Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

シモン・パシエカ展へ

2012年10月30日 09時33分12秒 | EXHIBITION

lehm,2011
カスヤの森美術館* 「シモン・パシエカSimon Psieka 展」に行く。

友人から展覧会情報をいただいたのは9月。
自分のグループ展があり、
なかなか見に行く機会が作れなかった。

終了間近(~11月4日)、
やっとかなう。
tumulus,2012
素材は洋紙に墨汁を使っている。
墨の色は柔らかく
何となく、黄金色をイメージさせられる。
かたち同士が侵食し、繋がり合い、
夢とも現実ともつかないような、
昼とも夜ともつかないような
神秘的な絵画世界。

無邪気な若者がモチーフ、
でも同時に闇の予感も秘めて見える…

油彩作品もあるが、
こちらの方が墨よりも断定的に見えた。
モノクロってなんて自由なんだろう。

自分を振り返る。
通常、墨で描き始めて
途中からどうしても色を使いたくなるのだが
どうしてかな

単なる習慣なら、今一度、じっくり見直してみたい。

schlaf,2012
作家はパリに住むドイツ人
奥さんは日本人
混ざりあう文化。
それは特別なことではない。

帰り、工業地帯を通る。
市松模様のでかいドラム缶がすぐ側を
通り過ぎた。
その唐突さが夢のようだった。

* http://www.museum-haus-kasuya.com/index00.htm


大師公園

2012年10月21日 10時46分56秒 | 日記


連日大師公園に出没。
必ず寄ってくるネコがいる。
私のパレットの上をどうどうと歩いて
すぐ側で昼寝をする
ふてぶてしい可愛らしさ。

実は
公園のスケッチにはまっている。

次の展覧会は来年3月。

その制作に入る前に
いろいろ描きたい。

風景は好き。

手に負えないほど、どでかくて好きだ。


お気に入りの場所。

赤い遊具は舟。
その隣に細長い山と円形の砂場。
山は滑り台みたいに遊ぶことができる。
思うにここは海なのだ。

この細長い山はおそらく波。
砂場は水紋?

そしてもう一カ所

ここにもお魚のかたちの遊具があった。

ふと思い出した。

川崎の下の方、
河口近くのここは昔海だった。

川崎大師建立のいわれは
漁師が海の中から弘法大師の像を引き上げたことから始まる。

今では埋め立てられ
また河口付近も思いっきり工場地帯になってしまっているが
海を模した公園に
土地の由来が残されている。

スケッチをしなければ気がつかなかった。

だってそんなにじっくり見ることないから






川崎大師*¹ では
厄除け祈願の人がいようがいまいが
1日何回か護摩*² を焚く。

ふらっと立ち寄ったとき
たまたま護摩焚きをしていると
勝手に本堂にあがりこんでお参りをさせてもらう。

パチパチと燃え上がる炎
力強い太鼓のリズムとお経…
真言密教の曼荼羅が奥に飾ってある。
それを見るのも楽しみの一つ。

ここに越してきて5年。
大好きな町に住めて幸せです。



*1 http://e-daishi.net/
*2 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AD%B7%E6%91%A9


安達太良山へ

2012年10月17日 15時39分24秒 | 旅行


福島応援を兼ねて
安達太良山に登る。


登山、久しぶり

リタイアせずに登ることができるのか
自分の体力が不安だった。

それでも
登り始めると
頭の中が真っ白になり
無心
快感!!






途中、不思議な石を見つける。

というか、山に入ると
不思議な植物、見たこともない形のオンパレードだ。

だから、本当は
それらをよく見て楽しみながら
じっくり、ゆっくり登るのが良いのだろうが

つらくなると
ついつい足下ばかりを見てしまう…

地上でも同じ事をしてるかな。。。


1日目、くろがね小屋* に到着

ここはランプの小屋、温泉付だ。

紅葉を見ながら湯につかる
極楽!!

身体が生き返ります。


温泉から出たら、部屋でストレッチ
これをしないと翌日が大変。


夕暮れ、小屋から見た山々
大気が黄金色に

すべてが澄んでいて
神々しい。

そして…

夜は定番のカレー。

最近は、凝ったメニューの小屋もあるらしいが、
私は、山小屋の夕食はカレーで十分だと思う。
素朴ですが、懐かしいんですよね。

翌日ゆっくり出発。
いざ山頂へ。

山ガールのブームで
おしゃれなファッションのお姉さんたちを沢山見た。
私もどうにかしたい
どうにかして!!




道迷い

途中2度ほど道に迷う。

迷うとき、何か考え事をしていた。
地上のことをうっかり思い出して
そのくだらない雑念にとらわれて、勘が鈍るのだ。

「あれ?おかしいな」という瞬間はあった。
あったけど、
「いやいやこれでいいはずだ」とそれを打ち消す。

間違っている、そのさなかに
「自分は間違っている」と冷静に気づき
修正するのは難しい。
だから仲間が必要なのだ。


引き返してよくよく見れば、
それが登山道でないのは一目瞭然だった。

雑念は捨てよ
友を持て!



