登米地域のいちごでは,「もういっこ」や「とちおとめ」などの品種を中心に,ビニールハウス等の施設で冬から春にかけて出荷される促成栽培が行われています。促成栽培では,通常花が咲かない11月頃から花を咲かせるため,光や温度,肥料成分等をコントロールして開花を促します。この技術の重要なポイントは,定植前の苗に将来の花となる「花芽」がしっかりとできていることです。花芽ができていない苗を定植してしまうと開花が遅れてしまうため,定植する苗の一部をサンプルとして選び,花芽の出来具合を確認する検鏡(けんきょう)と呼ばれる調査を行います。いちごの花芽は非常に小さく,肉眼では見えないため,実体顕微鏡を用いて花芽の状態を確認し,花芽ができている苗をほ場に定植します。
登米農業改良普及センターでは, 8月下旬から9月中旬にかけて,JAみやぎ登米の担当職員と共に,管内生産者の苗の検鏡を実施しました。今年の夏は高温時期や曇天が続く時期があるなど,いちごの苗にとって厳しい天候となりましたが,生産者の丁寧な管理により,充実した苗が確保できていました。今期のおいしい登米産いちごの出荷が期待されます。
<連絡先>
宮城県登米農業改良普及センター 先進技術班
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