Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

チェコ料理と未来の話し 1

2015年03月30日 09時46分12秒 | 日記


先週は
全く疎遠になっていた人達に会う、という1週間だった。

たまたま、そういう出会いの期間だったみたい。

体調は最悪だったが、
熱が出なかったので断る理由にもならず

出会いを優先しました。
でも結果良い一週間でした。





整形外科の先生より依頼を受け
まずは医科歯科大へ。

久しぶりに標本と向き合いスケッチ。
以前の勘が少し戻ってきて
何だか楽しくなってしまう。
やっぱり好きなんじゃん、って自分に言ったりして(笑)

頭のいい人もいろいろだが、
これを聞き取れる自分は凄い、ってほどの
めちゃくちゃ早口な説明を受ける。
合理的にものを考えるって素晴らしい!
私の鈍くなった頭も、少し動かしていただきました。

昼は、G先生の手料理をご馳走になる。
小豆と玄米のご飯と、巨大な がんもどき。
小豆と玄米はやってみようと思います。美味しかった~(^_^)





週のなか日は
漆職人である古い友人の作品を観る機会に恵まれた。
5~6年ぶりの再会

「亀井さんですか?」

と後から声をかけられ振り返ると漆職人。
私よりずっと年下で、20代半ばの頃から知っていたのですが
えらく大人になったなぁ…

何だか照れくさかったが
話すと、やんちゃ坊主 (失礼m(__)m) な感じが全く変わらずほっとした。

以前いただいたペアのぐい呑みを
春妃に中国へ持たせてしまったので
新しいぐい呑みを買うことにした。



「この亀マークを入れて欲しい」

そんな指令を出してみたけど
どうなることやら…





週末には
所沢にある書道家の先生のご自宅を訪ねた。

小川移山先生とは知り合って10年弱。
亡くなった日本画家、田中芳* さんを通じて知り合った。
田中さんは本当に不思議な人だった。

亡くなってなお、私たちと関係し、
時に揺さぶりをかけてくる。
死は、
この世から身体が消えるという意味では

大きな喪失だけれど
身体が消えても精神が、まだ生きている人にちゃんと働きかけてくる。

寿命以上の永さを獲得
人の人生は何て永きにわたるんだろう。

その日はチェコ人のご夫婦がみえていて
チェコ料理をご馳走になった。  →続く





* 田中芳 (
1959-2013)
http://www.hikarie8.com/cube/2013/01/post-10.shtml


友人ら帰国、そして体調不良

2015年03月22日 15時42分27秒 | 日記


春妃は、こんな作品を残してくれた。

なんだか不思議な油絵だなぁ。。

春妃と共に来日し、ずっと通訳をしてくれていた友人も
先ほど上海に戻っていった。
通訳も大変だったと思う。
通訳が本職でもない自分が、
もし10日間外国人にぴったり張り付くことを考えたら
ぞっとする。
この人のおかげで私は随分と助けられました。


他人の滞在というのは、お互いに気疲れがあるが
でもいなくなったら少し寂しい

どんだけマゾなんだか…


昨日から のどの痛み、少し寒気があって
恒例の展覧会後体調不良(症候群、と言いたい)
が始まりそうな予感がする。

本当はお礼もかねて
訪ねたい画廊もあるが、今は無理

食事も激辛ものばかり作ってしまう。
しかも、食欲が止まらない
これはストレスのサイン。

そのうちきっと酷くなる
酷くなる前に寝よう。

展覧会をいつも観に来てくれて
直感の効いた鋭いアドバイスをしてくれる友人から
チョコレートをいただいた。
マックスブレナー* 
素朴な口当たりで、美味しい
味がはっきりしていて

媚びてないところがいいです。

イスラエルのチョコレート・チェーンのようで
店内で食べるには行列だとか。

デザインもかわいい(^_^)


いつの間にか すっかり春
壊れる前に少し休みます
お休みなさい。


*マックスブレナー http://maxbrenner.co.jp/


ガブリエル・オロスコ展で息をする

2015年03月20日 07時59分11秒 | 日記


「人人展」から「座の会」と
ほぼ3週間にわたる展覧会は無事に終了した。

私、疲れてると思うのだけど
まだそんなにこたえてない。

そのうちガクッとくるのかしら…

展覧会の最中
ぽかぽかと天気の良い日に
友人と3人で東京都現代美術館で開催中の
ガブリエル・オロスコ展* を見に行った。
友人が写真を撮ってくれていた。
(第3室、ベンチレーター/インナー・カット-弧を描く より)

