CubとSRと

ただの日記

共産主義という「考え『方』」その➃

2021年09月25日 | 重箱の隅
共産党  ④

 2016.09/23 (Fri)

 さて、声高に護憲を唱える今の共産党ですが。
 元々「非武装中立なんて有り得ない」から、「国軍は持つべきである」、と言っていたはずなんですが。
 そして国を護るための軍隊だから「自衛隊」だ、と。
 つまり「自衛隊」という名称を最初に提唱したのは共産党だ、ということです。国民のほとんどは知らないでしょうね。
 だからと言って今の自衛隊を共産党が作ったわけではないのですが。

 転載、続けます。

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 《憲法は守りましょう》
 さて、当面するテーマである憲法改正問題に移りましょう。

 戦後、占領下でいまの憲法が制定されたことはご存知ですね。一九四六(昭和二十一)年です。八月二十四日の衆議院本会議で採決が行われた時、共産党所属議員は全員反対票を入れました。
 政党として唯一反対したのが共産党です。また、共産党を代表して野坂参三氏が反対討論をしています。
 そこで、九条は「一個の空文に過ぎない」「わが国の自衛権を放棄して民族の独立を危うくする危険がある」と堂々の反対討論を行いました。なんと、いまの自民党など改憲派の言っていることです。同時に「人民共和国憲法草案」を発表しています。れっきとした改憲派です。

 ところがその後、いろいろ変化しました。「改悪反対」とか「将来の改憲」とか、そしていまや全くの護憲派に変貌です。
 二〇〇四年に作成された現綱領で、なんと「現行憲法の前文を含む全条項をまもる」と一八〇度宙返りをしたのです。
 ここで問題です。
 共産党は自衛隊は憲法違反の存在という解釈で、その解消をめざしています。憲法は、軍事的措置を否定しているという解釈ですから、その先は日米安保体制の否定になります。
 ですから、安保法制などは論議する前から反対なのです。審議時間が足りず、国民的合意が得られていないなどの理屈は、本当はまるで関係がないのです。最初からすべて否定なんですから。

 「憲法を護れ!」という合唱は、一色の声ではありません。いわゆる「平和主義」の枠内で自衛隊と安保条約を認め、それでいいという声と、そうじゃなく自衛隊は憲法違反だから憲法を厳密に解釈して、自衛隊そして安保条約もなくそう、という声が入り混じっているのです。
 同じ「護憲」という列車に乗っても、行先は全然別なのです。共産党はそのことを分かったうえで、「護憲」、「護憲」と言っている。みんな連れて行こうという肚でしょう。

 ですから、安保法制廃止のための統一戦線など、ためにする議論です。行き先が違うものが一緒の列車に乗ってしまったのです。民進党は民主党以来、自衛隊合憲、安保体制維持の立場です。それが共産党と一緒に行動するなんて、どうかしていませんか。
 世論調査をみても、自衛隊と日米安保といういまの防衛体制を支持する人が、八四・六%(内閣府二〇一四年度調査)です。共産党は、この世論の大勢をも否定する考え方です。
 近年の中国の膨張主義の高まり、北朝鮮の懲りない核開発、そして米国の内向き志向などを見ると、共産党の主張は、憲法の文理的解釈で憲法を「護り」、日本の安全保障を「壊す」ものといえるでしょう。

 実はその共産党も、自衛措置はいらないという「非武装中立」を目指しているとは到底思えません。過去にも、社会党が唱えた「非武装中立」論をトコトン叩いてきたからです。しかも、「最小限の自衛措置が取られた場合は、核兵器の保有は認めず、徴兵制は取らず、海外派兵は許さない」(八五年版「日本共産党の政策」)と公言していました。
 それはそうでしょう。共産主義の政権となれば、当然、「赤軍」となる。国の防衛を放棄し、丸裸でいい、という国はありません。比較憲法の西修教授によれば、人口百万以上の国で軍隊を持たない国はないといいます。むしろソ連にしても中国にしても過大な軍隊を持ち、核武装大国になっています。中国の「人民解放軍」は外国向きだけでなく、内戦用にも使われてきた歴史があります。

 日本では、哀しいことにというか平和ボケか、社会主義は国防に反対するものという誤解があります。どこの国でもどんな政権でも、国防はゆるがせにできない国家の存亡にかかわる一大事です。それが日本ではおかしくなり、かつての社会党の二度の分裂も、争点は国防問題でした。

 サンフランシスコ講和条約と日米安保条約の賛否で、右派左派に分裂。六〇年安保でも分裂し、民社党ができました。保守と「革新」というか、野党第一党との一番の対立軸が国防では、情けないです。
 同じ敗戦国でも、ドイツ社民党はマルクス主義と絶縁し、保守党と共同作業で憲法改正や緊急事態法制の整備を図ったやり方が、何とも羨ましいかぎりです。

 《めざすものは- あれ! 中国型?》
 共産党は一体日本をどうしようと考えているのでしょうか。
 野党にとっての憲法は党の綱領です。その旗印に支持者が集まっているのです。実際そうでない人もいるようですが、これが建前です。
 共産党の綱領は、先に述べたように何度も変わっています。二〇〇四年のいまの綱領を見てみましょう。
 いろいろ書いてありますが、特徴的なことをピックアップします。「民主主義革命」とか「社会主義、共産主義の社会」も出てきます。共産党が目指すものです。
 
 この「社会主義をめざす」で、大事なヒントを見つけました。ソ連は社会主義でない、とバッサリ切り捨てたのは先に述べたとおりです。( 共産党② 当時の不破議長の「ソ連崩壊は当然だ云々」発言参照)
 それでは、どんな社会をめざすのでしょうか。

 そうしたら、興味深いものがでてきました。不破元議長の講演集からです。そこに「社会主義をめざす国々」という一項があります。
 「旧ソ連は、社会主義への道を途中で外に踏み出した。いま私たちが社会主義をめざす国としてあげているのは、中国、ベトナム、キューバの三つの国です。人口は合わせて14億人以上、経済発展もめざましく、世界での政治的経済的比重はますますおおきくなっています。」(『科学の目で見る日本と世界』新日本出版社、二〇一一年)と。
 
 中国の人口の大きさにくらくらときたのでしょうか。共産党は、世界人口の三分の一が社会主義(中国を入れると)だとか、革新自治体下の日本の人口は三千七百万に達するとか、そういう足し算が昔から好きなようです。
 しかし、これではっきりとするでしょう。日本共産党は、中国と同じような道をめざしていることが。

 ところが日本は数年前から、尖閣諸島の所有権問題や毒入り餃子事件などもあいまって、一番嫌いな国が中国というのが定着していますね。
 日本共産党が、実は中国共産党と同じ道を歩こうとしているとなれば、世論はどう受け止めるでしょうか。


 (転載ここまで。以降は次回に)

「月刊Hanada」10月号 「日本共産党の怖さ一から教えます」より

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 「憲法護れ!」
 その目的は安保体制の破壊。
 それは革命実現への一里塚。
 ということは、
 「憲法を護って」「国を破壊しろ」、と。

 納得できます。本来の目的のために活動を続けている「筋の通った」「全くぶれない」政党です。
 世界に誇れる政党でしょう、とても人間の所業とは思えない「目的達成のためには手段を選ばない、人としての道義のかけらもない」活動をしている、という点では。
 勿論、既成社会、現実社会は打倒、破壊すべき存在なわけですから、そんなものに対するに道義なんか要らない、というのは「筋が通」っているわけですよね、「革命」なんですから。



コメント
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