平成27年4月28日,東日本大震災の津波や地盤沈下など大きな被害を受け,復興基盤整備が進められている東松島市洲崎東名地区の約20aの試験田で水稲の乾田直播試験が行われました。
当地区は東日本大震災により堤防が破壊され,農地は約50cm沈下し,約80haが長期間にわたり海水に浸かっていましたが,昨年より干陸化,盤上げ,除塩工事が進められました。
また,農地の復旧事業と並行して,地元農業者,行政機関,JAなどがメンバーとなり「奥松島地域営農再開実証プロジェクト」を立ち上げ,営農再開にむけての課題の抽出などに取り組んできました。昨年,同ほ場では移植栽培による実証試験を行ったところ,塩害もなく震災前と同等の収量が確保され,地元農業者の営農意欲を高めていました。
実証試験2年目となる今年は,将来の大規模経営に向け,乾田直播によるひとめぼれの試作となりました。今後,試験田では塩分濃度や土壌成分,地下水位,生育状況等を調査し,来年度以降の本格的な営農再開に反映させていきます。
引き続き,当プロジェクトでは,水稲の乾田直播試験に加え,大豆の実証試験も行う予定であり,当地区の担い手となる農事組合法人奥松島グリーンファームも平成27年3月に設立したことから,一日も早い復興が望まれます。
普及センターでは関係機関と連携して復旧田の栽培技術や担い手育成の支援を継続し,地域農業の復興に取り組んでいきます。
<連絡先>
宮城県石巻農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0225-95-1435 FAX:0225-95-2999