空間の中、まるで無防備に作品を見つめる自分をこの写真で知った。
天井でくるくる回る不思議な作品に気を取られて
ただただ見つめていた。

自分にとって、このぽっかりとした時間は、実はとても望んでいた時間で
「充足」を感じたのだけど
それはこの写真によって
あとから知ったことかもしれない。

*写真を見ることで、2度体験したと思います。
空間の中を実際歩いた体験と
写真によって外から見た体験と。
時間差があるのに、私には一つの記憶になっている。
それは内と外が繋がる体験のよう。
写真はデザイナーの西尾順さん。さすがです!





そして次の部屋にはピンポン台があった。

ガブリエル・オロスコ「ピン=ポンド・テーブル」1998年

このピンポン台は真上から見るとこんな形
要するに4人で遊べるようにできている。

真ん中には池があって
そこに落ちたらアウト。
私、絵描きの友人、知らないカップルの4人で
遊んだ。

楽しかった

こんなふうに笑って遊ぶ時間がほしかったんです。

今は絵描きのくせに、
中学時代テニス部だったというその友人に

「私と同じくらい卓球が下手だ」と言ったら
「合わせてやったんぢゃないか」と怒られた(笑)

私は絵が暗いので
こんなふうに人を楽しくするようなアートに憧れる。
直接的に問題をつきつけない
他者と共に参加して楽しむ時間を作り出す
なんて
私にだってできるんじゃん!





FBでは
別の友人がこんな映画の存在を教えてくれた。

「ザ・トライブ」 http://thetribe.jp/
全編手話でできた映画。
台詞はないけど、彼らの息づかいが声のよう。



*東京都現代美術館 「ガブリエル・オロスコ展-内なる複数のサイクル」 是非!!
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/gabrielorozco.html


座の会 小品展

2015年03月17日 09時21分01秒 | EXHIBITION


現在、京橋の画廊 四季彩舎* で
グループ「座の会」小品展が開催中です。
写真は亀井作品「ユニコーン」墨・胡粉・膠・和紙 

10×10cmの小品はこのような展示になりました。


展示風景



途中、疲れが出まして
在廊できない日がありました。

で、在廊していないときに限って
人がいらっしゃる…

これ、なんでしょうね

気を抜くな、ということでしょうか。


亀井作品「思春」墨・岩絵の具・膠・和紙

今回は一人2点の出展で
私はネコと馬の解剖図をモチーフに小品を描いた。

春、萌えの季節
彼らの顔から「気」が出でて
それが突起になった。

生き物の輪郭、範囲は不定形でウゴメき、
そのものの「気」によってモヤモヤとし
いつか目に見えている以上のスケールとなって

そんなふうに薄く広がって
生きているうちにも

私たちは空(くう)にとけてしまうのかもしない。

そんな妄想

あと2日です。
3時以降、できる限り在廊いたします。
お待ちしております。

*四季彩舎 http://www.shikisaisha.com/


ありがとうございました。

2015年03月13日 09時20分39秒 | EXHIBITION


第39回人人展、無事終了いたしました。

今回も沢山の方にご来場いただき、感謝申し上げます。
怒濤の6日間
会期をもっと延ばしたいという意見もありますが
これ以上長かったら、私死にますよ。


本当に無事に終わって良かった~

展示以外にも
中国人作家をステイさせていて
彼女に何かあったらいけないと、気を揉む毎日でありました。。。

外国人を受け入れるのは初体験
とても良い経験になりました。
なりましたが、


「良い経験」というのは、ただ楽しいだけではなく
摩擦を伴うもので、
それが今、
大きな疲れとなって押し寄せています(笑)


我が家で料理を作る春妃(チュンフェイ)

屈託がなく、素朴でかわいかったです。
基本、通訳をしてくれる友人が常についていましたが
簡単な中国語を教わり

身振り手振りで何とか意思を伝え合うこともできました。

彼女はかなりディープな仏教徒で
作品も仏教世界を描いています。

「始まりと終息の地」 陈 春妃(chen chunfei) 木板 水彩 22×110cm

この作品は人人展の北海道巡回展に加わることになりました。

彼女が帰国して3日経ちます。
羽田から見送ったその日は、あまりの脱力感に
帰りの京急線で隣の人に頭突きをくりかえす爆睡状態でしたが
今となっては、何となく寂しいです。


また会いたいです。(羽田にて)