野生鳥獣による被害が深刻化・広域化する中,仙南地域関係機関の情報を共有し,効率的に農作物等の鳥獣被害対策を推進するため,「平成25年度大河原地域農作物等鳥獣被害対策連携会議」を開催しました。
当会議は,平成23年7月に設置され,猟友会等が山林での野生鳥獣の駆除活動を行っている成果や情報を交換するとともに,農山村の特に農産物などの鳥獣被害対策を円滑に推進するため開催され,今年で3回目を数えます。
平成24年度の仙南地域の野生鳥獣被害の面積は86ha金額は4千2百万円で,被害金額の約6割をイノシシが占め以下サル,クマ,ハクビシンの順で上位を占めるとともに,ここ数年被害拡大の原因になっており,緊急捕獲対策を実施中です。
捕獲計画に基づく捕獲頭数も現在イノシシ1,375頭と昨年の年間実績1,169頭をすでに上回り,ツキノワグマも県内捕獲数20頭のうち13頭を当地域が占めています。
そのような状況に猟友会では会員の減少と相まって巡回・捕殺・死体処理等の負担も増加しており,その負担の軽減のため意見がかわされました。
一方,農作物の被害防止のため各市町個々の対応では限界があることから,被害防止計画作成の上,獣種に合わせた侵入防止柵を計画的に設置したり,対応獣種を増やすための改良のための事業が進行中で,その進捗について意見交換をしました。
この中で,角田市では地域の農家組合を中心に地区の水田耕作者30名で鳥獣害対策協議会を設立し,数回の話し合いの末に地域全体で10区画の電気柵を設置し,運営している事例が紹介されました。
県では効果的な被害防止対策の普及及び捕獲技術の向上のための事業を計画しており,普及センターでも地域合意や組織育成のための支援をしていきます。
〈連絡先〉大河原農業改良普及センター
TEL:0224-53-3516 FAX:0224-53-3138