La douce vie

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「この世の春」宮部みゆき

2023-04-19 | book/comic
ごめんくださいまし──。宝永七年の初夏、下野北見藩・元作事方組頭の家に声が響いた。応対した各務多紀は、女が連れていた赤子に驚愕する。それは藩内で権勢をほしいままにする御用人頭・伊東成孝の嫡男であった。なぜ、一介の上士に過ぎない父が頼られたのか。藩中枢で何が起きているのか。一夜の出来事はやがて、北関東の小国を揺るがす大事件へと発展していく。作家生活三十周年記念作。

最初の方で登場人物が多く出てきます。
私は最近本当に物忘れがひどくて、登場人物の名前と立ち位置をすぐ忘れそうになるので、自分で登場人物とその人物の立場をメモして、その紙を栞代わりに本に挟みました。不思議と一度書くと頭に入るもので、その後、1,2度程度しか見ずに済みました。


以降ネタバレ(読むつもりの方はこの先読書前に読まない方が楽しめると思います)



最初、藩政の陰謀の話かな?「孤宿の人」系かな?と思いきや、これはSF?かな「荒神」系かな?などと読み進める。やがて、推測や憶測で間違っていたものは、はっきりしていく。
読み進めるにつれて、これは政治的陰謀か?という導入から、やがて、精神科治療の物語へと変遷していく。しかし、最初のころに勘繰られた怪しげな憶測も遠からず関係していて…
読後として、冒頭に出てくる赤ん坊を守った彼女が気の毒としか言いようがない。

宮部みゆき作家生活30周年作品だそう。宮部さんの作品は必ずチェックして大半は読んでいますが、いつも、期待に違わぬ豊かな読書時間を与え続けてくれて本当に感謝しています。