風のように

ゆらり 気ままに 過ごすとき
頭の中は妄想がいっぱい
錯覚の中で生きるのが楽しみ

貼り紙

2024-12-18 13:16:47 | こころ
貼り紙を知ってか知らずかブーゲンビリア


職場へ向かう途中の信号待ちで出会う
見事な花を咲かせるブーゲンビリア

空き家になって数年を経て
ブーゲンビリアは自由に延びて

無機質な赤紫の花びらの鮮やかさが
人目を引いている

まだ充分に住まうことの出きる家の門には
家族数人の名を書いた表札がある

壊れた鉢やプランターがブロック塀の内外に
転がっている

道からでも読める貼り紙が
玄関ドアに貼り付けられている

◯◯様
植木が当方に延び放題で迷惑しています。
対処して頂きたく云々……
△△迄ご連絡ください。

その貼り紙ももう数ヵ月も貼られたまま
表のブーゲンビリアだけでなく

人ひとり通れる程の隣との間に
大樹が所狭しと伸びて屋根の高さを越えている

貼り紙の主はどのお隣さんだろうか?
このお家の方は施設に入所されているのか

お子様達は都会住まいだろうかなどと

しなくていい想像を巡らし
自分のこの先も想像してみる

手入れが大変で家の庭の木を
切って欲しいという娘に

お母さんの生きてる間は好きにさせてと言う
たまに訪ねてくる娘は

この蔦(甲子園を覆っていた蔦のお裾分の蔦)に
これはあかんで家を乗っ取られるでと言い

這い回る蔦を引き抜いていくが
しばらくすると蔦はまた勢力を伸ばしている

あと何年正気で元気でいられるかという保証は
1分1秒たりともない訳だから

貼り紙をされないうちに
対策が必要だとブーゲンビリアは告げている






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