Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

アートコレクターズ6月号誌上頒布、始まりました。

2020年05月28日 11時01分17秒 | 日記

アートコレクターズ6月号誌上頒布特集に作品3点が掲載されています。

そのうちの1点をご紹介します。「誕生」↓

S3号 273×273mm 墨、朱墨、和紙 2019 亀井三千代 額装済
この作品はウロボロスの第1号。この作品の後に気に入って何匹か描きました。
ウロボロスについては、前々から気になる図像でありました。
自分の尾を噛む、なんて怖いな~と思っておりましたが
実は「不老不死」「永遠」など、メビウスの輪のような良い意味を持ちます。

古くは、西洋美術に現れるギリシャ神(もとは農耕の神)サトゥルヌス*と共に登場しています。
無駄に逞しい身体のお爺さんが大鎌、砂時計、ウロボロス持ってたらその人は神の王者・時の翁サトゥルヌスです(笑)
さらにこの人には自分の子を喰らう、とか守銭奴、怠け者、鬱、と最悪なイメージがどんどん付されていきます。
このサトゥルヌスのイメージが逆転するのはイタリアルネサンス以降。
バランスを欠いた気質を持った天才、哲学者といった特別な意味が付されていきます。
悪の中にひらめきや才能を見いだすといった、善悪を表裏一体とする価値観は大好き。
私も共感し、同様のテーマを持っていると思います。

長くなりました。
アートコレクターズ6月号の話しでした。
発売された25日はちょうど緊急事態宣言が解かれた日。
幸先良いな~と思いつつ、表紙も明るくてとても可愛い。
どうぞお手に取ってご覧頂けたら幸いです。



見開きP48,P49に掲載されています。

生活の友社さんウェブでも見ることが出来ます。コチラ↓
「誕生」https://www.tomosha.com/book/b511727.html
「メメント・モリ」https://www.tomosha.com/book/b511732.html
「アクア」https://www.tomosha.com/book/b511733.html
是非是非よろしくお願いいたします。

サトゥルヌスとウロボロス

出典:エルヴィン・パノフスキー『イコノロジー研究・上』浅野徹他訳、2002年、ちくま学芸文庫 第1刷。P167より
ゴヤの「我が子を喰らうサトゥルヌス」も有名です。


毒虫と妄想

2020年05月26日 14時28分00秒 | 日記


少しは歩いた方が良いので散歩に出る。
これはある日の雨上がりの夕方、多摩川沿いを散歩。
水たまりにピンク色の雲が映っていました。

川沿いなので、いろいろな虫がいるようです。

帰り道に両手に痒みを感じたのでふと見ると
その部分に黒ごまのようなものがついていた。
老眼なので良く見えず無意識に指で払ってしまった。
でも、冷静に考えたら「痒い部分に黒ごま」は虫でしょう。

みるみる腫れて痒さが増してきました。
蚊ではなかったのでなんだろう、
うっかりダニだと思い込んでいました。
ダニには恐ろしいウイルスを持っているものがいて
ごく希に死亡する人もいると聞いたことがある。

夜、寝床で痒みをガマンしながら、体中に毒が回る妄想に苦しんだ。
コロナにこんなに気をつけて生きてきたのにダニのウイルスにやられるとは。
あの時、散歩なんてしなければ良かった…
大嫌いだった人と仲良くする夢を見た。

ところが翌日、ダニの場合はすぐには痒くならないことを知る。
ブユか!!

私は蜂、アブなどに刺されやすい。
大勢居ても私だけ噛まれたりする。
虫フェロモンを出しているだとか、おまえ前世は虫だろう、とか
言いたい放題言われるが、
まぁ虫が噛みたくなる匂いは、確かに出しているのでしょうね。

液体ムヒEXを購入。
とりあえず、ダニではなくて良かったです。

ところで
最近は雑誌に取り上げていただきました。

表紙は今の私の気分そのものです


人人展関係の記事。
人拓「ドレス」を掲載いただきました。
感謝。ありがとうございます!!


タイムカプセル

2020年05月14日 09時10分49秒 | 日記

画像は、アマビエ、のつもり。
疫病退散の妖怪だそうで今流行っています。

さて、3月31日に人人展が終わってから
時がまるで止まってしまったかのよう。
私は一体何をしていたのでしょう。

とりあえず、コロナが怖くて引きこもっていました。
絵描きは引きこもり(描いてる最中は物理的に引きこもる)と言ったって限度があるわけで、
完全に引きこもったのは人生初かもしれません。

夕方5時を過ぎると感染者数が気になって仕方がなく
ネットでマスク探したり
お菓子食べたり
滅菌器を探したり(注文したのに来ない!)
お菓子食べたり
髪型はアマビエみたいだわ太るわ、
ナメクジのような生活に。

さすがに恐ろしくなり
何かしなくてはと考え始めたのは4月下旬。
延期された個展が本来開催されていた頃でしょうか。
そのあたりから、墨ではなくてアクリル絵具のドローイングを始めたり
カルチャーで講座予定のルネサンスの資料を探したり
そんなわけで、現在画室は本だらけに。

カルチャーの講座はルネサンスと解剖図の話しをするはずでしたが、これも延期。
とはいえこれは自分の卒論のテーマでもあり、興味深い大好きなテーマなので
まずはその卒論と資料を探すところから始めました。
何度も引越を繰り返しているので大捜索だろうと思っていましたが
意外にも、一つの場所に全部まとめてありました。
データも当時のノートも全て整理されてあったのには驚きました。
ちょっとしたタイムカプセル、過去の自分に感謝。

いろいろ自分を振り返る時間が持てたと思います。
置き去りにしてきたものを少しずつ拾い上げる、そんな機会にしたいです。

何となく感染者数も減少し、
延期になっていた個展開催の話しも何となく浮上し明るい兆し。
もしかしたら来月からカルチャーも始まればまた忙しくなります。

社会復帰できるでしょうか、
というか、そもそも歩けるかな?
ナメクジに筋肉をつけるところから、まずは始めたいと思います。