Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

美術の窓5月号(人人展レビュー)と F・ベーコン

2015年04月20日 10時01分46秒 | 日記



美術の窓 2015年5月号「公募展だより」というコーナーに
今年3月に開催された第39回人人展のレビューが出た。

会としても、個人としても大変有難いことです。


作品をきちっと観て下さっているのがわかる。
少なくとも私に関しては、作品に対して意識している部分を
全てきっちり読み取ってくれている。
いやそれ以上に、「切ないようなイメージ」という読み取りは初めてのことであり
そこまで観てくれたんだという感動、感謝の気持ちがわいた。

ただ、この作品の写真を載せるのに躊躇はなかったか、と考えはしたが。





3月の展覧会の後、むちゃくちゃ疲れて未だ立ち直れずにいたら
電車の中吊り広告がばーんと目に飛び込んできた。
近美の広告がベーコン* だ。

制作に行き詰まったとき、以前はよくベーコンの画集を見直したり、
近美に観に行ったりしていたが
そんなことさえ忘れていた。

そのまま電車のなかでベーコンのことを考えた。
私はあんなに素晴らしい「新しい秩序」を描くことはできないが
少なくとも、ベーコンが言っている
「神経組織に訴える絵」のことは理解できるし、また
受け継いでいきたいんだろう?と自分に問う。
だから、イラストはもう描かないと決めた。

私は単純なので
雑誌「美術の窓」の展評と
中吊りのベーコンの絵と
その二つの偶然で、この不調から脱することができそうだ。





ところで
人人展は北海道を巡回します。



黒いハガキって初めて。

ぱっと見「追悼展」って見えちゃって、ええ?!誰の?って(笑)

北海道までは行けませんが
朗報を期待します。





*ところで、近美の広告だと思った展覧会が
ネットで検索しても出てこない。
たしか「ピカソ◯◯」みたいな展覧会タイトルだったと思う。
これは実は東京ステーションギャラリーの広告だったのではないか??

ピカソと20世紀美術
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/

見に行きたいと思います。


待つ。

2015年04月17日 07時43分10秒 | 日記



セザンヌ「大きな花束」

FBに友人が投稿してくれたセザンヌ
こんな美しい絵がこの世に存在するなんて。

私はいたくコスモス(宇宙)を感じてしまう
それは不完全な者が夢見るコスモスかもしれないが。

そしてベランダではブルーベリーの花が満開だ。





だれに見せるでもなく制作を続けているが

とても切れが悪くて落ち込む

でも同時に、力でやりこめてはダメだと知恵が抑制する。

自然に開かれるのを待つ

何かによって開くから
そしてその「何か」は、きっと知ることはできないのだ。


絵を描くとは、自然に開く
ただひたすらにその時を待つ方法なのかもしれない。



*以前、解剖学の恩師に「待て そして期待せよ」とよく言われた。
今でもどんどん描きたい気持ちを抑えながら、
乾くのを待たなくてはならない時に、この言葉を心の中でつぶやく。
そもそも期待がなかったら待つこともないのだ。
ところで、恩師の口癖のようなこの言葉は
「モンテクリスト伯」の最後の言葉で
邦訳だと「待て、しかして希望せよ」が原型だと思う。
「期待」と「希望」が違う。
私にとっては「期待」の方が、現実感があっていい。
「何か」がもうすぐそこまで訪れているように思えるから。
だけどその「何か」は距離ではない。
常にすぐ側に、隣りに、同時に並行して在る「何か」であって
ふとした瞬間に現れるのだ。


パートナーを探せ2

2015年04月07日 10時06分56秒 | 日記


NHK白熱教室*1 という番組で
先日「リーダーシップ白熱教室」というのをやっていた。

ちゃんと聞いていなかったが
やりたいことを実現するための3カ条、みたいなことを言っていた。

そのトップが
「異業種の協力者を得る」だった。
利害の及ばない関係で協力してくれる人、だそうで
確かにそれはそうだよね、って思った。
2番目と3番目は…忘れちゃった(笑)
でも確か「ホニャララな協力者を得る」だったと思う。

