令和5年7月27日、今後の稲作経営振興に向けて、市町、JA新みやぎ南三陸統括営農センター、農業共済組合等の関係機関が参集し、管内の取組状況を視察し、意見交換を行いました。
今年は、南三陸町内の、JA新みやぎのペースト2段施肥田植え実証ほ場、南三陸液肥を用いた栽培ほ場を会場としました。
ペースト2段施肥は、ペースト肥料を土中の異なる深さ2か所に施肥することで、基肥と追肥の効果を持たせ、従来の肥効調節型肥料で問題となっていたプラスチック被覆資材の海洋流出の解消を目的としています。
南三陸液肥は、循環型社会の実現に向け、生ごみを回収・メタン発酵させてエネルギー化するという取り組みの一環で、発酵後の残渣(消化液)を肥料として使用するというものです。県の試験場でも水稲、野菜類等で試験を行い、実用性が確認されたことから、今年、「普及に移す技術」が“発酵”、もとい“発行”されています。
当日は、それぞれのほ場を管理する、廻館営農組合長、有限会社山藤運輸担当者から、管理履歴やねらいなどについて説明を受けるとともに、ほ場見学を行い、肥効調節の難しさや費用対効果を考慮した使用判断の要点など、普及に向けた課題について活発な意見が交わされました。
当普及センター管内は、南三陸町、気仙沼市ともに海に面し、水産のイメージも強いことから、海洋環境への配慮による持続可能な農業生産の先進地を目指していきます。
南三陸液肥ほ場
<連絡先>
宮城県気仙沼農業改良普及センター 先進技術班 TEL:0226-25-8069 FAX:0226-22-1606