そして山頂へ…

安達太良山 山頂。
風が強くて寒い。
後ろに見えるのが通称「乳首山」
これを「ちちくびやま」と呼ぶらしい。

近くのおじさんたちが
「おお、ちちくびやまだ、ちちくびやまだ」と
さかんに言っていたが、
わざと言ってるようにしか聞こえない(笑)…


楽しい旅でした
学ぶことも沢山

また行きたいです。

* http://www.tif.ne.jp/soumu/kurogane.htm


バネの美学

2012年10月12日 07時12分31秒 | 日記


友人のはからいで
バネ工場の見学に行く。

無邪気に遊びに行く、そのつもりだった。

とんでもなかった!


こんなに何種類ものバネがあるなんて!

なんとも表現できない
あまりにも繊細なカーブ

そのかたちに触れる。
力を加えて変形させたり…
私の指を押し戻そうとする
バネからの力が心地よい。

想像でつくるのではなくて
機械の一部として
ある「力」のために必要なかたち。

うまく言えないけど、
ものすごく美しい。

(ヒトの身体の一部のよう)

そして工場へ…

見たこともない機械が並ぶ。

レトロなデザイン
大興奮だ。


かつて
手作業で一個ずづバネを作るための

道具たち。
道具も手作り。

バネを手で作るだけでも凄いのに
道具から作るなんて…

絵描きなら
「筆から作る」
感じでしょうか…


さてその一方で

こちらは、最新型
(プレデター* の顔みたいだ!)

バネを大量生産するためのマシーン
デザインが全く違う。

これ全体がむにょむにょ動くらしい。

想像するだけで
内蔵がむずむずしてくる。
なんてエロティックなんだろう…

私の「何か」が目覚めてしまいそうだ。

  

見学させてくださった職人の方、
心より感謝申し上げます。
(@ 葛飾、四つ木)


 Predator(1987)

http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD12725/index.html


ART COLOURS @ パークホテル東京

2012年10月07日 19時56分24秒 | EXHIBITION


秋の薔薇はとても美しい。

この薔薇も、育て始めて9年目に突入です。
モチーフとしても大活躍していただきました。

これからも、大切に育てていきます。



ところで
春には、私も参加させていただいた
パークホテル東京のロビー展
「Art Colours」 のホームページができたそうなので
お知らせ申し上げます。

http://www.parkhoteltokyo.com/artcolours/exhibition_vol1.html

私はVol.1の「春色の墨」展でした。

その後、夏の「涼味」展、秋の「月のカホリ」展(現在開催中)
男性作家のシリーズが続いております。


男性世界、その結界の向こうには
女性がおいそれとは立ち入れないような
禁欲的な世界がある、と感じる…

…と感じてしまうのは、
「春色の墨」の時の
少し退廃的で、しようもなく色っぽいムードは
やはり男女混合展だったからか…



現在開催中の「月のカホリ」も
どうぞよろしくお願い申し上げます。



2012年10月01日 08時15分45秒 | 日記


もうずいぶん前になるが、
東京外語大にアート系のレクチャーを聴きに行ったことがある。

美術家の松浦寿夫*¹ さんが
時々おもしろいシンポジウム*² を開催しているのだ。

そんなわけでその日も
府中キャンパスに向かう。

西部多摩川線の「多磨」という駅で降りた。
「多磨」…?
ま?

摩とか磨とか魔とか麿(まろ)とか…

変な気分になってくる

初めての街。

大学周辺は、でかい更地があったりして
閑散としていた。

大学の中は
緑と建物がほどよく配置、デザインされた
ニュータウンみたい。

大学とか病院とか
複雑な建物の探索をするのは大好きだ。
潜り込む感じで


大学に向かう途中
抜け殻から出たばかりのセミを見つけた。

白くてきれいだ。

子どもの頃、
まだ殻から出ていないセミを
無理やり出そうとして殺してしまったことがある。

茶色い殻の隙間から見えた
真珠色の身体はとても美しかった。

その時は、死んでしまうとは思わなかったのだ。
美しいものを 早く見たかっただけ

その時のショックを思い出す。


シンポジウムが終わって
帰りにもう一度。


変色の途中
全部が茶色くなったら
きっと飛び立つ

今はもう いたずらはしない
そっと見守るだけ。

見守る愛情があるってことを知ったのは
いつからかな


*1 http://100.yahoo.co.jp/detail/%E6%9D%BE%E6%B5%A6%E5%AF%BF%E5%A4%AB/
*2 http://www.arttrace.org/event/walls_and_songs.htm