どんな人と繋がるかは、とても大切なのだ。

と、ふと
私と繋がりたいと思ってくれる人、いるのかしら?と思う。

しかも異業種で私と繋がりたい人…

今はピンとこないけど
私を頼ってくれる人は大切にしよう。

でもそんな時、自己評価が低いと人の役にも立てないな。

私も協力者は必要なはずだが
「異業種」という点には着目していなかった。
どうしても美術関係者に偏ってしまう。
美術以外のジャンルに対してフットワークが軽くない。
もっと積極的に他ジャンルに対して興味を持つべきか…
そんな時自己評価が低いと、やはりそれが足を引っ張りますね。

「私の絵は万人に受け入れられない」
なんていじけてる場合ではない。

昨年の年末に
とある大先輩の作家さんから
「二人展をやりたくなるような、わくわくするような相手は必死で探せ」
というすごい言葉をいただいた。

今、またむくむくとその言葉がよみがえる。

まだ見つからない

この場合は利害を共にすることになってしまうけど
私はパートナーを大切にしますよ(笑)
ああこの先、私はどんな人と出会うんだろう!!

誰かが待っていると考えるだけで
なんだかわくわくしてきました。
単純ですね(^_^;


写真はNTT関東病院*2 の庭園より

食堂のテラスは
素敵な
お庭に続いています。


ここでフォンダンショコラをいただきました。

温かいデザートで
サクッとスプーンを入れると中からデロっとチョコレートが。
そのサクッ、デロっがいいんです。
甘すぎず、とても美味しい!!

お庭からは桜がきれいに見えました。
完全に穴場でしょう?

おすすめです。

*1 NHK白熱教室 http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/
*2 NTT関東病院 http://www.ntt-east.co.jp/kmc/


チェコ料理と未来の話し 2

2015年04月01日 07時57分15秒 | 日記

→前回の続き

書家の小川移山先生のご自宅に伺う。

ご自宅にはチェコ人の夫婦がいらしていて
チェコ料理を振るまってくれた。
10人ほどで料理をいただき、飲み、話しもはずむ。



 
写真が悪いけれども

これ蒸しパンだそうで
それが肉と野菜と一緒にホワイトソースで煮込んである。
蒸しパンを例えるなら水団みたいな噛みごたえ。
だけどスポンジ状なのでスープが中まで染みこんで美味しい!
初めての食感に感激しました。

それと、大好きなヤギのチーズと
酸味のある素朴な黒パン。





NASA* で働いていたというご主人は
アメリカで地質学の研究をしたあと、
火星の地質の研究に加わった。
人類、地球生物の祖先は火星からきたのではないかと
本気で仮説をたてているのだそうだ。

また、そのご主人は

死んだら自分の脳を凍結させて
何百年後かの研究に役立てたいのだという。

そのころには、
凍結された脳から
人が創れるはずだから
その研究のためなら、自分の身体をどう使われてもかまわないのだそうだ。

現在はチェコに戻り、
老いを病と考えて、
死なない身体を研究するような学会(?)にも属しているそうで
あり得ない話しなのだが
夢は(あり得ないようなことでも)持ち続ける方が良いのだと
そしてまた、何をやるにも遅くはないと
静かに語ってくれました。

それはとても励ましになるけれども
話しが未来すぎる!!

内容がぶっとんでいて「SFかい」
と内心つっこみを入れていたが

彼にとったら私は無知で時代遅れも甚だしいのかもしれません!

何百年も先を普通に生きている
スケールのデカい夜でした。


志木の菜の花畑

*NASA http://www.nasa.gov/

See Explanation.  Clicking on the picture will download   the highest resolution version available.
 http://apod.nasa.gov/apod/astropix.html