宮城の農業普及現地活動情報

県内9つの農業改良普及センターから,地域の特色ある取組や,宮城を元気にする農業普及情報をお届けします!

ヒートポンプで品質アップ・・・ばら生産農家のチャレンジ・・・

2010年10月18日 14時19分55秒 | 先進的技術に取り組む経営体の育成・支援
 名取市の梶農園では,ロックウール栽培によるばらの大規模経営を行っています。   当農園では,重油高騰をきっかけに光熱費の節減と花き品質向上を目指し,平成19年から21年に制度資金を活用してヒートポンプを導入しました。冬場はヒートポンプと重油の併用,梅雨時期及び夏期はヒートポンプによる除湿,夜冷を行っています。
 導入前は,梅雨時期や夏場など湿度を下げ病害を防ぐために重油ボイラーを動かしていましたが,温度が高い時期にさらに温度が上がるため,花が小さいなど品質面の課題がありました。ヒートポンプ導入後は,夜間冷房により,梅雨時期や夏場でも品質の良い花を生産することが可能となり,大きな効果をあげています。
 特に白色品種アバランチェは大輪で清楚な印象の品種であることからブライダル需要が多く「梶農園のアバランチェを・・・」という注文が年々多くなり,今では梶農園の看板品種になっています。 
 梶農園でもさらに切り花品質の高位平準化をはかるべく選花の基準をよりきびしくしたり,パート職員への研修により技術の向上をはかるなど信頼取引に向けた取り組みを行っています。
 また,この高品質生産を牽引している要因としてMPS認証(花き産業総合認証プログラム)も考えられます。MPS認証をきっかけとして,防除,エネルギー,施肥など細かな記録を取り,この結果を経営主,後継者で話し合うことによって,栽培技術,経営の改善へと結びついています。
 最近の動きとして,今年7月29日に歌舞伎俳優市川海老蔵さんと小林麻央さんの結婚式で使われた花の約半分が梶農園のばらでした。会場装飾を担当した業者から,梶農園のアバランチェで会場を埋め尽くしたいと要望がありましたが,全量を梶農園1軒で出荷することは難しく,山形県と栃木県の生産者と連携してまかなわれました。
 さらに,新たなチャレンジとして,市場や直売所に来るお客さんから「梶さんのばらは,水揚げが良く日持ちするね」という声が多く聞かれますが,きちんと消費者に説明できるデータを持ちたいということから,日持ち保証試験も行っています。
 今後,市場や消費者からの信頼をさらに高めていくことが梶農園の経営発展につながると思われます。モデル経営として期待される梶農園の新たなチャレンジに普及センターも支援を行っていきたいと考えています。

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トルコギキョウ出荷目揃え会

2010年10月18日 11時21分25秒 | 先進的技術に取り組む経営体の育成・支援
 柴田町におけるトルコギキョウ栽培は,昨年秋定植の季咲き栽培に始まり,現在は,二作目となる抑制栽培に取り組んでいます。
 抑制栽培では,季咲きで習得した基本技術を踏まえ,シェード栽培など新たな技術に挑戦しました。今年の猛暑の中での栽培管理には苦戦しましたが,高温障害もほとんど無く,9月下旬から出荷を開始することができました。10月1日には出荷目揃え会が開催され,参加者14名で調製方法や荷姿,出荷規格などについて確認しました。夏の暑さの影響でボリュームや草丈は控えめですが,厳しい選別や調製を心がけ,より良い状態で出荷しようと全員で確認し合いました。
 今月末には来春出荷の促成栽培及び季咲き栽培の定植も始まります。今後も,生産者・関係機関が一体となって,品種構成を吟味し,栽培技術を高め,戦略的な産地展開を図って行きたいと考えています。

〈連絡先〉大河原農業改良普及センター  先進技術第二班 
       TEL:0224-53-3431 FAX:0224-53-3138

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もとよし有機の第2回現地検討会を開催

2010年10月18日 10時48分41秒 | 先進的技術に取り組む経営体の育成・支援
 本吉農業改良普及センターでは,気仙沼市本吉町の有機肥料センターで生産される「もとよし有機」を使用した水稲栽培実証ほを設置していますが,その2回目の検討会を9月16日に開催しました。
 実証ほの内容は,4月に「もとよし有機」を散布し,その後窒素肥料のみを施用したものと慣行栽培の圃場を比較するものです。検討会には地元農家や関係機関30人ほどが参加し,成熟期に達した稲を実際に見ながらの現地検討会と,生育調査結果の概要についての室内検討を行いました。それぞれの圃場の生育に差はありませんが,実証ほで一穂籾数が多く,生育後期にも葉色が低下しにくくなりました。参加農家からは,収量調査の結果に期待する声や,水稲の生産コスト削減にむけた意気込みなどが寄せられました。
 今後は,今秋の散布開始に向けて市や農協など関係機関と検討を行いながら,肥料費の低減と循環型農業の実現に向けた支援を継続していきます。

本吉農業改良普及センター
先進技術班
TEL 0226-46-6905
FAX 0226-46-5140

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