違いますね」と言ったら

「自分が病気になった時、天井に向かって血を吹き上げるような
そんな気持ちになった。近藤さんも同じだったかもしれない。
これは追悼の絵なんです」
と答えてくれた。

あのピンクは先生の血だったんですね

*残雪

須田悦弘「ユリ」 東京都美術館「木々との対話」展より