忘却 八十路の記念に ⑤
「唄半学」の世界、奄美には島唄を知っていれば学問の半分はやったのと同じだと謂う伝えがある。島唄の歌詞に含まれている内容は風景、季節、暮らし、神話、伝説、噂話、恋心、教訓等、その数の多さと濃さに驚くばかりである。これらは我が国、古代の万葉歌にも劣らない(小川学夫、多少脚)、
その中から幾つか
年ユリばユリばユティ、イジぬカナしゃ シワ寄れば寄れば 寄ての愛しゃ (徳之島)ナットク
唄者や マンドロガ、チャナ 吾キャデキランチュぬ うた歌テチバ難儀ナンギ(徳之島)(ミヤコウ)
刀自やいらんど 三味線弾キュンチュや 刀自はいらんど 刀自なりゅり女弦 三味線ぬ女弦の刀自なりゅり(クルランド節)(例えばユキオ)
注:マンドロ=多く、刀自=トジ=妻