La douce vie

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「大家さんと僕」矢部太郎

2021-04-10 | book/comic
試し読みで、とてもほのぼのとしたおかしみのある4コマ漫画で、最後まで読みたいと思っていました。やっと、手に入れたので。

矢部さんが不動産屋さんに紹介されたのは大家さんの上の階。2世帯住宅になっていたので、下宿とは違い独立した状態。
その部屋の大家さんはとても上品な高齢の女性。コミュニケーションに積極的な大家さんのお蔭で最初は戸惑っていた矢部さんとの間に友情のような交流が生まれます。

矢部さんの戸惑いは現代社会を生きる人間なら多くの人が思うようなことですが、矢部さんの温厚な性格と大家さんの昔ながらの社交的で育ちの良さがよい関係に発展していき、お互いを尊重し合い、時に一緒にお茶を飲んだり、お食事に行ったり、旅行に行く仲になっていきます。

大家さんの昔話は戦時中と切っても切り離せないもの。それだけではなく、生粋のお嬢様だと思われる口調やエピソード、どちらも、お笑い芸人として生活していた彼の環境とはまるで違い、そこに小さな悲しみやおかしみ、感動があり、矢部さんは丹念にそれを拾い上げ、マンガにしています。

昔、彼はたしか、外国に行って、その国の言葉を覚えて、その国でお笑いをやる、というような企画で何か国かに行き、言語を覚え、現地の人を笑わせていたのを見て、なんて頭のいい人なんだろう、と思った記憶があります。本人は謙遜していますが、矢部太郎さんというひとは才能の塊のような人だと思う。


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