忘却 八十路の記念に ⑧
コロナ後の新しい生活スタイルはテレワーク、テレビ会議、ソーシャルディスタンスが次第に定着する。そのためコミュニケーション不足にならない様に国もメディアも、いろいろなアイディア、情報を提供している。しかし、コミュニケーション不足は否めず、先人たちが長い歳月と血の滲むような思考を重ねて作り出してきた数多くの迷言、諺等が消滅の危機、重大な局面に立たされている。例えば「目くばせ」「ウインク」「色目」など使うと「どうしたの、目にゴミでも入ったの」と言われるのが落ちで、何ともならない。又「目に物言わす」「顔を利かす」ことも出来ず、ましてや「目は口ほどに物を言う」等全く理解できなくなる。従って「場の空気を読む」「顔を立てる」「暗黙の了解」等も別世界の事で「糠に釘」である。つまり望まずして「忖度」のない理想の社会に突入していくのである。ン十年間忖度社会にどっぷり浸かってきた者にとっては「合わせる顔もない」し「顔色を失い」「顔の泥を塗る」ばかりである。老化現象で現実と妄想の世界を行きつ戻りつしている我ら年代者にとっては「忖度の無い社会」は本当に住み辛い。最近、カーちゃんにも忖度は全く通用しなくなった、老化現象のせいか、イヤ、新型コロナウイルスのせいだ。つづく